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第41話 セラを救え! 例えこの身が罪で汚れようとも

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/3/6 📚 シリーズ: 内閣魔導院・魔法生活安全局、対魔法市民支援課の生真面目公務員と皮肉屋悪魔 📝 2,493文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

内閣魔導院・魔法生活安全局、対魔法市民支援課の生真面目公務員と皮肉屋悪魔 - 第41話 セラを救え! 例えこの身が罪で汚れようとも

本文

澪side

震える手で魔法陣を描き終えた。

【隷属魔法】。禁忌とされる、人の自由を奪う魔法。

(ごめんなさい、セラちゃん……でも、これしか方法がないんです)

魔法陣が光り、セラちゃんの体を包み込む。発する光と共鳴し、セラちゃんの体が僅かに震えた。

そして……チラッと覗くセラちゃんのお腹に、【隷属魔法】の証である隷紋が刻まれた。

セラちゃんのお腹に手を当てて魔力を送り込む。

主である私の【命令】で、強制的にセラちゃんの体が魔力を受け取る。

ヒヒイロカネ化が止まっていく。青白かった肌に、少しずつ血色が戻ってくる。

「セラちゃん……!」

私は必死に魔力を注ぎ続けた。

注いで、注いで、注いで……残る魔力量が半分を切ったその瞬間。

「う、ん……」

セラちゃんの瞼が動いた。

ゆっくりと、銀色の瞳が開く。

「セラちゃん!」

私は思わず抱きついた。温もりがある。生きている……っ!

「澪……?」

掠れた声だったけど、確かにセラちゃんの声で……

「良かった……本当に良かった……!」

涙が溢れて止まらない。セラちゃんは弱々しく微笑んで、私の頭を撫でてくれた。

「心配かけたわね……」

「ごめんなさい……ごめんなさい……!

私はセラちゃんに【隷属魔法】を使ってしまいましたっ!

セラちゃんの自由を奪って、奴隷に堕として……っ」

「澪」

「……っ」

セラちゃんが私の頬に手を当てた。

「謝らないで」

「でも……! ん……⁉︎」

セラちゃんが、私の唇を塞いだ。

強引なキス。

私は驚いて目を見開いて。

抵抗したけど、セラちゃんは離してくれない。

「んっ……せ、セラちゃん……」

ようやく後頭部の圧力が無くなって唇が離れると、セラちゃんがにっこりと微笑んでいた。

「助けてくれてありがとう、王子様。いや、お姫様かしら?」

「そんな、私は……」

「澪は私を助けてくれた。命懸けで此処まで来てくれた。それは紛れもない事実よ」

セラちゃんの瞳は優しかった。責める色なんて微塵もない。

「隷属魔法のことは気にしないで。後で解除すればいいだけだし。

それに……澪になら、良いって思えるから。さ、行きましょ。先ずは此処から脱出しなくちゃ……」

そう言ってセラちゃんが立ち上がろうとした瞬間。

「何かが来ます!?」

スルナちゃんが叫んだ。

突如、けたたましい警報音が鳴り響く。

部屋中の照明が赤く点滅し、機械音声が繰り返される。

『防衛システム起動。侵入者を排除します』

そんなけたたましい騒音の中、部屋の奥から白衣を着た老人が現れた。研究者――いや、その風格から、この施設の所長……?

「まさか朝霧のヒヒイロカネ化を止めるとはな」

所長が冷たい目で私たちを見下ろした。

「奴の起動に手間取ってしまった。まったく、余計なことを」

「何故こんな事を……!」

私は叫んだ。怒りで声が震えてしまう。

「精霊を、悪魔を、天使を……そしてセラちゃんまで! どうしてこんな残酷なことができるんですか!?」

「残酷?」

所長が首を傾げた。まるで、理解できないとでも言うように。

「研究の為だ。仕方あるまい」

所長は平然と答えた。

「“上”は国民にだけは手を出すなと言うが……現場である我々は結果を出さなければならない。

予算も限られている。時間もない。そんな中で、彼女は実に最適な素材だった」

「素材、ですって……?」

私の全身が震えた。怒りで視界が歪む。

「あなたは……! セラちゃんが……素材にされた人達が、どれだけ苦しむと思ってるんですか……!」

「知らんよ」

所長は肩をすくめた。

「怒っているのはこちらの方だ。

君達が現場を荒らさなければ、もっと多くの素材が手に入った。もっと効率良くヒヒイロカネの研究を進められたのに!」

その瞬間――私は理解した。

この人は、狂っている。

研究のためなら、何でもする。誰を犠牲にしても構わない。そういう狂気に囚われている。

国の為、国民の為にソレ以外の全てを犠牲にする上層部とはまた違った狂気。

「上層部は人間を守ろうとしてる。でも、現場は結果だけを求めた。

その歪みがこんな悲劇を生んだのね。同情はしないけど」

「ふん、悲劇だと? これは進歩だ。科学の発展だ。そして……」

所長が手にした端末を操作した。

「これが、我々の最高傑作だ!」

部屋の奥の隔壁が上がり、その奥で何かが動いた。

巨大な影が、ゆっくりと立ち上がる。

それは――異形だった。

人型のゴーレムだけど、その鋼鉄の体には悪魔の翼、天使の光輪、精霊の結晶が混ざり合っていた。継ぎ接ぎのような、歪んだ姿。

「何よアレ……こんなの報告書にも上がってない……!」

セラちゃんが息を呑んだ。

「上級の悪魔、天使、精霊を混ぜ込んだヒヒイロカネを搭載した、最強の戦闘兵器だ!

内部の反発を防ぐ為に、それぞれ悪魔、天使、精霊の身体を繋ぎ合わせて元の身体だと誤認させている。

ははははははは! 上層部は純正のヒヒイロカネと機械のゴーレムの組み合わせでしか考えないが、こうすれば簡単に複合ヒヒイロカネを運用可能だ!」

所長が誇らしげに叫ぶ。

「さあ、侵入者を排除しろ!」

キメラゴーレムが動く。

だけど……所長の指示を無視した。

いや、無視したというより理解していない。

ゴーレムの目が赤く光り、咆哮し、無差別に暴れ始めた。

壁を殴り、天井を破壊し、床を踏み砕く。

「な、何だ!? 命令を聞け! 私の命令を……!」

所長が端末を操作するけどゴーレムは止まらない。

そして……ゴーレムの腕が振り下ろされた。

別に所長を狙った訳じゃない。

ただ子供の癇癪の様に腕を叩き付けて……たまたまその先に所長が居ただけ。

それだけで、あまりにも簡単に、残酷に、ぐしゃりと潰されてしまった。

「因果応報って奴かしら。日本の司法で裁かれてほしかったけどね」

「はい……」

思わず拳を握りしめる。

所長は確かに狂っていた。許されないことをした。

でも、こんな死に方をしていいはずがない。

少なくとも、法の下で裁かれるべきだったのに……

「澪、前向いて。あのゴーレム、やる気みたいよ」

セラちゃんの言葉に前を向く。

キメラゴーレムがこちらを見ていた。

赤い目が私たちを捉えている

逃げる事は困難。

そもそもあの危険で可哀想なゴーレムを放ってはおけない。

戦いは避けられない。避ける訳にはいかない。

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作者について

生獣(ナマ・ケモノ)

生獣(ナマ・ケモノ)

ほのぼのな百合も過激な百合も好き。

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