第6節「冒険者ギルド、そして新たな気配」
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
《蒼真、神殿に立つ ― 異界の剣聖は、美しき仲間と共に》
本文
# ◆ 第1章「蒼の勇者、降り立つ」
## ――第6節「冒険者ギルド、そして新たな気配」――
昼下がり。
みのりの“異世界初仕事”が終わると、蒼真はようやく本来の目的――冒険者ギルドへ向かった。
ギルドは街でもひときわ大きな建物で、二階建てのレンガ造り。
正面には剣と魔法陣を象った紋章が掲げられ、冒険者たちが頻繁に出入りして活気に満ちていた。
「うわぁ……! 本物のファンタジーって感じですね!」
みのりの瞳はきらきらと輝き、まるでテーマパークに来た子供のようだ。
「ここで依頼を受けて、報酬をもらって、旅の資金を稼ぐ。まあ、まずは登録だな」
二人は中へ入る。
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## ◆ ● ギルド受付の美女と、みのりの嫉妬?
中は酒場を兼ねた賑やかな空間で、剣士や魔法使い、商人上がりの冒険者などさまざまな人物が行き交っていた。
「こんにちはー。冒険者登録をご希望ですか?」
声をかけてきたのは、金髪ツインテールの受付嬢。
露出高めの制服が非常に目立つ美人で、胸元もかなり強調されている。
「今日はどういったご用件で? 冒険者登録ですよね?
お名前と出身を確認させていただければ――」
受付嬢は蒼真に笑顔を向け、身を乗り出す。
蒼真の顔が映り込むほど近い。
「え、えっと……かなり近い……」
すぐ横で、みのりがむすっと頬を膨らませていた。
(……そんなに距離取らなくても……うう、胸が……大きい……)
みのりは自分の胸元をそっと見て、さらにしょんぼり。
蒼真はそんなみのりに気づき、ひとつ咳をした。
「俺と、この子の二人分だ。三枝蒼真。日本出身。
こっちが阿久津みのり。彼女も日本人だ」
「まあ、日本! とても珍しいですね。異世界のどこかの島国……でしょうか?」
「まあそんなところだ」
受付嬢は少し残念そうにウィンクを引っ込め、仕事モードに戻った。
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## ◆ ● 冒険者登録完了
各種書類への記入、簡単な質問、魔力適性の確認が行われた。
「お二人とも……ずいぶん魔力量が高いんですね!?
とくに蒼真さん……初期測定でこの数値は、上位冒険者クラスです!」
「そうなの?」
「まあ、そこそこはな」
蒼真はさらりと言ったが、受付嬢もみのりも口をぽかんと開ける。
「…………す、すご……」
(――うん、改めて好きだ。強い男の人って本当に……)
みのりが頬を赤らめているのに気づき、蒼真は軽く笑った。
「みのりの魔力量も悪くない。訓練次第で魔法も扱えるはずだ」
「ほ、本当ですか!? 私、魔法使えるかもしれないんだ……!」
みのりはぱぁっと顔を輝かせた。
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## ◆ ● 奇妙な視線
登録を終え、ギルド内を歩き出したときだった。
(……見られている)
蒼真は即座に気づいた。
数名の男冒険者が、こちらをちらちら見てひそひそ話している。
「日本人……だとよ」
「また来たのか……」
「あいつら、最近ちょこちょこ見かけるよな」
それはただの興味本位ではない。
敵意と警戒が、微かに混じっている。
(……嫌な気配だな)
そのとき、みのりが不安げに袖を引いた。
「蒼真さん……あの人たち、なんか……」
「ああ、気づいてる。大丈夫だ。こっちには手を出させない」
蒼真は視線を向けずに答えた。
ギルド内での揉め事は禁止されている。だが――
(日本人に何らかの“背景”があるってことか)
女神が言っていた「異世界に散らばった仲間」たち。
どうやら蒼真以外にも日本人はここに来ているようだったが、その存在は歓迎されていない雰囲気。
みのりが心細くなったように、蒼真の腕にそっと触れる。
「蒼真さん……そばにいてください……?」
「ああ、ずっと一緒だ」
その言葉に、みのりは小さく息を吐き、微笑んだ。
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## ◆ ● そして“運命の気配”
「とりあえず今日は軽い依頼をこなすか。素材採集くらいなら安全だ」
「はいっ。蒼真さんとならどこへでも――」
みのりが元気を取り戻した、その瞬間。
ギルドの入口が勢いよく開く。
「――すみません!! 誰か、誰か助けて!!
街道で……日本人らしき女性が、魔物に襲われて……!」
場がざわりと揺れた。
蒼真は即座に立ち上がる。
「みのり、行くぞ」
「……! は、はい!」
そして蒼真の胸の奥で、女神の言葉が響く。
(――仲間を集めよ。
“彼女たち”は、お前によって力を開花させる)
次なるヒロインの影が、すぐそこまで迫っていた。
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