第11話 気付いてる?

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/1/9 📚 シリーズ: まるふく日和 📝 2,123文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

まるふく日和 - 第11話 気付いてる?

本文

「ねぇ、柚葉」

「なに?」

「昨日キスした、よね?」

「うん」

夢じゃなかった。

柚葉は何とも無邪気に頷いて、朝食の卵焼きをパクり。

「何でしたの?」

「好きな人にする事って雲母が言ってた」

「うぅん……」

私が茂さん徳さんに愚痴ってる間にそんな話を。

いや、メールのやり取りはしてるからそれで聞いたのか?

「あのね、柚葉が思う好きとキスをする好きは違うの」

「? でも柚葉、千紘が一番好きだよ?」

「それは嬉しいんだけど、そうじゃなくて……」

「一番好きの好きじゃないの?」

「柚葉はまだ友達としての好きと、そうじゃない好きの区別が付いてないの。

その違いが分かるまではキスは禁止。誰にもしたらダメだからね?」

「んー……分かった」

「良い子」

わしゃわしゃと頭を撫でると、甘える様にグリグリと頭を押し付けてくる。うん、やっぱり子供だ。

◇◇◇◇◇

「雲母さぁ、柚葉に変な事教えないでよ」

「変な事?」

『まるふく』の暖簾を掲げ営業し、昼休み。

柚葉、そして茂さん徳さんは駄菓子屋へベーゴマ勝負に向かった。

いつもなら雲母もそれに付き合うけど……今日は残ってるので雲母と1対1だ。

……或いは、私が何か伝えたい事があると察したから残ったのかもしれない。

「柚葉にキスとかどうとか教えたんだって? 柚葉にはまだ早いよ」

「そうかなぁ? 幼稚園ぐらいの頃から誰々が好きーとか、誰々ちゃんと結婚するーとか言ってキスするでしょ?」

「え、しない、んじゃない……?」

「千紘さんが覚えてないだけだよ」

「え、いや……確かに幼稚園の頃なんて覚えてないけどさ。

でも私の性格なら普通に誰も好きにならなかった可能性が高いと思う」

「千紘さんならそうかも……でも実際問題そういうのはあるよ。

別に幼稚園じゃなくたって、小学生でも友情と恋愛の違いなんて分かるもんなんだし。

ゆずちーの精神年齢なら、寧ろそろそろそーゆーの勉強した方が良くない?」

「それ、は……」

「最近の子供は性に触れる年齢がどんどん下がってるってゆーしねー。

将来ゆずちーが学校行くとして……その頃にはもう20歳越えてるかな?

そんな合法ロリの無知シチュの権化みたいな子が学校に行ってみなよ。

サキュバスの群れに放り込む様なもんだよ」

「何で例えが一々……それを理解出来るのも嫌だぁ」

「ネット文化万歳だねぇ」

「ネット文化の問題なの……ともあれ、今の柚葉にはラブとライクの違いが分かってない。

そんな柚葉にキスを教えるのは危険だって話」

「ホントにラブじゃないって思ってる?」

「だって私にキスしてきたんだよ? 女同士じゃない」

「千紘さんは女性でもいけるでしょ?」

「……なんで?」

「女の感って奴? 安心して。あたしが狙われてるかも……なんて思ってないから」

「ありがと。でもだからって柚葉もそうだとは限らない。特に今の柚葉は私しか選択肢が無い状態だし」

「命の恩人で世話してくれた美人な人なら十分恋人の資格ありじゃない?」

「美人かどうかはともかく……柚葉の可能性を狭めたくないの。あの子はまだ子供なんだから」

「そう思い込もうとしてるんじゃない?

子供だから〜、とか私は親代わりだから〜とか。

あたしとしては末長く……って行ってほしいけど、これが最初で最後の恋愛って決められてる訳でも無いし。

勿論千紘さんが良いならって前提だけど……恋愛を経験させてあげるのも良いんじゃない?」

「やけに私と柚葉をくっ付けたがるじゃない」

「好きな人と親友がお互い好き合ってたら後押ししたくなるのが人情ってもんでしょ? 下町なんて人情あってナンボだし」

「私が柚葉の事をそういう意味で好きな様に見える?」

「あたしからすれば、ね。ただ可愛がってるだけならあんな複雑そうな目で見ないし」

「そっか……でも、うーん……」

「あはは、まぁ千尋さん真面目だしねー

当然ゆずちーを受け入れるかどうかは千紘さんの自由だし。

でもこれだけは覚えておいて。ゆずちーと触れ合えないなら……受け入れない事を選択するのなら、キッパリと断ってあげてほしい。

せめて失恋を経験させてあげてほしい。

ゆずちーの純粋な想いをただの勘違いや思い込みだって決め付けて、子供扱いして……何もゆずちーの為にならない形で消さないでほしい。

ゆずちーの友達としての、お願い」

「それは……分かってる。いや、今ので分かった。

柚葉の気持ちを勝手に決め付けて、答えを返さないのは……柚葉に対して不誠実だね」

「じゃあゆずちーが帰ってきたら即告白?」

「いやいやそれは……確かに柚葉に惹かれているけど、じゃあすぐにって訳にはいかないよ。

柚葉の為になると判断したら、私は柚葉を振るよ」

「にひひ、ま、そこは大いに悩んでよ。

告白もしないで、自分の想いを届ける事もしない癖に……それで失恋するのって結構くるからねぇ。

きっと駄目なら駄目で当たって玉砕した方が本人の為になるよ」

「なに? いやに実感込もってるじゃない。失恋したの?」

「うん。つい最近ね。自業自得だけど、ゆずちーにはそんな目に遭ってほしくないから」

そう言って意味ありげに私を見上げる。

これまでの言動から薄々感じてはいたけど……

「分かった、約束する。時間は掛かるかもだけど、ちゃんとに柚葉と向き合うよ」

「んふ」

その答えを聞くと、雲母は満足した様に笑った。

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作者について

生獣(ナマ・ケモノ)

生獣(ナマ・ケモノ)

ほのぼのな百合も過激な百合も好き。

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