プロローグ
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
文明崩壊後の世界を90式戦車に乗って見に行こう
本文
原因は「人類だけに致死性を持つウイルス」
一気に世界の人口は大激減したが、他の動物たちは無傷だった。
森は都心へ侵食しアザラシは海ほたるで日向ぼっこし、ペンギンですら葛西臨海公園でコロニーを作ってしまうほどの寒冷化。
東京は、人間にとっては終末でも動物にとっては静かな楽園となっていた。
少数の免疫を持つ生存者たちは文明を捨て、それぞれの感覚で世界と折り合いをつけて暮らしている。
枯れたアスファルトの割れ目から草木が茂る、とある道路上に90式戦車が静かに横たわっていた。
ところどころ塗装は褪せ錆びてはいる。
けれど、履帯は意外なほどしっかりしている。
点検ハッチを開けてみると、燃料の匂いがかすかに残っていた。
「……まだ、生きてるじゃないか」
その旅人は慎重にエンジンをかける。
深い咳のような音が響き、やがて 巨大な12気筒ディーゼルが目を覚ました。
長い長い年月を超え、戦車は再び“動くもの”になった。
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