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あし、くび

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/11/3 📚 シリーズ: 異伝記 📝 1,380文字 ✅ 全年齢

あらすじ

連作短篇の形式で語られる怪談ノワール。

本文

       新聞より抜粋

     ×月×日

   足首のない少女の遺体発見。

   遺体はかなり毀損きそんしており、死後数週間が経過。

   不明少女か?

     ×月×日

   公開捜査。不明少女らの詳細を発表。

     ×月×日

   最悪の連続殺人。

   衣服と遺体の一部を収容。

     ×月×日

   犠牲者の数はさらに増える模様。

   被害者はいずれも足首を切断された状態で殺害され……

     ×月×日

   連続足切り殺人。

   犯人逮捕。父子二代にわたる変質者。

   父親は五件の拉致殺人容疑で有罪。五年前に死刑執行。

   被害少女一名救出。

 あしが、いたい。

 ないのに。あしくびから、さきはないのに、いたいの。

 なんでないの。よっちゃんも、きみちゃんも、ちづこも、あるのに、なんであたしだけ、りょうあしのさきがないの? ねえ。

 いたくて、ねむれない。

 にげたいのに、たてない。

 どうして。なの。おかあさん。いつからあたしはここにいるの。

 かんごふさんが、おくすりをくれる。おいしゃさんがいってた、きゅうしにいっしょう、ってなんのこと。

 あしくびの、きれたところから、なんかはえてきた。

 いたいいところが、ふくらんで、いっそう、いたくてつらい。

 じくじく、しろいしるがでて、うんだところがやぶれちゃって、さゆうの、あしくびのあったところから、ちいさな、あたまがはえた。

 このひとのかおしっている。おとうさんじゃ、ない。

 どっちのかおもおぼえてる。

 うんこよりもきたない、くさい、いやあなめだまがあたしをみてる。

 あたしをなぐる。いきなりける。はが、ぐらぐらする。かみのけがぬけた。いきが、できない。くるしくても、たてない。

 くさい。くさい。ちのいろはあかくないの。

 もっと、のめ。ゆけつしてやる。っていってたの。だれ?

 ゆけつは、もう、いや。いたいのはいや。

 わかいおとこのかおのうしろで、としをとったおとこのかおが、こっちをみてる。みおろしている。

 たすけて、くれない。うんこみたいにくずれた、おおきなくちが、げしゃげしゃわらって、もっと、もっと、ってけしかけるの。

 だして、ここから。あしくびをかえして。

 いたい、いたい、いたいのはもう、いや。

 おまわりさんたすけて。

 おまわりさん、おまわりさん、あいつをうちころして。

 おまわりさんがつかまえたのね。

 ぴすとるで、おどして、なぐって。でも、なんでうたなかったの。

 しるが、でるから? しるはくさいから。そうなの。しるがかかるから、いやだったの? あたしがゆうかいされて、あしくびをとられるまえに、たすけてくれなかったのは、なんで。

 かんごふさんがはなしてた。

 おかされたって、なんのこと。はんにんはどうなったの。つかまったなら、とったものはかえすでしょ。

 あしくびは、かえしてくれるのかしら。

 このかおはきらい。

 はえたあたまは、ひだりのかおはとしよりで、みぎのかおはわかいけど、あしくびじゃない。しろいしるをにじませて、ふたつのかおが、にっ、とわらった。

 こわい。こわいの。このかおが、あたしをみたら、またいじめるわぜったい。

 あしくびじゃないなら、なんどはえてもつぶしてやる。このかおはきらい。

 きづちで、たたいたら、おとこのかおから、ちがでた。でた。

 あら、おかしい。このちは、あかいわ。

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々不狼児

々不狼児

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