第17章 門の外
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
世界は終わらない。 ただ、「止まらない」という前提が消えていく。 石油供給の揺らぎは、都市の機能を徐々に鈍らせた。 電車は遅れ、物流は滞り、棚は埋まらなくなる。 それでも社会は維持されているように見える。 だが、その維持には限界がある。 人は移動し、場所を選び、やがて線を引く。 内側に入る者。 外側に残る者。 その境界は、善悪ではなく「持続」のために存在する。 これは、終末の物語ではない。 持続のために切り捨てることを選び始めた世界の記録である。
本文
※本作はAI生成を含みます。
すれ違った三人のうちの一人が言った。
「入れなかった」
振り返らないままの声だった。
相沢は足を止めなかった。意味は分かった。
門がある。見えないが、確実にある。そして、それは閉じられている。
次の集落の入口で、同じことが繰り返された。
「水は出せる」
「中には入れない」
その言葉を聞いた瞬間、確定した。自分が外側だということが。
水を飲んで戻ろうとしたとき、入口に立っていた若い男が一歩だけ前に出た。
「……待って」
声は小さかった。
もう一人がその腕をつかんだ。止めた。
若い男は、迷ってから元の位置に戻った。
相沢は、その様子を見ていた。
ここは、開かない。誰か一人の意思では変えられない。それが、構造だ。
これは拒絶ではない。維持だ。中を守るための、外の線。
その線の外に、自分がいる。それだけのことだ。
歩き出した。
次の場所を探す。それしかない。
妹の声を思い出した。
「待ってる」
その言葉が、足を動かし続けていた。
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