火の惑星 第二話

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/4/29 📚 シリーズ: 火の惑星 📝 2,269文字 ✅ 全年齢

あらすじ

火の星第二話です。 第一話から読むことを推奨します。 ロケットを発射することになった啓太たち。 果たしてロケットの打ち上げに成功し、憧れの宇宙を見ることができるか、、、

本文

誰もが惑星旅行に行けるようになった20XX年、未だに解明されていない未知の惑星があった。太陽である。

僕は飯野啓太、京東大学の大学生だ。

突然だが皆さんは太陽を知っているだろうか?

まあこの問いに対して「知らない」と答える人はいないとは思うが。

太陽、直径は地球の約109倍、中心部は約1600万度にものぼる。

そんな惑星に降り立つなんて無理だ、諦めろ、散々言われてきた。

だが僕は諦めない。あの人のためにも—

お昼下がりの中庭、そこに僕はいた。

そばには目を輝かせてロケットの発射準備をしているユウキ先輩。

そしてその隣で喧嘩している幼馴染のサキとレント先輩。

そして僕。

この4人でいつも宇宙について研究している。

そして今日はみんなで設計図を書いて完成させた小型ロケットの打ち上げ日だ。

成層圏。それは、宇宙との境界線だ。

一般的には成層圏は、高度30kmだと言われている。

そこで今回は、小型ロケットにカメラを取り付けて大気圏を撮影する、というわけだ。僕は太陽に行くことが夢なのだが、行く上でパイロットになるための資格を取ったり、もっと宇宙に詳しくなくてはならない。

そこで、今回の小型ロケットで成層圏についてもっと詳しく知ろう、というわけだ。

「よし、打ち上げ準備完了!」

おっと、そうこうしているうちに、準備が整ったようだ。

さっきまで取っ組み合いの喧嘩をしていた2人も、いつの間にかこちらに注目している。いよいよ1ヶ月間かけた小型ロケットの打ち上げだ。

「カウントダウン!5、4、3、2、1、発射!」

ロケットが勢いよく離陸する。

「よし、いったいった」

ひとまず安心だ。

「成功すると良いねー」

空へとぐんぐん向かってゆくロケットを見ながら、サキは呟く。

「だな。」

その時だった。

「君たち。」

何者かに呼び止められる。

京東大学生徒会長、白井レンだ。

「校舎内で勝手な実験をするな。

 今すぐ中止しろ。」

「無理だ。」

ユウキ先輩が答える。

続けて僕たちも

「そうです!1ヶ月かけた努力の成果を見たいんです!」

「危険なんてない!安全にしてますから!」

「いくらなんでもそれはひどいだろ。」

と生徒会長に講義する。

すると、白井レンが口を開く。

「そもそも僕たちの会を学校側は認めていない。

 勝手な会を作るなら、他所でやってくれないか。」

そう言って僕たちを睨みつける。

そう言われても中止しない僕らに腹を立てたのか、白井レンは吐き捨てるように、

「宇宙、成層圏、ロケット、バカバカしい。

 我が校は子どもの遊びをするところではないぞ。」

と捨てゼリフを吐いて、去っていった。

「ったく、何だよアイツ、、」

そう強がりつつも、ユウキ先輩は少し落ち込んでいた。

「なんで宇宙の神秘をばかにすることができるのかしら、信じられない。」

サキも怒りながらそう言う。

「みんな、見てくれ!」

突然、レント先輩が言う。

「ロケットの通信が、途絶えた!」

そもそも邪魔な生徒会長のせいで忘れていたが、僕たちは成層圏を見るために、小型ロケットを発射したばかりなんだった。

「なに!なぜ、、、」

「嘘、、、」

こうして、僕らの1ヶ月の努力は、消え去った、、、

そう思った瞬間、ユウキ先輩が呟く

「まって。これ、直せる。」

「本当ですか!」

僕らはそう言ってユウキ先輩のところへ駆け寄る。

「これをこうして、こうすれば、、、」

瞬間、レント先輩が叫ぶ。

「あ、もどった!」

しばらく喜びに浸ったあと、引き続き固唾をのんでロケットを見守る。

「あと高度1km!」

レント先輩が呟く。

「あと700m、600、500、400、、、」

カウントダウンは続く。

「300、200、100、、、」

ユウキ先輩は目を輝かせて通信情報を見ている。

サキは祈るように両手を合わせて「お願いします」と繰り返している。

「成層圏突破!」

「やったーーーーーーーー!!!」

4人の嬉しさの叫びがこだまする。

昼休みに中庭で弁当を食べていた生徒たちが驚いた表情でこっちを見ている。

だが今はそんなこと、関係ない。

だが、まだ成功したわけではない。

最後の仕上げが残っている。

「あとは予測していた落下地点に行くだけだな!」

そうだ。カメラを回収しなければ意味はない。

僕たちはあらかじめ予想していた落下地点に足を運んだ。

「このあたりのはずだ。」

「どこかしらね」

全員でカメラを探す。

15分、30分と探した。

だが、カメラの姿はそこにはなかった。

「なんで、、、」

そこで、ぼくははっとした。

「もしかして、、、」

嫌な予感がする。

天気予報を調べてみる。

強風注意報が発表されていた。

つまり、おそらくカメラは風に流されて、新たな旅に出たのだ。

「くそっ、もう少しだったのに、、、」

全員ショックで黙り込む。

ふいにユウキ先輩が声を上げる。

「いや、まだだ。

 今回は惜しいところまで行けた。

 まだ俺達には次がある。」

悔しいが、今は前を向かないとだ。

「次こそはロケット打ち上げ、成功させよう!」

「だな。」「ショック—」

「まあ次頑張ろう!」

その日の放課後、僕はまた新しいロケットを作るため、また部屋で機械をいじっている。次こそは成功させる。

このメンバーならできないことはない。

「頑張るぞ」

一人そうつぶやき、僕はまた作業を始めた。

一方その頃、生徒会長、白井レンは校長室にいた。

「また啓太がロケットを打ち上げたらしいな」

そう学校長の、飯野ひろしが言う。

それに対してレンがこう返す。

「大丈夫です、阻止しておきましたから、、、」

そう言って、手の中にあるカメラをゴミ箱に投げ捨てる。

「ご苦労だった」

にんまり笑い、学校長、そして飯野啓太の父親である飯野ひろしが言った。

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