1日1回しか魔法が使えない魔法使い
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
<p>見習い魔法使いのルカには、重大な秘密がある。</p><p>それは、彼の魔力が極端に弱く、「1日にたった1回しか魔法が使えない」ということだ。一度使えば、次の日の朝まで彼の魔力はすっからかんになってしまう。</p><p>「ルカ、またそんなくだらないことに『今日の1回』を使うつもりかい?」</p>
本文
見習い魔法使いのルカには、重大な秘密がある。
それは、彼の魔力が極端に弱く、「1日にたった1回しか魔法が使えない」ということだ。一度使えば、次の日の朝まで彼の魔力はすっからかんになってしまう。
「ルカ、またそんなくだらないことに『今日の1回』を使うつもりかい?」
肩の上で、使い魔の黒猫が半目で呆れ声をあげた。
ルカの前には、木の上から降りられなくなった村の幼い少女と、その大切にしている子犬がいる。
「くだらなくないよ! ほら、助けてあげなきゃ」
ルカは意を決して木を仰ぎ見ると、杖を強く握りしめた。本日最初で最後の魔法を唱えるために——。
そのとき、遠くの方でドオンという大きな音がして地面がゆれた。
「な、なに?」
「……北の山の方だな。土砂くずれかもな
クロの声がきん張をおびる。ルカはぎゅっと杖を握った。でも、今日はもう魔力がない。
「……明日、見に行こっか」
「ああ、そうするんだな。今日はもう休め」
二人は足をはやめて村へと向かった。明日もまた、一回きりの魔法のために。
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