第10話:暴発する指先と、規格外の脅威
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あらすじ
地味子に擬態して童貞紳士を狙ったら、彼の理性が鉄壁すぎてご飯(精気)が食べられません! ~誘惑したい初心者サキュバス vs 守りたい最強の紳士~ - 第10話:暴発する指先と、規格外の脅威
本文
「リ、リリさん、失礼します! じっとしてて!」
ケンジさんは決死の形相で振り返ると、私の前に跪いた。
震える両手が、私の開かれたブラウスへと伸びてくる。
閉めようとしているのだ。この期に及んで、まだ私の貞操(ボタン)を守ろうというのか。
(往生際が悪いわね……! でも、その震える指先、隙だらけよ!)
私は抵抗せず、むしろ胸を少し突き出すようにして彼を受け入れた。
彼の指が、第二ボタンを掴もうとして――空回りする。
そして。
プルンッ。
勢い余った彼の人差し指が、私の胸の谷間、柔らかい膨らみの内側を、勢いよく擦り上げた。
「あぅっ……♡」
私の口から、自分でも聞いたことのない甘い声が漏れた。
電流が走ったようだった。
指先が触れた一点から、濃厚な精気がドッと流れ込んできたのだ。
(あ、甘いっ……! なにこれ、指一本でこの量!?)
キス以上だ。
彼の性欲が極限まで高まっている証拠だ。
あまりの快感と満腹感(?)に、膝の力がガクンと抜ける。
「わっ、リリさん!?」
崩れ落ちる私を、ケンジさんが慌てて抱き留める。
その拍子に、私たちは二人してもつれるようにして、後ろのベッドへと倒れ込んだ。
ボフンッ。
スプリングが跳ねる音。
天井が見える。
そして、私の上にケンジさんが覆いかぶさっている。
「ご、ごめん! 大丈夫!?」
ケンジさんの顔がすぐそこにある。
荒い息遣い。充血した目。
もう、彼も限界のはずだ。
私の体からは、まだ「あぅ……んぅ……」という情けない吐息が漏れ続けている。
この状況で手を出さない男はいない。
ついに、念願の「お食事タイム」が始まる――!
そう思った、次の瞬間だった。
ゴツッ。
私のお腹……太ももの付け根あたりに、「何か」当たった。
硬い。熱い。そして何より、大きい。
まるで棍棒か、あるいは鉄パイプを押し付けられているような威圧感。
(……え?)
私は思考を停止した。
サキュバスの授業で習ったサイズとは明らかに違う。
エロ本で見たイラストとも違う。
布越しでもわかる、その圧倒的な質量と存在感。
(こ、これ……ケンジさんの……?)
見上げると、ケンジさんは苦悶の表情で、理性の欠片を必死に繋ぎ止めていた。
だが、彼の下半身は正直すぎるほどに戦闘態勢に入っている。
――怖い。
本能的な恐怖が、私の背筋を駆け上がった。
あんなの入るわけがない。
裂ける。壊れる。貫かれる。
処女の私には、荷が重すぎる!
(む、無理無理無理! あんな凶器を受け入れたら、私の方が食べられちゃう!)
さっきまでの「誘惑してやる」という余裕は消え失せた。
私は顔を青くして、ジリジリとお尻を後ろに引いた。
「け、けけけ、ケンジさん……っ」
「うっ、ごめん……どくね……」
「い、いえ! その……あ、あまりにも……立派すぎて……」
恐怖で声が震える。
腰が引けて、逃げ出したいのに足が動かない。
目の前の優男が、急に捕食者のモンスターに見えてきた。
(ご飯は欲しいけど……これは……喉に詰まるぅぅぅっ!!)
サキュバスのリリム、人生最大のピンチ(と勘違い)が訪れていた。
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