新婚旅行とフィールドテスト、ついでにクーデター②

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/4/23 📚 シリーズ: ラブコメはエンドロールのあとで~転生した元大賢者はn週目の人生でラブコメするようです~ 📝 2,550文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

これは、すでに終わった悲恋(ラブストーリー)の、幸せな続きである。 大賢者の物語も、世界を変えた魔導革命も、前世で愛した女性との別れも――全部、とっくに終わっている。 結果として、大賢者は最愛の妻を救えなかった。 恋をした、ただ一人のために世界を一変させた。だが、どうでもよかった。 得た権威も、名誉も全て、彼女を救うためにやったことだ。 それでも世界は残酷だった。 もう少しで彼女を救えたのに。なのに、間に合わなかった。 大賢者は最愛の妻を救えなかった。それでこの作品(本編)は終わりを迎えた。 だが、物語とは時に残酷なもので。どうやらこの世界は、バッドエンドで終わることを許さないようだ。 妻を救えなかったとしても。彼女の後を追って転生したとしても、この世界は終わらない。 そう――これは、その続きの話(後日譚)だ。 転生した元大賢者、ノルン・ウォルフラーレンは今日もラブコメをする。 前世チートで華麗に研究をこなすと思いきや、素人質問でたじろいだり。 帰宅すれば再会した前世の妻に膝枕される。と思いきや、些細な事でシバかれて逃げ出したり。 翌朝には娘たちにたたき起こされ、振り回される。 かつて世界を震撼させた伝説の賢者の末路がこれである。 この作品に大きな事件は起きない、世界の危機も訪れない。 ただ、何気ない日常のワンシーンをひとつひとつ切り取って並べただけの、ラブコメ風の短編集だ。 前世の物語なんて知る必要はない。少なくともこの世界では、もう終わったことなのだから。

