第14話 この道に進んだ理由
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
200cmのくーちゃんと135cmのしーちゃん、配信者デビュー! - 第14話 この道に進んだ理由
本文
「ではでは、最初のお便りでっす!
シロさん、クロさん、あかみこさん、青藍さんこんにちは。
四人の魔物狩り配信面白かったです!
質問なのですが、四人がライバーを始めた理由やキッカケってなんですか? 差し支えがなければ教えてください……との事です。
いやーあのコラボはウチ等もめっちゃ楽しくてー……」
軽快にトークを進めるあかみこを眺めながら青藍はビールを一口含む。
「シロさんはどうです? キッカケとかは」
「シロはずっとくーちゃんのお世話になってて、だから何か恩返ししたくて……
でも一人でお外に行けないし、くーちゃん以外の人と接するのも怖くて……
だから、お家でも出来そうなお仕事をシロなりに考えて、それで思い付いたのがライバーっていうお仕事だったの」
「なるほどなるほどー、それでこんなに人気ライバーになった訳なので天職でしたね! お次はクロさん、どうですか?」
「私は不慮の事故で顔バレしてしまって……それで配信してくださいとか言われてね。
しーちゃんが配信してる時は寂しかったけど、私もライバーになればコラボの名目で一緒に遊べるようになるし……それが理由ね」
「なるほどー、あれは衝撃的でしたねぇ……あ、ちなみにウチがライバーになったのは有名になってお金持ちになりたかったからっすね!」
「俗ね」
「そりゃパーフェクトウーマンなクロさんからしたらそう見えるかもですけど!
ウチみたいな落ちこぼれからしたら金持ちになって羨望の眼差しで見られてちやほやされるのが夢なんすよ!
「ふぅん?」
「リアクションが淡白すぎやしませんかね……まぁ、それはそれとして。青藍さんはどうです?」
「ボクがライバーになった理由は……アイドルを、諦めきれなかったから」
「というと?」
「以前地下アイドルをやってたんですけど、そのグループが解散してしまって……
このボクという一人称も元々はただのキャラ付けだったんです。
でも今はコレも本当の、もう一つの自分だと胸を張って言えます」
「それで配信活動を?」
「そうですね。ボクの居たグループは知名度もそんなに高くなくて、一人凄い人気の子は居たんですけど、他のメンバーはボク含めて皆コアファンが片手で数えるぐらいで……
それでも不満は無かったんです。必死に応援してくれて、チェキ会に並んでくれるファンの人が居てくれたから。
だからそのグループが解散しても、どうにかしてボクの歌やダンスを届けたいとずっと思ってたんです。
そこで、ライバー……配信者という道に足を踏み入れました」
「なるほどなるほどー! ファン想いなんですねぇ」
「なんでアイドルにならなかったの? オーデションなりに応募すれば良いのに」
「ちょ……!?」
空気が、凍った。
しかしクロの言葉は青藍自身も自覚していた事だ。
アイドルを続けたいのであれば、それこそもっと相応しい道はあった筈だ。
「……勝てなかったんですよ、紫苑に。いえ、そもそも勝負の土俵にすら立っていなかった……!」
「紫苑って……あの紫苑さん? え、同じグループに居たんですか?」
「はい、一緒に地下アイドルやっていました。
実際の所、あのグループは紫苑のおかげで保っていたような物で……紫苑が引き抜かれてからはあっという間に瓦解しました。
そうです。ボクは紫苑に勝てないから、紫苑とは違う道を選んだんです……っ!」
「ふぅん……賢明ね」
「クロさんは、逃げたボクを卑怯だと思いますか?」
「別に。冷静になって考えてみなさい? 世の全ての生物はしーちゃん以下なのだからそもそもアイドルになるのが愚かという他無いわ。
しーちゃんがアイドルになったら終わるもの。
だったら別の道を模索するのは賢い選択よ」
「冷静さを説く人が一番狂った事言ってる……」
「は?」
「ぐびじめないでっ!?」
「くーちゃん、あかみこさんから手を離してぇ!」
「……しーちゃんの優しさに感謝する事ね」
「ウッス……!」
げほげほと咳き込むあかみこ。
そんな彼女の背中を摩りながら、シロは青藍に向き直る。
「青藍さん。青藍さんにとってアイドルってなんですか?」
「ボクにとってのアイドルは……人の居場所になれる存在、です。
地下時代であってもボクが生き甲斐だと言ってくれる人が居ました。
そんな人達の為なら、幾らでも頑張れると思いました。
だから、紫苑から逃げてでも歌い踊り続ける道を選んだんです」
「えっと、シロも詳しい訳では無いんですけど……地下アイドルってファンの人との距離の近さが魅力なんですよね?」
「一般的にはそうですね」
「それって、ライバーも同じだと思うんです。
コメントでやり取りしたり、同じゲームで対戦したり協力したり……
歌やダンスだって動画に上げればファンの人達が直接感想を書いてくれます。
そんな風に、ファンの人の側で寄り添うのが青藍さんのアイドル像なのだとしたら……このライバーの道を選んだのは運命だと思うんですっ!」
「シロさん……」
シロなりに頑張って考えたのだろう。
拙い言葉で、それでも一生懸命に青藍を励まそうとしている。
そんなシロの想いが嬉しいと思いつつ。
シロの見た目でどうしても愛しさや可愛さが勝ってしまう青藍であった。
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