第12話 気持ちの確認

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/1/10 📚 シリーズ: まるふく日和 📝 1,910文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

まるふく日和 - 第12話 気持ちの確認

本文

「そういう訳なんだけど……」

『うぅん……』

柚葉との関係について。

どうなんだと思いつつも、一人ではやっぱり不安で。

だから鈴華に電話で相談したけど、案の定困らせてしまっている。

『千紘と椎名さんは他人。椎名さんは成人だし、私から二人の関係を強く否定する事は出来ないわ。

勿論椎名さんは未成年だから節度は守ってほしいけど』

「そう、だよねぇ……」

『千紘はどうしたいの?』

「柚葉に惹かれてるのは確か。でもそれ以上に柚葉を守りたい。傷付けたくない。

今の柚葉には深い関係になる選択肢が私しか居ない。

赤ちゃんみたいな情緒からちょっとずつ成長していってるのに、私と……女同士って選択肢しか与えないのは良くないと思う」

『過敏になりすぎじゃない? 学生時代は本気で同性同士で交際していても、卒業や大人になったら異性と交際する事も珍しくない。

そういう意味では、千紘と付き合うのも選択肢を広げる事になると思うわ』

「う〜ん……」

『まだ何か不安?』

「……柚葉は親にネグレクトされて育った。親に裏切られた。

親代わりの私が性欲をただぶつける結果にならないか。

柚葉にまた親から裏切られる経験をさせてしまわないか……怖いの」

『それは椎名さんが千紘を親と見ていた場合でしょ?

確かに保護した当初はそうだったかもしれないけど、今はもっと別の存在として見ているかもしれないわ。

今椎名さんはグングン成長してる。まだ言動は子供っぽいけど、やって良い事悪い事。

好きな人や嫌いな人……その区別はもう付いてるもの』

「柚葉が人を嫌うの……?」

『自分の境遇を知ったら、ハッキリと両親の事は嫌いだと言っていたわ』

「あぁ、そりゃそうか……うん。柚葉の事は子供だって、庇護対象だって事に拘りすぎて、目が曇ってたかも。

ありがとう、ちょっと勇気出てきた。本当にちょっとだけだけど」

『千紘の言うちょっとは本当にちょっとだものね。決意が揺るがない内に動く事をおすすめするわ』

「肝に銘じるわ」

『何かあったら連絡して。夜中でも気にしなくて良いから』

「ありがとう……じゃあね」

鈴華との通話を終えてスマホを置くと、何やらキッチンから慌ただしい音が聞こえてきた。

「あ、あれ……?」

柚葉の困惑した声に続いて、何かが焦げる匂いが漂ってくる。

「柚葉⁉︎」

急いでキッチンに向かうと、柚葉がフライパンの前で途方に暮れていた。

中には真っ黒に焦げたウインナーと、これまた焦げて固まった卵が入っている。

「千紘、ごめんなさい……ごめんなさい……っ」

「どうしたの?」

「千紘、お疲れ様って……夜食作ろうと思ったのに……全部だめにしちゃった……」

「柚葉……」

涙をぽろぽろと流しながら謝り続ける柚葉を見て、胸が締め付けられる。

「大丈夫。ありがとう、柚葉」

そっと柚葉を抱き寄せて、頭を撫でる。

「でも……焦がしちゃって……」

「気持ちが嬉しいの。私の為に作ってくれようとしたんでしょう?」

フライパンを火から下ろして、焦げた部分を少し取り除く。まだ食べられそうな部分もある。

「千紘、食べちゃだめ……」

「大丈夫。柚葉が作ってくれたんだもん」

一口食べてみると、確かに焦げの苦味はあるけれど、柚葉の気持ちを思うと温かい味がした。

「美味しい」

「ほんと……?」

「ほんとほんと。ありがとう、柚葉」

柚葉の涙が止まって、安堵の表情を浮かべる。そんな柚葉を見ていると、鈴華の言葉を思い出した。今の柚葉をちゃんと見てあげなきゃ。

「柚葉」

「?」

「柚葉は……私の事、好き?」

「好き!」

即答だ。

「好き! 大好き! でも……」

柚葉は小さな手をぎゅっと握りしめて、懸命に言葉を探している。

「えっと……ご飯は美味しいから好き。雲母は友達だから好き。でも千紘は……千紘だから好きなの!」

「千紘だから?」

「うん! 千紘は千紘で、他の誰でもなくて……千紘が居ると安心するし、胸がどきどきするし、ずっと一緒に居たいの。

千紘に撫でてもらいたいし、抱っこしてもらいたい。千紘だけの柚葉で居たい!」

必死に自分の気持ちを伝えようとする柚葉。その一生懸命な姿が微笑ましい。

「それって……好きで合ってる?」

不安そうに見上げてくる柚葉に、私は優しく微笑んだ。

「うん。それは間違いなく好きって気持ち。私も柚葉の事、好き」

「ほんと?」

「本当」

その瞬間、柚葉の表情が花のように綻んだ。

「千紘!」

柚葉は私に抱きついて、甘えるように顔を胸に埋めた。その温かさを感じながら私は改めて思う。

柚葉のこの気持ちが恋愛感情なのか、それとも別の何かなのか、それは分からない。

でも、だからこそ。柚葉がもっと成長して、自分の気持ちを本当に理解できるようになるまで、私が守り続けよう。

柚葉が安心して成長できる場所で在り続けよう、と。

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作者について

生獣(ナマ・ケモノ)

生獣(ナマ・ケモノ)

ほのぼのな百合も過激な百合も好き。

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