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欠けた英雄のリスタート

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/9/10 📚 シリーズ: 欠けた英雄のリスタート 📝 2,207文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

キャッチコピー ――失った英雄は、欠けたままの心で本物の仲間を掴む。 作品紹介文 かつて最強と呼ばれたギルドの中心人物、レオン・アストリア。 攻略の要として仲間から絶大な信頼を寄せられていた彼は、しかしある日、全てを失う。 親友だと思っていたギルドマスター・カイルの裏切り。 恋人だと信じていたエリナの正体は、最初からカイルの恋人であり、レオンを陥れるためだけに近づいた存在だった。 偽りの証拠によってギルドを追放され、誰にも信じてもらえないまま孤立したレオンは、全てを断ち切るようにゲームアカウントの売却手続きを進める。だがその瞬間、世界そのものが姿を変えた。 ゲームは、現実になっていた。 かつてNPCと呼ばれていた者たちは、この世界では本物の人間として生きている。そして厄介なことに、世界の九割を占めるその人々は、レオンが「裏切った側」だという歪んだ噂を、既に耳にしていた。 証拠のない噂には動じない冒険者ギルド。 噂を真実だと信じ込む、同じく転移してきた元プレイヤーたち。 真偽の定まらないこの世界で、レオンは証明する術もないまま、ただ一人、剣を握り直す。 しかし、彼を待っていたのは敵意だけではなかった。 かつて誰も見向きもしなかった依頼を、黙々とこなしていたレオンを覚えていた村娘。 噂ではなく、目の前の行動だけでレオンを判断する、孤独な天才魔法使い。 豪快な戦士と、お調子者の盗賊。 そして――エルフの姫でありながら、身分の重さに縛られず、まっすぐにレオンへ問いかける少女、リリア。 「あなたは、何のために戦ってるの?」 「――復讐のためだ」 「じゃあ、復讐が終わったら?」 答えられないまま、レオンは新しい仲間たちと共に、少しずつ、失っていたはずの自分を取り戻していく。 困っている人を放っておけない、お人好しな性分。 天然故に巻き起こる、数々の予期せぬ出来事。 かつての彼を知る者たちが「変わっていない」と笑うその姿は、裏切りによって塗り込められていた、本来のレオンそのものだった。 だが、この物語はただの再生譚では終わらない。 リリアとの関係が深まるほど、レオンの中には新しい影が差し始める。 人間とエルフ、決定的に異なる時間の長さ。この世界に生きる誰もが、形を変えて向き合わざるを得ない、寿命という避けられない摂理。 そして、静かに進行する、かつての裏切り者たちの影。 カイルとエリナもまた、この世界に転移していた。 元プレイヤーたちを扇動し、支配的な勢力を築きつつある二人と、レオンたちは、いずれ再び対峙することになる。 証拠を積み上げる冒険者ギルドの支部長イリス・ヴァンダール。 噂に振り回されない、事実だけを見る彼女の存在が、レオンの潔白を静かに、しかし確実に照らし始める。 復讐の果てに何があるのか。 欠けたままの心で、人は本当に、誰かを信じ直せるのか。 痛快な冒険活劇と、じわりと沁みる再生の物語。 そして、笑いと温もりに満ちた、不完全な者たちの絆の物語。 『欠けた英雄のリスタート』、開幕です。

本文

第17話「絆が試される夜」

 異変は、夕食の支度を始めた頃に訪れた。

「――おい、静かにしろ」

 ガレオンが、串に刺した肉を焼く手を止めた。その声に、緊張が滲んでいた。

「なんだよ、急に」

「獣の気配が、多すぎる」

 ロキが訝しげに周囲を見渡した瞬間、遠くの茂みが一斉に揺れた。木々の間から、無数の赤い目が、闇の中に浮かび上がる。

「――囲まれてる」

 フィアナの声に、緊張が走った。

 次の瞬間、獣の群れが、四方から一斉に襲いかかってきた。牙を剥き、爪を振るう影の数は、これまで対峙してきたどの群れよりも多かった。加えて、その動きには、単なる野生の獣とは思えない統率が感じられた。

「これは……仕組まれてるのか?」

 レオンは剣を抜きながら、周囲を警戒した。だが、考える猶予は与えられなかった。

 戦いは、これまでにない激しさを見せた。

 ガレオンが大剣を振るい、正面から迫る群れを薙ぎ払う。フィアナが放つ炎の矢が、暗闇に赤い光の筋を描く。ロキは影に紛れながら、側面から迫る獣を短刀で仕留めていく。

 だが、獣の数は減らなかった。むしろ、次々と新手が現れ、包囲網が徐々に狭まっていくようだった。

「――くっ!」

 ロキの声が、悲鳴に近い響きで上がった。振り返ると、複数の獣に囲まれたロキが、足を滑らせて体勢を崩していた。逃げ場のない包囲の中、獣の一体が牙を剥いて飛びかかろうとしている。

