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第33話 広がる暴走! 輝く若さ!

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/2/26 📚 シリーズ: 内閣魔導院・魔法生活安全局、対魔法市民支援課の生真面目公務員と皮肉屋悪魔 📝 3,007文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

内閣魔導院・魔法生活安全局、対魔法市民支援課の生真面目公務員と皮肉屋悪魔 - 第33話 広がる暴走! 輝く若さ!

本文

澪side

翌朝、魔導駆動列車に揺られながら私は窓の外を眺める。

「澪様……」

スルナちゃんの不安そうな声に視線を向けると、彼女は胸に手を当てて眉を寄せていた。

「やはり、感じますか?」

「はい。昨日より、もっと強く……」

「アタシもだ」

ナナちゃんが苛立たしげに舌打ちする。中央行政区(セントラル・ドーム)が近づくにつれて、二人の体調がどんどん悪くなっていく。

「無理はしないでくださいね」

「澪は自分の心配でもしてろ。また今日も走り回る事になるぞ」

「うぅ……」

ナナちゃんは皮肉げに笑って、そしてそれは正にその通りだった。

◇◇◇◇◇

市支課に到着して間もなく、通信が入った。

「九重さん、第五区画で悪魔の暴走です!」

「了解しました。すぐに向かいます」

今日もまた、悪魔絡みのトラブルだ。現場に急行すると、そこには昨日と同じように暴れ回る下級悪魔たちの姿があった。

「はっ、はひっはひっ……ごほっ……! ナナちゃん、スルナちゃん、お願いします!」

「任せろ」

ナナちゃんの幻術(+腕力)とスルナちゃんの魅了魔法で何とか鎮圧する。

やっぱり下級悪魔なら比較的手早く鎮圧出来る。

けれど、ホッと一息吐いたのも束の間……携帯魔法波通信機がまた鳴った。

「九重です……はい、すぐに」

第八区画でも同様の事件。私たちは慌ただしく移動を繰り返した。

そして午後――事態はさらに深刻になった。

「澪! こいつ、契約者がいるのに暴走してる!」

ナナちゃんの叫びに、 私は息を呑んだ。

目の前にいる中級悪魔は、確かに契約紋が刻まれている。

それなのに、契約者である魔法使いの制御を全く受け付けていない。

「そんな、契約が機能していないなんて……」

「すみません、すみません! 言うことを聞かなくて……!」

契約者の魔法使いが青ざめた顔で謝罪する。

私は結界術で悪魔を封じ込めながら、事態の異常性に冷や汗が流れる。

「野良悪魔だけでなく、使い魔までもが暴走するなんて……」

◇◇◇◇◇

その日の夕方、さらに衝撃的な報告が入った。

「九重さん、東湾区(イーストベイ)と北高原区(ノーザ・プレインズ)でも悪魔の暴走事件が発生しています!」

「東湾区と北高原区……幸いどちらも中央行政区と隣接している箇所ですね」

私は地図を広げて、事件の発生場所に印をつけていった。すると、ある傾向が見えてきた。

「スルナちゃん、悪魔が増えている範囲は広がっていますか?」

「はい、澪様。確実に……中央行政区を中心に、同心円状に広がっているように感じます」

「やはり……」

住民からの目撃情報も合わせて分析すると、結論は明らかだった。

悪魔が呼ばれる、そして暴走する範囲が、中央行政区から徐々に広まりつつある。

何かが中央行政区で起きている。それは間違いない。

◇◇◇◇◇

そんな慌ただしい日々を数日過ごした後、私はセラちゃんの自宅を訪れていた。

「いらっしゃい、澪」

セラちゃんの住む高級マンションの一室は、広々として洗練されていた。

一般職員の私の安アパートとは比べ物にならない豪奢さだ。

内装のセンスの違いも多分に関係しているのだろうけど。

「お邪魔します」

「グラディエル、お茶を」

「はっ」

無口なグラディエルさん静かに頷いてキッチンへ向かう。

紅茶を淹れる作業は見事に洗練されている。

「それで、調査の結果は?」

セラちゃんがソファに腰を下ろしながら、真剣な表情で尋ねてきた。

「はい。悪魔の暴走事件は確実に増加しています。しかも、中央行政区を中心に、その影響範囲が広がっているんです」

