第4節「蒼と黒──衝突」
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あらすじ
《蒼真、神殿に立つ ― 異界の剣聖は、美しき仲間と共に》
本文
# ◆ 第2章「影の騎士と白銀の舞姫」
## ――第4節「蒼と黒──衝突」――
蒼と黒の光が激突し、草原に衝撃の波が広がった。
蒼真と翔の剣がぶつかるたび、金属音が雷鳴のように響き渡る。
「チッ……相変わらず力押しだな、蒼真!」
「お前ほどひねくれちゃいねぇよ!」
二人は剣を押し合い、火花を散らしながら跳ねるように間合いを取り直す。
翔は不敵に笑い、黒剣を持ち直した。
「だがな……この世界じゃ、俺の方が“相性”がいいんだよ」
「どういう意味だ?」
「こういう意味さ――」
翔の身体から黒い霧が溢れ出し、影が蠢く。
全身を纏うそれは、まるで生きているかのように形を変える。
「影操術(かげそうじゅつ)《クロノイドフォーム》!」
影が翔の全身を包み、身体能力が一気に跳ね上がった。
蒼真の目が鋭くなる。
(……来る!)
翔の姿が“消えた”。
「蒼真さんッ!!」
みのりの叫びが響く。
次の瞬間、背後から黒閃が迫る。
「後ろだッ!」
砂月が声を上げ、蒼真は反射的に剣を後方へ振り抜いた。
「――ッらあ!!」
火花が散り、翔の刃を弾き返す。
しかし翔は笑う。
「反応できんのかよ。さすがだなァ蒼真」
「当然だ」
「でもよぉ……反応できても、防げなきゃ意味ねぇんだよ!」
影が一斉に“牙”の形へ変形し、蒼真めがけて襲い掛かる。
「蒼真様ッ!」
「蒼真さん危ない!」
みのりと彩香が声を上げる。
蒼真は剣を逆手に持ち替え、足元から蒼光を爆発させた。
「――蒼陣(そうじん)展開っ!!」
蒼い円陣が地面に広がり、襲い掛かる影の牙を弾き飛ばす。
翔は大きく後退しながら舌打ちした。
「クソ……その蒼光、やっぱり“勇者位階の核”ってやつか。
チートだな、ほんと腹立つわ!」
「お互い様だろうが!」
蒼真が構え直す。
「言っとくぞ翔。今の俺は、お前なんかに負けるつもりは――」
「――“女のために戦ってる”時点で、負け確なんだよ」
翔の言葉にみのりと彩香、砂月が息を呑む。
翔は薄く笑い、剣をゆらりと持ち上げた。
「守るものが多けりゃ多いほど、人間は弱くなる。
俺は違う。奪うだけ。
だから――負けねぇ」
「翔……」
蒼真の瞳が強く燃える。
「そんな歪んだ理屈で……仲間を奪おうとするな」
「理屈じゃねぇよ。
――欲しいから奪うだけだ」
翔の全身から黒い霧が噴き出す。
影が槍の形へ変化し、蒼真へ向かって一斉に飛び出した。
――その時。
「蒼真様!!」
彩香の声が響き渡る。
彼女の白銀の髪が光を帯び、足元に魔法陣が現れた。
「《舞曲魔法・風華輪舞(ふうかりんぶ)》!」
銀色の旋風が蒼真の周囲に展開し、影の槍を全て弾き返した。
翔が目を見開く。
「……チッ、アイドルが出しゃばりやがって!」
「出しゃばります。
蒼真様のためなら、何度でも!」
彩香の声は澄み渡り、しかし強い。
蒼真は彼女を一瞬振り返り、わずかに笑った。
「助かった、彩香」
そして――蒼真の蒼光がさらに濃くなる。
「翔。
俺は仲間を守るためにどこまでも強くなる。
守るものがあるのは……弱さじゃねぇ」
「ほう?」
「俺の強さの根源だ!!」
蒼真の剣が蒼炎をまとった。
翔の口元が吊り上がる。
「上等だ……!
だったら俺の全力で、ぶっ潰してやるよ!!」
蒼と黒が再び、激突する。
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