大学の文化祭って大体何かに巻き込まれるよね①

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/4/25 📚 シリーズ: ラブコメはエンドロールのあとで~転生した元大賢者はn週目の人生でラブコメするようです~ 📝 2,082文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

これは、すでに終わった悲恋(ラブストーリー)の、幸せな続きである。 大賢者の物語も、世界を変えた魔導革命も、前世で愛した女性との別れも――全部、とっくに終わっている。 結果として、大賢者は最愛の妻を救えなかった。 恋をした、ただ一人のために世界を一変させた。だが、どうでもよかった。 得た権威も、名誉も全て、彼女を救うためにやったことだ。 それでも世界は残酷だった。 もう少しで彼女を救えたのに。なのに、間に合わなかった。 大賢者は最愛の妻を救えなかった。それでこの作品(本編)は終わりを迎えた。 だが、物語とは時に残酷なもので。どうやらこの世界は、バッドエンドで終わることを許さないようだ。 妻を救えなかったとしても。彼女の後を追って転生したとしても、この世界は終わらない。 そう――これは、その続きの話(後日譚)だ。 転生した元大賢者、ノルン・ウォルフラーレンは今日もラブコメをする。 前世チートで華麗に研究をこなすと思いきや、素人質問でたじろいだり。 帰宅すれば再会した前世の妻に膝枕される。と思いきや、些細な事でシバかれて逃げ出したり。 翌朝には娘たちにたたき起こされ、振り回される。 かつて世界を震撼させた伝説の賢者の末路がこれである。 この作品に大きな事件は起きない、世界の危機も訪れない。 ただ、何気ない日常のワンシーンをひとつひとつ切り取って並べただけの、ラブコメ風の短編集だ。 前世の物語なんて知る必要はない。少なくともこの世界では、もう終わったことなのだから。

本文

 どーん。どーん。

 わーわー! きゃー!

 突き抜けるような青空の下、広い会場にはいくつもの歓声が上がっていた。

 所狭しと屋台が並ぶなか、行き交うのは多くの生徒たちと、その親族などの招待客だ。

「今年も始まったな」

「これがお祭りー!?」

 アイシャが目をキラキラと輝かせる。

「……ひとがいっぱい。たのしそう」

「さすが、ノスティア三大祭りの一つってだけあるね」

 エニシャとティファニアも尻尾を振りつつ声を弾ませる。

 どうやら二人とも今日を楽しみにしていたようだ。

 ノルンは咳払いをして、朗々と解説する。

「これが星明祭。この大学で毎年開催される、ノスティア最大規模の祭典だ」

「どのくらい大きいの?」

「島全体が会場になる。この大学はもともと孤島を丸ごと改修して建てられていてな。建物だけでなく、海岸沿いや森の中まで含めて全部が会場になっている」

「もりのなか!?行きたい!」

 アイシャの目がさらに輝く。

「屋台だけじゃなくて、研究発表や演奏会もあるよ。学生が一年かけて準備するんだよ」

 ティファニアが補足すると、エニシャがノルンを見上げた。

「……パパもじゅんびしてたの?」

「……まあ、そうだな」

 歯切れが悪い。

 バンドの練習のことを思い出したのか、ノルンはわずかに視線を逸らした。

 アイシャがすかさず飛びついてくる。

「おとーさん何するの!? おしえて!」

「本番までのお楽しみだ、なぁ、ティファニア」

「そうだね」

「えーっ!」

 アイシャが頬を膨らませて文句をいう。

 教えてもいいのだが、それでは興ざめというものだろう。

 手づくりの花で装飾された会場の入り口をくぐり抜け、案内役の学生からパンフレットを受け取る。

 視界の先には、本棟に続く長い直線と、それに沿って並ぶ学生たちの屋台。

 わたあめや焼きそばなど、東洋の食べ物なんかまである。

 ノルンは存在は知っていたが、食べたことはなかった。

「なにあれ! 棒にさしてある!」

「わたあめか。砂糖を細長い糸状にしたものらしいが……ん?」

 ノルンが屋台に目を向けると、八本脚の魔法動物が屋台の上にいるのが目にとまった。

 しばらくそれを見つめていると、魔法動物が出した糸を学生が木の棒で巻き取ってそれを客に渡す様子が見えた。

 アイシャが屋台に突進しようとする背中を、ノルンが襟足をつまんで静止する。

 ぶらぶらと足を空転させながらも、アイシャはあきらめない。

「かってかってかって!」

「順番な」

 列に並ぶこと数分。棒を五本受け取ると、アイシャは両手で大事そうに抱えた。

「なにこれ!?あまーい!」

 隣ではエニシャが、雲のように大きなわたあめをまじまじと見つめる。

 それから、おそるおそる口にする。

「……あまい」

「よかったね」

 セレスティアがエニシャの口元をハンカチで拭いながら、柔らかく微笑んだ。

 本棟に到着するまで食べ歩きは続いた。

 小型の球に魔法動物の足を入れて焼いた食べもの、芋を細長く切って揚げたもの、ちじれた麺を茶色のソースで濃く味付けしたもの。

 学生たちが腕を競い合うように並べた品々を、五人はあちこちつまみながら進んでいく。

 ティファニアが「これ食べてみたい」と立ち止まるたびに列ができ、セレスティアが「では私も」と続き、気がつけばノルンが荷物持ちになっていた。

「結局こうなるのか……」

「なんか言った?」

「いや、なんでも」

 ティファニアがにっこり笑う。下手に反論できない。

「おとーさん、これはー?」

「クレープだ。薄い生地に好きなものを巻いて食べる」

「クレープ! 食べたい!」

「……エニシャは?」

「……いちご、たべたい」

 二人ぶん注文しながら、ノルンはふと屋台の看板に目を留めた。

 手書きで「魔法農業研究会・特製フルーツ使用」と書いてある。

 細部までこだわっているな、と内心で評価する。

 クレープを受け取ったアイシャは、苺とクリームがたっぷり入ったそれをひと口かじって、目を丸くした。

「これおいしい!」

「……おいしい」

 エニシャも自分のクレープをそっと口に運ぶ。

 苺の酸味がクリームの甘さと混ざって、ほんのりと頬が緩んだ。

 本棟の広場にさしかかったころ、巨大なステージが目にとまる。

「おとーさん、あれなに?」

「ダンスサークルの発表だな。確か昼から発表だったはず」

 ノルンがパンフレットをめくると、確かに記載があった。

「そういえば、今年はティーも踊るんだったよな? 準備で抜けるんじゃなかったか?」

「……あ、そうだった! もう遅刻かも! ノルン、アイシャとエニシャをお願い!」

 ティファニアが大慌てで去っていく。

 去り際に笑顔で手を振って、そのまま人混みの中へ消えていった。

「……おかーさん、どこいったの?」

「あとで会える」

 ノルンはあえて隠すことにした。

 セレスティアが小さく笑う。

「さて、ダンス発表まで時間あるし……どこへ行くかな」

 四人がそろってパンフレットを覗き込む。

「これ! これ! 魔法動物のやつ!」

 アイシャが広げたページを指さした。

『魔法動物ふれあいコーナー』と書いてある。

「……いきたい」

 エニシャがそっとノルンの袖を引いた。

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作者について

てぃむ

てぃむ

アイコンはchatGPT作です。 カバー画像は昔やりこんでいた某RPGの公式から。 

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