7.事件発覚

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/9/16 📚 シリーズ: 交錯する殺意 📝 579文字 ✅ 全年齢

あらすじ

ゆすり屋の男が、人気のない廃工場で殺害された。 犯人と目されるのは、彼に殺意を抱く二人の男。 互いの存在を知らぬまま現場へ向かった二人の行動には、奇妙な食い違いがあった。 何気ない発言や不自然な行動、現場に残された小さな痕跡をつなぎ合わせたとき、事件の構図は思いもよらぬ形へ反転する。 二つの殺意が交錯した先に待つ真相とは――。

本文

 めったに人が立ち寄ることのない、郊外の廃工場で男の死体が発見された。所持品から氏名は黒須裕治ゆうじ、年齢三十四歳と身元が判明した。

 鋭利な刃物で喉元を切り裂かれ、出血多量による失血死が死因だった。

 着衣に争った跡はなく、背後から不意を突かれたようだ。頸部けいぶの傷口の様子から、刃物は被害者側から見て右から左へ使用されたものと思われる。

 財布、腕時計やアクセサリー類など貴重品は手付かずだったため、警察は物取り目的ではなく怨恨による犯行と判断したが、衣服や現場周辺からなぜか携帯電話だけは見つからなかった。

 現場となった廃工場の敷地内には、土の上に真新しいタイヤ痕が残されていた。普段から人の寄りつかない場所であることから、警察は犯人を特定する重要な手がかりと判断。車の行方を重点的に捜査した。

 後日、所轄のS署の交通課より、犯行当日の深夜、廃工場近辺にて制限速度オーバーで取り締まりを受けた運転手がいたことが報告された。

 男の名前は三谷文夫ふみお。彼の車のタイヤのトレッドパターンと、廃工場に残されたタイヤ痕が一致したことから、警察は三谷へ重要参考人として任意同行を求めた。

 取り調べに対し、三谷は「自分はやっていない」と無実を主張。殺人の物的証拠は無く、彼の《《不可解な行動》》もあり、警察は三谷を犯人として特定するには至らなかった。

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作者について

紗倉亞空生

紗倉亞空生

紗倉亞空生(さくら あくお)と申します。 ミステリとホラゲーとちょっぴりロードバイク🚴を嗜むしがない会社員です。

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