最初のクソ野郎、Yの暴走
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
<p>絵を描く。それは私、ぴりからしにとって、自分の大好きな世界を形にする最高の時間だ。お互いにリスペクトを持って、温かいやり取りができるファンやフォロワーに囲まれて活動するのが、何よりの幸せだった。</p><p>しかし、ネットの海には時折、クリエイターを「自分の欲望を満たすための無料のマシーン」と勘違いしている怪物が潜んでいる。</p><p>そいつの名は、Y。</p>
本文
絵を描く。それは私、ぴりからしにとって、自分の大好きな世界を形にする最高の時間だ。お互いにリスペクトを持って、温かいやり取りができるファンやフォロワーに囲まれて活動するのが、何よりの幸せだった。
しかし、ネットの海には時折、クリエイターを「自分の欲望を満たすための無料のマシーン」と勘違いしている怪物が潜んでいる。
そいつの名は、Y。
始まりは、一通の何気ないリクエストだった。最初は純粋なファンかと思っていた。けれど、やり取りを重ねるうちに、そいつの本性が化けの皮を剥ぐように見えてきた。挨拶はない。お礼もない。こちらが時間を削り、魂を込めて描き上げた作品に対して、まともな感想すら一言も返ってこない。
ある日、仲の良い絵師仲間である「なるころね&ショコラ」さんとの裏のDMで、私はついに堪えかねて愚痴をこぼした。
「あいつマジでクソ野郎だな……」
裏でどれだけ呆れられていようとも、Yのブレーキが壊れた暴走は止まらない。こちらの都合やスケジュールなんて1ミリも考えず、次から次へと一方的に自分の癖(へき)を押し付け、消費しようとしてくる。
「クリエイターにタダで描かせて、手に入ればそれで終わり。そんな不作法がまかり通ると思うなよ」
画面を見つめるぴりからしの瞳が、冷ややかに細まる。
これが、その後に続く「もう一人のヤバいリク厨・T」との、身の毛もよだつ心理戦の幕開けになるとは、この時の私はまだ知る由もなかった――。
作品統計
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