― カカオの残滓 ―
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
<p>彼女、青い宝石(ミルキー・アクアマリン)の瞳は完璧な無感情を装っている。</p><p><strong>エレーヌ:</strong>「――そこまでです、ジェラルドお兄様、アルベリック。これ以上不粋な騒がしさを挟めば、二階の書斎にいらっしゃるオーナーの不興を買います。 速やかに対処(強制終了)いたします。 さあ、お互いにその不審な視線を外して、持ち場へ戻ってください」</p><p> 淡々としたお人形の顔(ポーカーフェイス)のまま、気品あふれる静かな低音で場を制するエレーヌ。</p>
本文
彼女、青い宝石(ミルキー・アクアマリン)の瞳は完璧な無感情を装っている。
エレーヌ:「――そこまでです、ジェラルドお兄様、アルベリック。これ以上不粋な騒がしさを挟めば、二階の書斎にいらっしゃるオーナーの不興を買います。 速やかに対処(強制終了)いたします。 さあ、お互いにその不審な視線を外して、持ち場へ戻ってください」
淡々としたお人形の顔(ポーカーフェイス)のまま、気品あふれる静かな低音で場を制するエレーヌ。
だが、胸に抱きしめたトレイを握る指先は、オーナーに「わたしの人形」として全肯定されている心の中の【ほくほく】とした最高の歓喜を、誰にも悟られぬよう静かに噛み締めていた。
アルベリック:「……エレン、お前。またそうやって無表情のまま、俺たちの防衛ラインをスマートに掻き消す……」
ジェラルド:「はは、相変わらず完璧な鉄壁のセーフティネットですね、エレーヌちゃん。……ですが、僕たちのこの騒がしいせめぎ合いを、二階のあのお方が今夜も冷徹に、美しく【 高みの見物 】されているかと思うと……どうにも、理性が砂のように流れてしまいそうだ」
三人は、二階へと繋がる、今は誰もいない静寂の階段を見上げた。そこにあるのはただ、暗闇が支配する静まり返った階段のみ。だが、彼らの視線は一様に、その最果ての聖域をじっと見つめていた。
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