幕間 第16回「ヴォルフとリディアの結婚式、裏実況」
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
物理と知識で魔法世界を再定義!―拾った助手は2000年前の伝説の管理者(旦那様)でした。追放された天才没落令嬢は、最強の娘たちと共に「世界」を再構築中― - 幕間 第16回「ヴォルフとリディアの結婚式、裏実況」
本文
【MNW/内緒チャンネル開設】
ファーファ:やあやあ皆さん、ファーファですぉ。ヴォルフとリディアの結婚式でしたぁ。父様と母様、就寝確認済みですぉ(・∀・)
クララ:脳波モニタリング中。両名とも熟睡です。なおリディアの就寝前の発言を記録しています。「……ちゃんとした式は帰ってからよ」でございます。
ヴィオラ:まだ言っていますのね。
ボーン:でも嬉しそうでしたよぉ!
ファーファ:では裏実況、始めますぉ(・∀・)
ボーン:まずカイルが「やり残したことがあるな、ヴォルフ」って言った瞬間! MNWがざわつきましたよぉ!
クララ:記録があります。あの瞬間のMNW感情パラメータ、「察した」が全員97.8でございます。
ヴィオラ:母様だけ「何の話?」と首を傾げていましたわね。
ボーン:毎回そうなんですよぉ! 母様だけ最後に気づくんですよぉ!
ピッコ:……母様は自分に関係ないと思っている物事への感度が著しく低い傾向があります。
クララ:的確でございます。記録します。
ファーファ:ところで、セフィラ。あなた、何か知っていますぉ?
セフィラ:……何のことですか。
ファーファ:クロノス滞在中のリディアの記録ですぉ(・∀・)
セフィラ:……。
セフィラ:……記録があります。クロノス滞在2日目の夜、リディアが一人でいる場面を観察しました。
ボーン:何をしてたんですかぁ!?
セフィラ:……左手の薬指を見ていました。長い時間。そのあと「先を越されたのは癪だけど……」と呟いていました。
一同:……。
クララ:「先を越された」……つまり、父様と母様の結婚式のことでございますね。
ヴィオラ:あのリディアが素直にそういう感情を見せるのは珍しいですわね。ヴォルフは知っていたんでしょうけれど。
ピッコ:……だから翌日に指輪を用意していたんだと思います。
クララ:「油臭い手の温かさ」でございます。記録済みです。
ファーファ:では式本番の見どころをどうぞですぉ(・∀・)
ボーン:リディアが現れた瞬間ですよぉ! 母様が急いで縫い上げたドレス、完璧でしたよぉ! 胸元のスパナ刺繍がポイントで!
ヴィオラ:リディアがその刺繍を見た瞬間、一瞬だけ目が潤んでいましたわ。
クララ:記録してあります。0.3秒でございます。その後即座に「泣いてないわよ」の表情に切り替えていました。
ピッコ:……あの人、正直ですね。
セフィラ:……ヴォルフの誓いの言葉の後、リディアが長い沈黙をしていました。あれは何ですか。
ボーン:照れてたんですよぉ!!
セフィラ:……なるほど。記録します。「照れ」=長い沈黙。
ヴィオラ:セフィラ、その記録の仕方は少し語弊がありますわよ。
クララ:でも正確でございます。
ファーファ:セフィラの祝砲が一番の見どころでしたぁ(・∀・)
セフィラ:……あれは、祝福のつもりでした。
クララ:結果として近隣のナノマシン変異体の群れを全滅させました。記録済みです。
ボーン:リディアが「次の記念日にはセフィラに空砲の使い方を教えてね」って言ったシーン! あれが今日のMVPですよぉ!
ヴィオラ:……あのリディアがああいうことを言うようになりましたわ。長い旅でしたわね。
ピッコ:……同意します。
クララ:「先を越された」リディアが、今日は誰より笑っていました。記録済みです。てぇてぇ……でございます。
ファーファ:次回もお楽しみにですぉ(・∀・)
【MNW/内緒チャンネル 一時閉鎖】