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第37話 VS決戦用ゴーレム!

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/3/2 📚 シリーズ: 内閣魔導院・魔法生活安全局、対魔法市民支援課の生真面目公務員と皮肉屋悪魔 📝 2,411文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

内閣魔導院・魔法生活安全局、対魔法市民支援課の生真面目公務員と皮肉屋悪魔 - 第37話 VS決戦用ゴーレム!

本文

澪side

旅館のチェックアウトを済ませ、私たちは再び山へと向かった。

昨夜見つけた幻術魔法の場所。そこに、間違いなくその施設がある。

「準備はいい?」

「はい」

心臓が早鐘を打っている。緊張からか、それとも期待からか。いや、違う。これは――怒りだ。

精霊たちを苦しめている者たちへの、抑えきれない怒り。

「澪、落ち着いて」

セラちゃんに手を握られる。その温もりに、少しだけ冷静さを取り戻せた。

「……ありがとうございます」

「ふふ。さ、行きましょう」

ナナちゃんが幻術を解除すると、そこには金属製の扉が現れた。

厳重に封印されているけど、グラディエルさんの力で強引にこじ開ける。

中に入ると冷たい空気が肌を刺した。人工的な照明が通路を照らしている。

「地下に続いてるわ」

セラちゃんが先導し、私たちは慎重に階段を降りていった。

地下施設は、想像以上に広大だった。無機質な廊下が延々と続き、いくつもの部屋が並んでいる。

そして――その奥に見えたものに、私は息を呑んだ。

巨大な結晶炉。

それは霊脈に杭を刺すような形で建てられていた。山の命を吸い上げるように、青白い光を放っている。

「これは……」

「霊脈を吸い取って、ヒヒイロカネの変換魔法に使ってるのかしらね」

「そんな……」

『た……すけて……』

「……え?」

『いた……い……』

『かえり……たい……』

精霊たちの悲鳴だ……っ

苦痛に満ちた、か細い声。

思わず拳を強く握りしめた。涙が溢れそうになるのを、必死に堪える。

今は泣いている場合じゃない。とにかく動いて一刻も早く助けなければ。

「先に、進みましょう」

私は声を震わせないように、できるだけ冷静に言った。セラちゃんが私の横顔を見て、小さく頷いた。

◇◇◇◇◇

廊下の最奥に研究室らしき部屋。

セラちゃんが扉を蹴破って突入すると、白衣を着た研究員たちが驚愕の表情で振り返った。

「な、何者だ⁉︎」

「MTBの朝霧セラよ。禁術研究の容疑で拘束するわ。全員大人しくしなさい!」

「MTB……⁉︎」

研究員たちが一斉に出口へ向かって走り出す。

「逃がしません!」

私は魔力を込めて壁魔法を発動させた。出口が瞬時に壁で塞がれる。

「ひいっ!」

「貴方達がしたこと、全て話してもらいます」

私が一歩前に出た瞬間――

ゴォン、と重々しい音が響いた。

床が割れ、そこから巨大な影が浮上してくる。

警備ゴーレム……?

いや、これはただの警備ゴーレムじゃない!

全身が黒光りする装甲に覆われ、赤いラインが妖しく光っている。

「まさか……」

「知ってるんですか?」

「軍でも数体しかない決戦用ゴーレム……! こんな場所に配置してるなんてね!」

ゴーレムの足が床を踏みしめるたびに、鼓膜を揺さぶるような重低音が響く。

そして赤いラインが一層強く光ると、ゴーレムの周囲に魔力の膜が展開された。

「グラディエル!」

セラちゃんの指示で、グラディエルさんが光の剣を振るう。

けれどゴーレムは腕で防ぎ、そのまま反撃に転じた。

「くっ……!」

私は防御結界を展開する。でもゴーレムの拳が掠っただけで、それは容易く砕かれた。

「ぐぅ……!」

衝撃で私の体が吹き飛ばされる。セラちゃんが魔法を放つけど、魔力の膜に阻まれて防がれる。

「魔法が効かない……!」

グラディエルさんの剣だけは辛うじてダメージを与えられている。

それでもゴーレムの装甲は厚く、深い傷を負わせることができない。

「ナナちゃん、幻術を!」

「もうやってる! でも効かない!」

ナナちゃんが珍しく焦った声を上げる。ゴーレムには魔力測定機能があるらしく、幻術を即座に看破してしまう。

「えい……!」

スルナちゃんが物理的に煙を発生させるけど、それでも大した効果は無いように見える。

「セラちゃん、このゴーレムの弱点は……!」

「核は右胸よ! 頭でも左胸でもない!」

「右胸……」

目を向ける。

そこに攻撃を当てるのは難しいと一目で分かる。

ゴーレムは右腕の構えを崩さず、隙がない。

「澪、右から来る!」

「……え」

あ、ゴーレムの右腕に注目しすぎ、て……

「ご主人様!!」

スルナちゃんの声が聞こえた。

どん、と突き飛ばされて。

そのおかげで私はゴーレムの手から逃れる事は出来た……けど。

「スルナちゃん……!」

スルナちゃんの体が宙を舞い、床に叩きつけられる。

その体は光の粒子となって、消えかけていた。

「スルナちゃんっ!」

駆け寄って、スルナちゃんを抱きしめる。

心なしか軽くなっているような……

「ご主人公様、お怪我は、ありませんか……?」

「スルナちゃんのおかげで無事です! でも……っ」

震える手で、スルナちゃんの頬に触れる。

「消えないで、お願い……」

「スルナは……ご主人様を守れて……」

「駄目です! 行かないで……!」

私はスルナちゃんの唇に自分の唇を重ねて魔力を全て送り込む。

スルナちゃんの体が微かに熱を取り戻した。

完全に消えることは免れたけど、もう戦える状態じゃない。

「ナナちゃん、セラちゃん、グラディエルさん。後はお願いします」

「何をするつもりだ?」

「残った魔力を全て使って動きを止めます」

「分かったわ。このまま行ってもジリ貧だし……うん。後の事は任せない!」

「ありがとうございます」

私は両手を前に突き出し、残った魔力を全て込めた。

「拘束魔法……全力解放!」

魔法陣が展開され、無数の光の鎖がゴーレムに絡みつく。ゴーレムの動きが一瞬止まった。

「今です!」

ナナちゃんが攻撃魔法を放つ。セラちゃんも全力の魔法を叩き込む。

ゴーレムの右胸部分に、ヒビが入った。

「グラディエル、トドメを!」

「おおおおおおおおおお!!」

グラディエルさんが光の剣を構え、全力で突進する。

剣がヒビに突き刺さり――

ゴーレムの胸部が砕け散った。

核となっていた羊皮紙が貫ぬかれてゴーレムは鈍い金属音を立てて、動きを止めた。

「やった……」

それを確認した瞬間、力が抜けた。

視界がぐらりと揺れる。

体が地面に倒れ込む感覚だけがあって、その後は――

何も、わからなくなった。​​​​​​​​​​​​​​​​

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作者について

生獣(ナマ・ケモノ)

生獣(ナマ・ケモノ)

ほのぼのな百合も過激な百合も好き。

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