「やっぱりね。私も調べてみたんだけど、中央行政区のとある施設が怪しいわ。

表向きは魔法技術研究所となっているけれど、地下に大規模な施設があるみたいなの」

「地下施設……」

「しかも、そこへのアクセス記録がここ数週間で異常に増えている。確実に何かがあるわ」

スルナちゃんが小さく声を上げた。

「ご主人様、やはり悪魔の増加は顕著です。しかもその中心は……」

「中央行政区、ですね」

スルナちゃんの嗅覚が

悪魔の暴走が

セラちゃんの調査が

全ての情報が一つの結論を指し示していた。

「その施設に潜入しましょう」

「また夜に?」

「MTBとして捜査……なんてしても近付かせてもくれないでしょ。

これまで二回も政府を困らせてるんだから」

「ですよね……はぁ、夜間潜入もすっかり慣れてしまいました」

「良いじゃない。闇夜の女スパイ、カッコいいわよ?」

「私は真面目に、世の為人の為に働きたいですぅ……」

「だったら潜入しないとね……と。もう遅いわね。今日は泊まっていきなさい」

「え、でも……」

「いいから。ほら、お風呂入りなさい」

「は、はい……」

有無を言わさぬセラちゃんの圧力に押し切られてしまった。

若さなのかなぁ……

「ひゃああ広いぃ……!」

思わず声が出てしまう。案内された浴室は想像以上に広かった。

大理石のような床に、大きな浴槽。まるでホテルのスイートルームのようだ。

体を洗ってゆっくりと湯船に浸かって。

心地良くて思わず声を上げてしまって。

だけど、どうしても不安は拭えない。

悪魔の召喚と暴走が政府の仕業なら、ヒヒイロカネの量産計画は着々と進められている事になる。

今はまだ私達だけでも対処出来ていたけど、もし高純度のヒヒイロカネの量産に成功し、それを用いた武具を装備した軍隊が出てきたら……幾らセラちゃんと言えども荷が重すぎる。

「……はぁ」

と言っても、私に出来る事もそう多くないのだけど。

◇◇◇◇◇

入浴を終えて脱衣所に出ると、そこには下着とTシャツのみ。

「あ、あの! 着替えは……⁉︎」

「あぁ、これ着て」

「あの、シャツだけですか……? 下は……」

「私も普段そうだし。澪の身長ならワンピースみたいなもんじゃない」

確かにセラちゃんは背が高くてスタイルも良いから、そのセラちゃんサイズのシャツは私にはぶかぶかだ。

それにこのままではずっと裸のままなので……観念して袖を通す。

「普段はキッチリしたスーツ姿だから新鮮ね。こんなに脚出す事無いでしょ?」

「ひあぁ〜……っ」

裾は膝上まであるけれど……やはり落ち着かない。

オマケに撫でられて変な声もあげてしまい、二重の意味で顔が熱くなってしまう。

「ふぃー、お待たせ」

「いえ……」

セラちゃんの入浴を待って寝室に案内される。

そこには大きなダブルベッドがでんと鎮座していた。私の部屋だとベッドだけで埋まってしまいそうだ。

「ほら、ベッドに入りなさい」

「は、はいぃ……」

セラちゃんと同じベッドで寝る……というのは予め聞かされていたし覚悟はしていた。

それでもすんなりとは行かず、恐る恐るベッドに入るとセラちゃんもすぐ隣に滑り込んできた。

「せ、セラちゃん……?」

「何?」

至近距離で見つめられて、心臓が跳ねる。

銀髪で綺麗な顔で。

なのに人懐っこくて、私に行為を向けてくれる女の子……

「い、いえ……」

「何もないなら良いわ。ほら、ここ数日走りっぱなしで疲れたでしょ? ゆっくり休みなさい」

セラちゃんの手が、優しく私の髪を撫でた。その温もりに、私は少しだけ緊張が解けていくのを感じた。

「……ありがとうございます、セラちゃん」

「どういたしまして。澪の事は頼りにしてるのよ? 明日また大一番なんだからもう寝なさい」

「はいぃ……」

柔らかな笑みを浮かべるセラちゃんの横顔を見ながら、私は静かに目を閉じた。

確かに、明日になればまた潜入……場合によっては戦いが始まる。

ああ、でも……今は、この温もりに身を委ねていたい……

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作者について

生獣(ナマ・ケモノ)

生獣(ナマ・ケモノ)

ほのぼのな百合も過激な百合も好き。

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