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第18話 祭りの後

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/4/18 📚 シリーズ: 王女の一言から始まる、異世界野球リーグ設立奮闘記 📝 1,615文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

王女の一言から始まる、異世界野球リーグ設立奮闘記 - 第18話 祭りの後

本文

――街に残ったもの

新聞

翌朝。

王都の新聞売り場はいつもより人が多かった。

見出しは大きい。

《星たちの競演――歴史的オールスター開催》

《敵も味方もない一日》

小さな文字で、こうも書かれている。

《魔族投手バルト、堂々の好投》

《ケンタウロス・ハーフの怪力打者マクセルダ、観客を沸かす》

記事の調子は抑えめだ。

称賛し過ぎない。

否定もしない。

けれど、事実は淡々と並んでいる。

それだけで、十分だった。

⸻

夜。

酒場では、昨夜の話題で持ち切りだった。

「正直、どうかと思ってたがな」

「でも、あれは凄かった」

「敵じゃないと素直に見られるもんだな」

別の卓。

「……まだ、全部許せる訳じゃねえ」

「それでもよ」

「上手いもんは、上手い」

ジョッキが、鳴る。

怒鳴り声は、無い。

議論は、ある。

それだけで、少し前よりずっと静かだった。

⸻

街角。

木の棒をバット代わりに、布を丸めたボールを投げ合う子供達。

「次、バルトな!」

「じゃあオレは、マクセルダ!」

種族は関係ない。

ただ、知っている名前を呼んでいるだけだ。

大人達が足を止めて見る。

誰も、咎めない。

⸻

数日後。

掲示板に、新しい告知が貼られた。

《アマチュア野球チーム発足について》

内容は、こうだ。

・コーンウォリスにアマチュアチームを設立

・年齢、種族不問

・将来的なドラフト候補の育成を目的とする

理由も、添えられていた。

《これまで、六球団で選手数は限界に近く》

《アマチュアレベルでの混成チームには》

《参加希望者が集まりにくい状況が続いていました》

正直な文面。

⸻

コーンウォリス

――まだ名もないチームの紅白戦

コーンウォリスは国の台所だった。

肥沃な平原。

穀物倉庫。

余剰があり、受け入れる余地がある。

だからこそ、最初のアマチュア野球はここに置かれた。

⸻

正式な球場ではない。

畑を転用した簡易のグラウンド。

外野は少し歪だ。

それでも。

人は、集まっていた。

⸻

人間。

獣人。

ドワーフ。

リザードマン。

そして、少数だけど魔族とハーフ。

数は、ぎりぎりだった。

各都市に分けるほどの余裕はない。

機関車の移動にも、金が掛かる。

だから、ここに集める。

それが、現実的な判断だった。

⸻

「じゃあ、紅組と白組に分かれようか」

監督が声を掛けると、

一瞬、間が空く。

種族で分けない。

実力でもない。

ただ、番号順。

それだけで、空気が少し緩む。

⸻

試合はぎこちない

送球は逸れる。

走塁は、噛み合わない。

ケンタウロスは減速が間に合わず、ベースを大きく回り過ぎる。

ドワーフは息は切れないが、一塁が遠い。

それでも。

「ナイスボール!」

「今の球、良かった!」

声は、出る。

⸻

魔族の少年が恐る恐る、投げる。

ボールは少し高い。

だけど、回転は悪くない。

「……もう一球、いい?」

誰も、拒まない。

ハーフの少女がバットを握る。

観客はいない。

評価もない。

ただ、目の前の試合。

打球が、転がる。

「セーフ!」

声が、被る。

誰の声か、もう分からない。

⸻

私は少し離れた場所で見ていた。

エステル様は隣に腰掛けている。

「上手い下手より、楽しそうじゃな!」

「はい。最初は、それで十分です」

ナオは腕を組んで、眺めていた。

「……意外と、普通だね。普通に、野球してるし。

アタシが居た戦場よりずっと静か」

「ナオが高笑いしてたからうるさかったんじゃない?」

「失礼な。相手の悲鳴もうるさかったよ」

 とりあえず肩パンしておく。

 喜ばれた。

⸻

紅白戦が終わる頃。

汗だくの選手達が、同じ水桶に集まる。

種族はもう関係ない。

「次、いつやるんだ?」

その一言が、すべてだった。

⸻

コーンウォリスの風

風が穀物を揺らす。

ここなら、育つ。

ゆっくりと。

確実に。

私は、そう思った。

プロの舞台ではない。

未来へ続く場所。

コーンウォリスは、その最初の畑になった。

⸻

私はその報告書を机に置いた。

まだ、圧力はある。

反発も消えていない。

それでも。

一度、同じチームになった。

その記憶は、確かに残っている。

「……次は、現場だ」

誰に言うでもなく、そう呟いた。

物語はゆっくりと、しかし確実に次へ進んでいる。

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作者について

生獣(ナマ・ケモノ)

生獣(ナマ・ケモノ)

ほのぼのな百合も過激な百合も好き。

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