※ 第8話 終わりの時

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/1/6 📚 シリーズ: あの子が野球選手のお嫁さんになりたいって言ったから 📝 1,910文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

あの子が野球選手のお嫁さんになりたいって言ったから - ※ 第8話 終わりの時

本文

『空振り三振! 如月、後期リーグ最終戦を完投勝利で飾りました!!』

10月9日。女子プロ野球後期リーグの最終戦は私の奪三振で幕を閉じた。

リーグ優勝自体はもっと前にしてたけど、今年最後の試合となると一気に肩の荷が降りた気分だ。

「お前らよくやったぞ!!」

試合後、今年最後のミーティングを終えて高波監督が選手全員を褒め称える。

「これで前後期連続のリーグ制覇だ! これも全てお前らの努力の成果だ!」

「「ありがとうございます!!」」

「俺が監督になって5年……お前達と一緒に汗を流して、苦楽を共にして、本当に幸せな5年間だった!」

……うん? 監督の様子が少しおかしい。

声が少し震えているし、何より一年の締め括りはとにかく豪快に褒めて締めにしてくれる人だ。

それなのに、まるで今生の別れみたいな……

「か、監督……辞めちゃうんすか……?」

佐伯さんが監督に恐る恐ると言った様子で聞いて、それに対して監督は深刻な表情で首を振る。

「それならまだ良かったんだがな……」

「じゃあ、何なんすか……?」

監督の言葉に選手も騒めきだす。

やっぱり何かおかしい。

監督がただ退任するのであれば、この人なら寧ろ湿っぽい空気を吹き飛ばすように発破を掛ける筈だ。

監督は少し迷うような素振りを見せて、それから私達をぐるりと見渡して……

「……ウチとイエローラビットから合わせて15名以上の引退希望者が出た。

これによりオーナーはリーグ戦を行う事は不可能だと判断し、女子プロ野球リーグは今年度をもって無期限休止となった」

……は?

「え、それ……本当ですか!?」

「何でもっと早く言ってくれなかったんですか!?」

「すまない……最後まで気持ち良くプレーして貰いたいと俺の独断で黙っていた。

しかし最後の試合も終わった事だし、すぐに公式から休止の件が発表されるだろう。

それで知るよりは、やはり俺の口から直接伝えたかった。

お前達は本当によくやってくれた……

集客や経営が上手く行かなかったのは、首脳陣である俺達の責任だ。本当に申し訳ない……!」

「そ、そんな……」

反応は様々だ。

呆然とする人、泣き出す人、諦観の表情を浮かべる人。

あぁ、でも……私はどんな顔をしている?

どんな気持ちで此処に立っている?

頭の中がぐちゃぐちゃだ。

だって、だって、私はこれからどうやって生きれば良い?

私はプロでいなくちゃいけないのに

プロ野球選手だから華恋がずっと私の事を見てくれていたのに

女で、ただの幼馴染で、華恋が憧れるプロ野球選手じゃなくなった私は……

私、は……

※※※※※

「ん……」

此処は……私の家?

あの後、大木さんに居酒屋に連れていかれた事は覚えてるけど、その後の記憶が無い。

べろべろに酔っ払った私を送ってくれたのだろうか……

「頭痛っ……んぇ?」

頭痛に頭を抑えて、違和感に気付いた。

掛け布団の感触が気持ち良くって、布団から出した腕が外気に触れて冷んやりと……

「……!?」

バッと布団を捲ると、そこには何も身に付けていない私の身体。

特に脱ぎ癖なんて無かった筈なのに下着すら無いなんて……

「な、何が……何で……っ!?」

「飛鳥ちゃん起きたのー?」

「かれ……!?」

混乱して頭が回らない。

そんな私の元に、シャワーを浴びていたらしいブカブカのワイシャツ姿の華恋が髪をタオルでわしゃわしゃと拭きながら現れた。

「華恋、いったい何があったの!? もしかして私、何か変な事を……」

「落ち着いて飛鳥ちゃん。私、昨日ネットニュースで女子プロ野球リーグが休止する事を知ったの。

それで、飛鳥ちゃん落ち込んでるだろうなって思って何時も行く居酒屋に行ったらやっぱり飲み過ぎてフラフラで……それで、飛鳥ちゃんのお家まで送ったの」

「それで、何で私は裸なの……?」

「あー……暑いからって脱いじゃった」

「そ、そうなんだ……ごめんなさい」

「あはは、良いよ良いよ。気にしないで」

朗らかな笑顔で右手をパタパタと振る華恋。

……それで終われれば良かったのに。

気付いてしまった。

野球で鍛えられた私の動体視力は確かにそれを捉えていた。

「華恋……」

「……っ」

華恋の右手を掴んで袖を捲り上げた。

その手首には、ハッキリと分かる程に掴まれたような痣。

左腕の袖も捲ると、そこにも同様の痣が刻まれていた。

「これ、は……っ」

さっきまで何があったのか全然思い出せなかったのに、私の手が覚えていた。

その感触で昨夜の記憶が鮮明に蘇ってくる。

私は……この左手で華恋を押さえ付けていた。

小さく、華奢で、病弱な華恋の両手を左手で掴んで床に押し付けていた。

私を迎えに来て、小さい体で支えながら家まで送って、甲斐甲斐しく介抱してくれた華恋を……

私は自暴自棄に陥って、欲望のままに、腕力に物を言わせて……犯した。

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作者について

生獣(ナマ・ケモノ)

生獣(ナマ・ケモノ)

ほのぼのな百合も過激な百合も好き。

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