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我が病

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/9/5 📚 シリーズ: イケメンにも恋の病は必要だよね! 📝 2,326文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

大学2年生の橘ひなたは、ごく普通の女子大生。ある日、学校一のイケメンと噂される林武蓮と同じゼミになったことで、自然と彼を意識するようになる。 しかし蓮は恋愛に全く興味がなく、女の子から告白されても断り続けるクールな男。ひなたが話しかけても素っ気ない態度ばかり。 それでも一緒にいる時間が増えるうちに、ひなたは彼の不器用な優しさに少しずつ惹かれていく。 恋愛に無関心なイケメンが、初めて「恋の病」にかかるまでのドキドキラブコメ!

本文

9月の初日、林武は一人で部屋にいた。

特にやることもなく、テキストを開いていたが、頭に内容が入ってこなかった。気づくと、全然別のことを考えていた。

ひなたのことを。

……また、か。

林武はテキストを閉じた。最近、こういうことが増えていた。何かをしようとすると、気づけばひなたのことを考えている。講義中も、メッセージを送る時も、一人でいる時も。

花火の夜から、特にひどくなった気がした。

あの夜、ひなたが何かを言いかけた。花火の音に遮られて、聞こえなかった。でも、その後のひなたの笑顔が、ずっと頭から離れなかった。

穏やかで、少し恥ずかしそうで、でも満足そうな笑顔。あんな顔を、今まで見たことがなかった。

林武はベッドに横になって、天井を見つめた。

ひなたのことを考えると、最初に浮かぶのはあの笑顔だった。次に、カラオケで歌っていた姿。足湯で話を聞いてくれていた横顔。コンビニのアイスを押しつけてきた時の得意げな顔。マスクを渡してくれた時の、少し照れた顔。

一つひとつが、鮮明に思い出せた。

普段、人の顔をここまで覚えていることはなかった。誰かのことを、こんなに細かく記憶していることも。

……おかしい。

林武は起き上がって、窓の外を見た。夏の終わりの空は、夕方になってもまだ明るかった。

ひなたのことを考え始めたのは、いつからだろう。

最初は、ただ変なやつだと思っていた。ひなたが隣の席に座って、こちらをじっと見ていた。目が合ったら真っ赤になって謝った。それだけのことだった。

でも気づけば、隣にいることが当たり前になっていた。メッセージのやり取りが、毎日の習慣になっていた。ひなたが送ってくる他愛ない内容を、思ったより楽しみにしていた。

体調が悪い時に、マスクを渡してくれた。熱を出したひなたを、家まで送った。木の影で、慰めてくれた。旅館で、足湯に一緒に浸かりながら、過去の話を聞いてくれた。

ひなたは、踏み込みすぎない。でも、離れすぎない。ちょうどいい距離感で、いつも隣にいてくれた。

それが、こんなに心地よいものだとは思っていなかった。

林武はスマートフォンを手に取った。ひなたとのトーク画面を開いた。最後のやり取りは、昨日だった。

『今日のバイト、暇すぎて死ぬかと思った』

『……大げさだ』

『大げさじゃないよ、本当に暇だったんだから』

そんな、何でもないやり取りだった。でも、このやり取りをしている時、林武は自然と口元が緩んでいた。自分では気づいていなかったけれど、今思い返すとそうだった。

ひなたのメッセージを見ると、何かが緩む。

ひなたの顔を思い浮かべると、落ち着く。

ひなたがそばにいると、踏み込むことへの恐れが遠くなる。

一つひとつは、小さなことだった。でも、全部を並べてみると——

……これは。

林武は静かに、その言葉と向き合った。

今まで、何度か似たような感覚に近づいたことがあった。でも、その都度、蓋をしてきた。踏み込むことへの恐れが、いつも先に来た。

でも今日は、蓋をする前に、もう少しだけ考えてみようと思った。

ひなたがいない時に、ひなたのことを考えている。

ひなたが誰かに告白されているのを見て、安心した。

ひなたの笑顔が、頭から離れない。

ひなたと過ごす時間が、もっと続けばいいと思う。

一つひとつを確認するたびに、答えははっきりしていった。

……好きなんだ。

認めた瞬間、林武の中で何かがすとんと落ちた。

恐れがなくなったわけではなかった。踏み込むことへの不安が消えたわけでもなかった。でも、今までぼんやりとしていたものが、急にはっきりと形を持った気がした。

ひなたのことが、好きだ。

それだけのことだった。それだけのことなのに、こんなに時間がかかった。

林武はしばらく、その事実と向き合った。

好きになってしまった。誰の告白も断ってきた自分が。踏み込むことを恐れてきた自分が。気づかないうちに、気づかないふりをしているうちに、もうどこにも逃げられなくなっていた。

……ひなたしか、考えられない。

その言葉が、頭の中ではっきりと浮かんだ。

他の誰かのことを考えようとしても、ひなたの顔が浮かんでくる。他の誰かと話していても、ひなたと話したいと思う。他の誰かに何かをしてもらっても、ひなたにしてもらいたいと思う。

これが恋なのか、と改めて問いかけると、答えは一つしかなかった。

そうだ。これは、恋だ。

林武は窓の外を見た。夕空がオレンジ色に染まっていた。

困った、と思った。いつも同じ言葉が浮かぶ。でも今日の「困った」は、これまでとは全く違う意味を持っていた。

好きだと認めた。それは確かだ。でも、どうすればいいのかが、わからなかった。

ひなたには、好きな人がいると言っていた。花火の夜、何かを言いかけた。あの笑顔の意味が、今になって少し怖くなった。

もし、ひなたの好きな人が自分ではなかったら。

もし、すでに別の誰かのことを想っていたら。

踏み込む前に、また恐れが顔を出してきた。でも、今日は以前とは違った。恐れがあっても、ひなたのことが頭から離れないのは変わらなかった。

スマートフォンが震えた。

ひなたからのメッセージだった。

『今日夕焼けきれいじゃない?なんか急に秋っぽくなってきた気がする』

林武は思わず窓の外を見た。確かに、空がオレンジ色に染まっていた。

同じものを見ていた。

それだけのことなのに、胸の奥がじんとした。こんな感覚は、今まで知らなかった。

『……きれいだな』

返信してから、林武はしばらくスマートフォんを持ったまま動かなかった。

好きだと認めた。でも、それをどうするかは、まだわからなかった。踏み込む勇気が、自分にあるのかどうかも。

ただ、ひなたのことしか考えられない自分が、今ここにいた。

それだけは、もう否定できなかった。

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作者について

たかの岳

毎日1話投稿! AI連載作品をたくさん出したいなと思います!

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