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1節 法則の起源

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/3/27 📚 シリーズ: 共感性知能アプリNestTalk(ネストーク) 📝 1,109文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

ある刑事の叙事詩 《夜の王国 ~選択と調整の病理~》

本文

## 【第3章 法則の起源】

### 【1節 法則の起源】

 深夜の警視庁本部。

 照明を落とした資料室で、小坂凌は一冊のバインダーを机に置いた。背表紙に手書きで記された番号は、正式な事件管理コードではない。——仮番号。存在しないはずの事件に付けられる、内部用の符号だ。

「……やっぱり、あった」

 朝霧は隣で息を詰めた。

 ページをめくるたび、紙の乾いた音がやけに大きく響く。

 ——十二年前。

 都内某区、雑居ビル火災。

 死者三名。原因不明。捜査打ち切り。

 だが、写真は語っていた。

 焼け焦げた階段踊り場。歪んだ手すり。非常灯の下に、奇妙な白線。火災現場には不釣り合いな、警察用の検証マーキング。

「火事なのに……鑑識が入ってる」

「しかも、三日間」

 小坂は指で写真の端を押さえた。

「公式記録では“自然発火の可能性”。

 でも実際は、放火未遂があった。

 ——内部関係者による、な」

 朝霧の喉が鳴る。

「……隠した、ってことですか」

「ああ。理由は書いてある」

 次のページ。

 事情聴取記録。だが、名前の大半が黒塗りだ。残っているのは一つだけ。

 **《参考人:女性/当時19歳》**

 被害者三名のうち、二名は同じ派遣会社に所属。

 もう一名は、ビル管理会社の社員。

 共通点は——

「……内部告発」

 朝霧が呟いた。

「三人とも、同じ企業の不正を告発しようとしてた」

「そう。

 で、火事が起きた」

 小坂は視線を落とした。

「生き残ったのは、彼女一人。

 告発は、なかったことにされた」

 沈黙が落ちる。

 資料室の空調音だけが、淡々と時間を刻む。

「この人……今も生きてるんですか」

「所在不明。

 ただし——」

 小坂は別のファイルを引き寄せた。

 最近の被害者リスト。その端に、同じ企業名があった。

「犯人は、無差別に見せているだけだ。

 “法則”は、ここから始まってる」

 朝霧は、唇を噛みしめた。

「じゃあ……殺人鬼は」

「……たぶん、あの事件を知っている。

 もしくは——」

 小坂は言葉を切った。

「**当事者だ**」

 そのとき、資料室のドアが静かに開いた。

 現れたのは、細身の女性だった。三十代前半。顔色は青白く、視線が定まらない。

「……突然すみません」

 低い声。

 だが、その目には、長い沈黙の重みが宿っていた。

「警察の方ですよね。

 ——私、話せることがあります」

 小坂は立ち上がり、名乗った。

「小坂です。

 話を聞かせてください」

 女性は一度、深く息を吸った。

「十二年前の火事。

 あれ……偶然じゃありません」

 朝霧の背筋が、凍りつく。

「私、あのとき……

 **“見捨てられました”**」

 彼女の言葉は、静かだった。

 だが、それは、連続殺人の“原点”を示す最初の証言だった。

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冥界焔つむぎ

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