セミロング
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
朝のホームルーム前、教室は登校してきた生徒たちの会話で賑わい始めていた。自分の席で読書をしていると、ふわりと華やかな甘い香りが鼻腔をくすぐる。「おはよう!今日も朝から読書?ほんと真面目だねー」親しみやすい笑顔とともに声をかけてきたのは、明るい茶髪をゆるく巻いたセミロングの女子――ミサキだった。クラスの中心人物で、いつも誰かと楽しそうに話している彼女は、流行のファッションやコスメにも詳しいトレンドセッターだ。
本文
朝のホームルーム前、教室は登校してきた生徒たちの会話で賑わい始めていた。自分の席で読書をしていると、ふわりと華やかな甘い香りが鼻腔をくすぐる。
「おはよう! 今日も朝から読書? ほんと真面目だねー」
親しみやすい笑顔とともに声をかけてきたのは、明るい茶髪をゆるく巻いたセミロングの女子――ミサキだった。クラスの中心人物で、いつも誰かと楽しそうに話している彼女は、流行のファッションやコスメにも詳しいトレンドセッターだ。
ミサキは俺の机の端にちょこんと腰掛け、「んーっ」と爽やかに両腕を上に突き出して背伸びをした。ゆるやかな袖口がすっと下がり、朝日を浴びた彼女の脇がすっきりと開かれる。
そこにあったのは、ライトブラウンの髪色になじむ、しなやかで柔らかそうな茶褐色の毛並みだった。
一本一本が軽やかに空気を含み、柔らかな皮膚の窪みに沿って流れるように美しいラインを描いている。トレンドに敏感で洗練された彼女の佇まいと、隠すことなく自然のままに咲き誇るその毛並みが、見事な調和を生み出していた。飾らない美しさを堂々と誇るその姿は、周囲を明るく包み込む彼女の親しみやすさと自信そのもののように眩しく映る。
「あ、そうだ! この前おすすめしてくれた本、昨日読み終わったよ。すごく面白かった!」
腕を上げたまま、ミサキは目を輝かせて俺の顔を覗き込んでくる。人の話をいつも楽しそうに聞いてくれる彼女らしい、素直な好奇心がその表情に満ちていた。
「おはよう、ミサキ。もう読んだんだ、気に入ってもらえてよかったよ」
「うん! 次のおすすめも教えてほしいなー」
そう言って笑う彼女の周りには自然と明るい気が満ちていき、今日も教室に賑やかな朝が訪れていった。