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第17話:白衣なき看護と、逆転の押し倒し

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あらすじ

地味子に擬態して童貞紳士を狙ったら、彼の理性が鉄壁すぎてご飯(精気)が食べられません! ~誘惑したい初心者サキュバス vs 守りたい最強の紳士~ - 第17話:白衣なき看護と、逆転の押し倒し

本文

部屋の温度が上がっている気がする。

 いや、実際に俺、佐藤ケンジの体温は沸点に達していた。

「ケンジさん、汗びっしょりじゃないですか! これじゃ風邪が悪化します!」

「だ、大丈夫! これは……デトックス的な汗だから!」

「わけのわからないこと言わないでください! ほら、服を脱いで!」

 リリさんが俺のTシャツの裾を掴んで、グイグイと引っ張り上げる。

 彼女の顔は真剣そのものだ。

 だが、今の俺が服を脱ぐわけにはいかない。

 ズボンの前が、どうしようもないほど膨らんでいるのだ。こんなの見られたら、「高熱」という嘘が一発でバレるし、俺の社会的な死が確定する。

「い、いいんだ! 俺は着ていたいんだ! 寒気がするんだよ!」

「嘘です! 顔はこんなに赤いのに! 体温調節しなきゃダメです!」

 彼女は引かない。

 それどころか、俺が抵抗すればするほど、彼女の闘争心(?)に火がついたようだ。

「もう、じっとしててください!」

 リリさんが俺の手首を掴む。

 華奢な見た目に反して、驚くほど力が強い。

 そうだった。彼女はサキュバス。種族としての身体能力スペックが、俺ごとき草食系男子とは桁違いなのだ。

「うわっ、ちょ、リリさん!?」

「脱がせますよ!」

 彼女が全体重をかけて、俺に覆いかぶさってくる。

 俺はバランスを崩した。

 後ろにはベッド。

 重力の法則には逆らえない。

 ドサッ。

 スプリングが大きく軋む音がした。

 天井のシーリングライトが眩しい。

 そして視界を遮るように、リリさんの顔が覆いかぶさってくる。

「……え?」

 俺は現状を認識して、息を呑んだ。

 俺は仰向け。

 リリさんは、俺の腰の上に跨るようにして座っている。

 いわゆる「マウントポジション」。

 しかも、揉み合いのせいで彼女の服も少し乱れ、あろうことかスカートの中が……太ももの柔らかい内側が、俺の腰(の急所)に密着している。

「あ……」

 リリさんも動きを止めた。

 彼女も気づいたようだ。

 自分のお尻の下に、あの「規格外の硬いもの」があることを。

「……ケンジさん」

「は、はい……」

「熱……やっぱり、すごいです」

 彼女の声色が、少し変わった。

 さっきまでの「心配する看護師」の声ではない。

 少し湿り気を帯びた、甘ったるい声。

(やばい。バレたか? それとも……)

 俺は身動きが取れなかった。

 彼女の瞳が、至近距離で俺を見下ろしている。

 その瞳の奥が、ゆらりと妖しく光ったように見えた。

 彼女は俺の胸に手をつき、ゆっくりと体重をかけてくる。

 逃げられない。

 看病という名のプロレスごっこは終了だ。

 ここからは、捕食者と獲物の時間だ。

「こんなに熱くなって……我慢、しなくていいんですよ?」

 彼女が耳元で囁く。

 その一言が、俺の理性の最後の防壁を、音を立てて崩壊させていった。

 私の下で、ケンジさんの呼吸が荒くなっている。

 彼の体から立ち上る熱気は、もう隠しきれないほど濃厚な「雄の匂い」を帯びていた。

(……もう、逃がさない)

 私は覚悟を決めた。

 あんなに大きな「凶器」は怖いけれど、目の前のご馳走を見過ごして餓死するなんて、サキュバスの恥だ。

 それに……何より、彼が私を求めてくれているのが、嬉しかった。

「ケンジさん……その熱、私がもらってあげますね」

 私は耳元でそう囁くと、ゆっくりと顔を近づけた。

 彼の目が大きく見開かれる。

「リ、リリさ――んぐっ!?」

 彼の言葉を塞ぐように、私は唇を重ねた。

 チュッ、という軽い音ではない。

 彼の唇を割り、舌をねじ込む、深く貪るような口づけ。

「んっ……ふぅ……っ♡」

 ――甘い。

 繋がった舌先から、マグマのような精気がドッと流れ込んでくる。

 水族館での手繋ぎや、電車での密着とは桁が違う。

 これは「本番」の味だ。

 脳が痺れるような快感に、私は夢中で彼の舌に絡みつき、唾液を啜った。

(おいしい……! ケンジさん、こんなに溜め込んでたんだ……!)

 私の腰が、無意識に彼の腰に擦り付けられる。

 グリグリと当たる硬い感触が、今は恐怖よりも快感を煽るスパイスに変わっていく。

 私は完全に油断していた。

 自分が「食べる側」だと信じて疑わなかったから。

 だが、その余裕は数秒で崩れ去った。

「――っ!」

 不意に、私の腰を掴む手に、強い力が込められた。

 痛いほどに強く、そして熱い。

「ぷはっ……! け、ケンジさ……?」

 唇を離し、私は彼の顔を見た。

 そして、ヒッと息を呑んだ。

 そこにいたのは、いつもの優柔不断な草食系男子ではなかった。

 瞳は肉食獣のように鋭く光り、唇は欲望で濡れている。

 私が注ぎ込んだ燃料(挑発)が、彼の理性を焼き尽くし、本能のスイッチを完全にONにしてしまったのだ。

「リリさん……」

 彼の声は、地を這うように低く、重かった。

「君が……火をつけたんだよ?」

「えっ、あ、いや……私は治療を……」

「もう遅い」

 グリンッ!

 世界が反転した。

 抗う間もなかった。

 気づけば、私はベッドに縫い留められ、今度はケンジさんが私を見下ろしていた。

 逆転。

 完全なる攻守交替。

「あっ……うそ……」

 見上げると、彼の背後に、巨大な獣の影が見える気がした。

 彼は私の両手首を片手で制圧すると、もう片方の手で私のスカートの中に侵入してきた。

「ひゃうっ!?」

「ずっと我慢してたんだ。……天使だと思ってたけど、君はとんだ小悪魔だったね」

 彼の手が、私の太ももを撫で上げ、秘部へと到達する。

 もう、あの「聖人モード」のケンジさんはいない。

 ここにいるのは、飢えに飢えた一匹の男だ。

「覚悟して。……今日はもう、絶対に帰さないから」

 宣言と同時に、彼は再び私に覆いかぶさってきた。

 今度のキスは、私からの「おねだり」なんかじゃなかった。

 抵抗を許さない、強引で、熱烈な、捕食者のキスだった。

(た、食べられるぅぅぅっ!!)

 サキュバスのリリム、人生初の「ごちそう」になる瞬間が訪れようとしていた。

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りくりな

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