【日常編 ―― L'Ordinaire:影の視線とミルクの深淵】
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
<p>地下一階のチョコレート工房にて地下一階のチョコレート工房は、いつでも肌が粟立つほどに冷え切っている。</p><p>大理石の作業台の上、どろどろと艶やかに溶けた漆黒のカカオを見つめながら、俺は冷徹なポーカーフェイスの裏側で、ただ一人のことだけを考えていた。</p><p>俺の、たった一粒の光。 二階の『<strong>開かずの書斎</strong>』の奥で、クラゲのような可憐なウェーブのくせ毛を、ゆらゆらと漂わせているあのお方――オーナーのことだ。 あの飄々としたジェリーのように、スマートに大人の余裕を気取って微笑むことなんて、俺にはできない。</p>
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