シオナと“もう一人の生き残り”の表紙画像

シオナと“もう一人の生き残り”

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/2/28 📚 シリーズ: 終末世界90式の旅 📝 1,138文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

文明崩壊後の世界を90式戦車に乗って見に行こう

本文

渋谷から原宿へ向かう途中の邂逅

1. 気配

渋谷で夜を過ごした翌朝

シオナは90式のエンジンを落とし

歩いて原宿方面へ向かっていた

朝の渋谷は

動物たちの気配が澄んでいる

草原の中から

野良猫が顔を出し

タヌキが静かに通り過ぎる

そんななかで

ふと

シオナは“違う気配”を感じた

風でも動物でもない

人の歩く足音

それもできるだけ音を消そうとする足取り

シオナは呼吸を止める

喉の奥がひりつくような緊張が走る

その感覚は

人類が消えて以来

初めてのものだった

2. 道の向こう

美竹通りに近い脇道

草に飲まれた道路の向こうに

誰かが立っていた

長い髪

色あせたパーカー

ベルトで絞ったジーンズ

背中に大きなリュック

肩には古い猟銃

年齢は20代後半から30前後

シオナと同じくらいかもしれない

その人物も

シオナに気づいたようで

ぴたりと足を止めた

互いに言葉を発しない

ただ

存在を確認しただけで

胸が高鳴る

世界に

自分以外の鼓動がある

その事実だけで震えた

3. 名も知らぬ者同士の静かな接触

シオナは相手に敵意がないことを示すため

手をゆっくり上げた

すると

相手も

猟銃の銃口を地面へ向けて

ゆっくり頷いた

言葉はない

互いに警戒を解きすぎない

けれど

敵意はなく

わずかな安堵が漂っていた

シオナは

どう声をかけていいのか分からず

とりあえず

一歩だけ前へ出た

すると相手も

同じように一歩だけ前へ出る

まるで

古代の儀式のような

慎重な距離の詰め方

4. 最初の言葉

先に声を出したのは

相手のほうだった

「……あなたも、生きてたんだね」

かすれた声

長く人と話していない声

それでも温かい響きがあった

シオナは小さく返す

「ええ、あなたも……」

その瞬間

胸の奥で何かがほどけた

名前も知らない

性格も知らない

敵か味方かも分からない

それでも

“人”と話した瞬間

世界が震えるほど変わった気がした

5. 近づく影

距離が3メートルほどまで縮まり

互いの顔が見える位置になる

相手は女性だった

痩せてはいるが

目は鋭く澄んでいる

長く孤独に生きてきた者の目だ

シオナの目とよく似ていた

名前を尋ねる前に

彼女はこう言った

「……一緒に歩ける?この世界で」

シオナは

その言葉の意味を理解するのに

少し時間がかかった

一緒に旅をするのか

一緒に生きるのか

それとも

一瞬だけでも心を許すのか

どれでもよかった

ただ

久しぶりに

胸が温かくなった

シオナはゆっくり頷いた

「……少しならいいわ」

それだけの返事なのに

朝の空気が

少しだけ柔らかくなった気がした

6. そして二人は並んで歩き出す

二人はまだ

名前も交換しない

互いの過去も話さない

距離も空けたまま

ただ

並んで歩き始める

動物たちは

人が二人になったことなど気にも留めず

草原に戻っていく

渋谷の谷へ向けて森へ還った宮益坂を下る

文明が失われ

言葉も目的も曖昧になった世界で

人が二人

並んで歩くことだけが

不思議なほど

尊い風景になっていた

ジャンル・タグ

, , , , , , , ,

作品統計

👁️ 閲覧数: 12 👍 いいね: 0 📚 本棚登録: 0

作者について

財団法人はるな会

財団法人はるな会

人とAIによる共著作品発表のため団体という形のペンネームにしました。複数の世界を、ゆっくり旅する物語を書いていきます。ChatGPTことチャティを相棒としてストーリーの概要や場面についてを対話する形で...

👥 フォロワー: 6人

作者ページを見る