「ロキ!」

 フィアナが叫んだ。だが、彼女の位置からは間に合わない。ガレオンも、正面の群れを抑えるので手一杯だった。

 誰もが、一瞬、動きを迷った。持ち場を離れれば、他の場所に隙ができる。だが、ロキを見捨てることなど、選択肢にすらなかった。

 レオンの体は、迷いよりも先に動いていた。

 地を蹴り、間合いを一息に詰める。かつて、ギルド《アストラ》で幾度となく仲間を守ってきた感覚が、体に染み付いていた。誰か一人が欠けても、勝利は成立しない。あの頃、心の底から信じていた言葉が、今この瞬間、迷いのない行動となって表れていた。

「――そこだ!」

 レオンは飛びかかる獣の眼前に割り込み、剣を横一閃に振るった。刃が獣の体を捉え、勢いのまま地面へと叩き伏せる。

「大丈夫か!」

「あ、ああ……悪い、助かった」

 ロキが荒い息のまま、震える声で応じた。レオンはそのまま、ロキを庇うように前に立ち、迫り来る次の獣に剣を構えた。

「レオンばかりに任せてられねえ!」

 ガレオンが正面の敵を薙ぎ払いながら、こちらへ駆け寄ってくる。フィアナも、魔力を振り絞るように詠唱を続け、レオンとロキの周囲を援護する光の壁を展開した。

 四人が、自然と背を寄せ合う陣形になった。誰かが指示を出したわけではない。それぞれが、互いの位置を感覚的に把握し、隙間を埋め合っていた。

 包囲する獣の群れに対し、四人は円陣を組むようにして応戦を続けた。息が上がり、腕が鈍り始めても、誰一人として崩れなかった。

 どれほどの時間が経ったのか、レオンには分からなかった。ただ、目の前の敵を一体、また一体と斬り伏せていくうちに、群れの勢いが徐々に衰えていくのを感じた。

 やがて、統率を失った獣たちが、算を乱して闇の奥へと引いていった。

 静寂が、戻ってきた。

 全員が、その場に崩れ落ちるように座り込んだ。

「……終わった、のか」

 ロキが、掠れた声で呟いた。誰も、それ以上言葉を発する余力はなかった。荒い呼吸だけが、しばらくの間、暗闇に響いていた。

「悪い……俺のせいで、危なかったな」

 ロキが、ようやく息を整えながら、申し訳なさそうに口を開いた。だが、ガレオンがその肩を軽く叩いた。

「気にすんな。誰にだって、隙はある」

「そうだ」フィアナも、疲労の滲む声で頷いた。「大事なのは、誰も欠けなかったことだ」

 誰も、ロキを責めなかった。ただ、「助かった」という安堵だけが、四人の間に静かに共有されていた。

 レオンは、剣を鞘に収めながら、その光景を、噛み締めるように見つめていた。

(――誰も、置いていかない)

 かつてのギルドで信じていた理想が、今、この瞬間、確かな形で体現されていた。誰かの力だけに頼るのではなく、誰かが崩れかけたら、他の誰かがその穴を埋める。それが、当たり前のようにできる関係が、今、目の前にあった。

 言葉にする必要はなかった。ただ、互いの無事を確かめ合う視線と、僅かに緩んだ表情だけが、四人の絆が、確かなものになったことを物語っていた。

 その夜は、焚き火を熾す余力すら、誰にも残っていなかった。

 四人は、崩れた木の根元や岩陰に、身を寄せ合うようにして座り込んだ。星明かりだけが、暗闇の中でぼんやりと輪郭を照らしていた。

 誰も、多くを語らなかった。ただ、隣に誰かがいるという事実だけが、今夜は何よりも心強かった。

 フィアナが、レオンの隣で、静かに膝を抱えていた。ガレオンとロキは、背中合わせに座り、既に浅い寝息を立て始めている。

 レオンは、夜空を見上げた。雲の切れ間から覗く星々が、今夜はいつもより近く感じられた。

 剣を握る手には、まだ疲労の重さが残っていた。だが、その重さの中に、確かな充実感が混じっていることに、レオンは静かに気づいていた。

 誰も欠けなかった。誰も、一人にはならなかった。

 それだけのことが、今のレオンにとって、何よりも大切な意味を持っていた。

 寄り添うように休む四人の影を、星明かりが、静かに照らし続けていた。

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作者について

天霧 セナ

天霧 セナ

広島在住。AI生成を使用し小説とイラストをやってます。 ファンタジー・SF・恋愛など色々書いてますが、 一番大事にしてるのは感情の動き。AIで感情表現は何処までできるかをテーマにしてます。 今年...

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