本文

 ノルンは帝都近くの森林に移動し、そこから帝都全体を見渡していた。

 王宮を中心に、帝都のあらゆる場所から黒煙が上がっているのが見える。

 AILICEによると、王宮内部まで軍部は進行している状態らしい。

 また、既にノスティア王国含め、複数の国から同盟軍がクーデター鎮圧のために展開されているとの情報も入った。

「新婚旅行を台無しにした礼だ、これくらい付き合ってもらわないとな」

 そう言って、ノルンはTempestを召喚する。

「重力操作グラビティ、出力マイナス二十パーセント」

 ノルンがTempestに術式をかける。

 出力がマイナスなので、Tempestは空に落ちていくように上昇していく。

 それから数分間、Tempestが大気圏を突破するまでの軌跡をAILICEで監視した。

 そして、Tempestが大気圏を突破したのを確認して。

「AILICE、弾道計算。目標は……そうだな」

 ノルンは人気の少なそうな南西側の城壁を指定した。

 即座にAILICEが計算を完了させ、投下準備が整う。

「重力操作、出力三十パーセント」

 ノルンはTempestにかけていた術式の出力を反転させる。

 すると、Tempestが地表に引き込まれるように落下を開始した。

 数分後、激しい轟音と共にTempestが目標の城壁に命中する。

 Tempestが命中した箇所の城壁が、ガラガラと崩れ落ちる。

 ノルンは、その崩落した城壁から城内に侵入した。

「さて、新婚旅行のお返しはまだ済んでいないぞ……」

 そう言って、ノルンは城内の殲滅を始めることにした。

 はずだったが……。

「誰もいないな」

 ノルンは城の階段を上りながらつぶやく。

 しばらく城内を散策したが、軍部の人間とは一度も交戦しなかった。

 正確には、何度も接触したが全員が戦闘不能状態だった。

 気絶している者、瓦礫に埋まっている者。

 もちろん、敵なのでそのまま放置しておいた。

 助ける理由もない。

 そのまま階段を登りきると、大きなホールにたどり着く。

 軍部の人間はいなかったのでスルーしようとした途端、どこからかかすかな悲鳴が聞こえた。

 直後、遠くから爆発音や兵士たちの怒鳴り声、剣戟の音に混じって、少女の悲鳴が聞こえる。

「AILICE!半径百メートル以内の女性の生命反応を検索!」

 数秒後、AILICEが青白い背景のマップを表示する。

 マップ上にノルンの現在位置と少女のいる部屋までの最短ルートが表示された。

「目の前の部屋か!」

 ノルンが部屋の扉を蹴破ると、そこには金色の髪をした獣人の少女が床に倒れ込んでいた。

 胸部を刺されたのだろう。背中が赤く染まっている。

「一方遅かったか……!」

 軍服から判断するに、兵士が五人、士官らしき人物が二人、そして将軍らしき者が一人。周囲には騎士の死体が転がっていた。

「何者だ?騎士団の者ではないな?」

「……通りすがりの一般人だ」

 将軍らしき男が誰何する。鋭い双眸がノルンを捉え、如何にも警戒するような表情を見せると、表情を一変させて笑った。

 それにつられて、周囲の男たちも笑う。

「通りすがりの一般人か!そんな奴が、どうしてこんなところに居る!」

「強いて言うなら、新婚旅行のお返しだ。それより……お前が首謀者で間違いないか?」

 将軍らしき男は、ノルンの言葉が気に入ったのかゲラゲラと笑い出した。

「面白い奴だ、新婚旅行のお返しとは!そうだ、俺がこのクーデターを起こした張本人、カルヴァンだ!そして貴様は――」

 言葉の途中でカルヴァン将軍が手を振る。 背後にいた兵士たちが一斉にノルンへ向けて剣を構えた。

「ここで死ね」

 殺気を孕んだ声が部屋に響く。

「お断りだ。来い、Tempest!」

 ノルンの声に呼応し、手元に魔法陣が出現する。

 そこから冷たい風と共に黒い粒子が噴き出し、ノルン専用の杖が現れた。

 ノルンがTempestを構えると、背後から風切り音が聞こえた。

 それをTempestの石突で弾く。

「完全包囲ってか、面白い」

 上から角度をつけた射線――天蓋の陰に伏せていた弓手を、ノルンはとっくに把握していた。

「AILICE、部屋全体の生命反応を表示」

 ノルンの脳内に表示されたマップは、ノルンが既に把握していた配置と寸分違わず一致していた。

「全員で九人か、少ないな」

 ノルンがそう言うと、カルヴァン将軍の顔から笑みが消えた。

「……何者だ、本当に」

「だから言ったろ、通りすがりの一般人だ」

 ノルンは溜め息をひとつついてから、

「Tempest――2ndフェーズ移行」

 そう呟いた瞬間、部屋の空気が変わった。

 Tempestの本体が黒と深紫の粒子に覆われていく。

 先端の位置が揺らめき、光を吸い込むように膨らんでいく。

 兵士たちが後退した。本能的な恐怖だろう。

 生物というのは、理屈より先に身体が反応するものだ。

「ひ、ひるむな!たかが一人だ、数で押し潰せ!」

 カルヴァン将軍が怒鳴る。

「……数か。分かってないな」

 ノルンはTempestをゆるく持ち上げた。

 次の瞬間、兵士たちが床に叩きつけられた。

 いや、正確には気絶させられた。

 全員が呻き声をあげてその場に崩れ落ちる。

 カルヴァン将軍も膝をつき、床を引っ掻く。

「な、に……を……」

「簡単な話だ、時間を止めてから全員Tempestでぶっ叩いた」

 ノルンはそう言いながら、倒れ込んだ少女のそばに膝をついた。

 背中の傷を確認する。傷は深いが、まだ息がある。

 将軍が歯を食いしばって顔を上げる。目に怒りと屈辱が滲んでいた。

「……貴様、一体何者だ」

 ノルンは少し考えてから、肩をすくめた。

「ノスティア王国の一般市民だ。それ以外に言いようがない」

 新婚旅行のお返しは、存外あっさりと済んでしまった。

 そう判断し、少女を連れて撤収しようとした瞬間。

 壁一面の窓が吹き飛んで、粉塵で視界が奪われた。

「AILICE、外部の状況を確認!」

 粉塵が晴れるのを待たずに、ノルンは少女を庇うように上から覆い被さった。

 破片がノルンの背中を叩く。大したことはない。

 数秒後、粉塵が晴れると、吹き飛んだ窓の向こう側——そこには、巨大な老竜エンシェント・ドラゴンが居た。

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作者について

てぃむ

てぃむ

アイコンはchatGPT作です。 カバー画像は昔やりこんでいた某RPGの公式から。 

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