【第二部:誘惑と挫折のループ】第9話:守護者ミレイユ、狼たちに阻まれる
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あらすじ
修道院百合狂騒曲 〜転生したらシスター誘惑モードでした〜 - 【第二部:誘惑と挫折のループ】第9話:守護者ミレイユ、狼たちに阻まれる
本文
1. 修道院長のお仕置きの帰り道
「……いやぁ、いけねぇいけねぇ……お尻が火ィ吹いちまうねぇ……」
アリスは真っ赤に腫れたお尻をさすりながら、森の小道をとぼとぼ歩いていた。修道院長様のお仕置きは、相も変わらず情け容赦なし。
「……でも、しょうがないよねぇ。あっしが悪いんじゃねぇ、神様がパンケーキ焼く才能をくれたのがいけねぇんだ……!」
そう、罪状は「朝のお祈りの最中に裏庭でパンケーキを焼いていた」こと。神は食を司るとも言うが、修道院長様はパンケーキに慈悲をくださらなかった。
そんなことをブツブツ言いながら歩いていると、木々の間から、一人の女が現れた。
守護者ミレイユ。
その美しさはまるで月の光をまとった妖精のよう。銀髪が風に揺れ、碧い瞳が静かにこちらを見つめる。
「おやぁ……?これはまた、えれぇべっぴんさんがいなさるじゃねぇか……!」
アリスは、お尻の痛みも忘れ、一瞬で恋に落ちた。
「ねぇねぇ、あんた様、こりゃまた見惚れるほどの器量よしだねぇ!どこぞの貴族様かい?」
駆け寄ろうとしたその瞬間、
「ガウウウウウウウ!!!」
森の影から巨大な狼たちが飛び出し、アリスの行く手を遮った。
――いや、でけぇ。
普通の犬どころか、馬並みのサイズである。
「……あ、あれぇ……?わんこちゃん……?」
「違います。これは狼です。」
ミレイユがやんわりと訂正する。
「お、おっかねぇ顔してるけど、でも、あっし犬好きでねぇ……狼も似たようなもんじゃねぇかい?」
アリスは必死に狼好きをアピールするが、ミレイユは優雅に微笑むだけだった。
「ふふ……お猿さんと犬は相性が悪いけれど、狼とは仲がいいのですね。」
「……はぁ?」
――お猿さん?
「ちょいと待ちねぇ……今なんと?」
「え?修道院では有名ですよ?“赤いお尻のマスコット、お猿のアリス”って。」
「ブチギレ案件だよぉぉぉぉ!!!」
――だが、ここで怒ったら狼たちが襲ってくるかもしれねぇ。
アリスはぐっとこらえ、にこやかに微笑んだ。
「……そ、そんなに可愛い狼ちゃんたちに囲まれるなんざ、光栄でござんすねぇ……」
「ふふ、祈りを捧げますか?」
ミレイユの言葉を聞いた瞬間、アリスは無意識にひざまずいてしまった。
「……あれぇ?なんでだろうねぇ……?」
「囲まれると本能的にひれ伏すのでしょう。」
「んなバカなぁぁ!!!」
四方を狼に囲まれたアリスは、恐怖と緊張のあまり、思わず神様に祈りを捧げ――
そのまま気絶した。
2. 再び修道院にて
「――アリス!しっかりしなさい!」
聞き覚えのある声がする。目を開けると、そこには修道院長様がいた。
「あれぇ……?なんか懐かしい感覚……って……」
違和感。
視界の端に、木の床。修道院の祭壇のすぐそば。
そして、自分は――修道院長様の膝の上に寝かされていた。
「ちょいと待ってぇ!?なんでこうなってんだい!?」
「あなたが森で倒れていたからよ。とても神聖な祈りの姿勢だったわ。」
「いや、だったら普通ベッドに寝かせるもんだろうがぁ!?なんでこの体勢!?」
「……お仕置きの準備をしていたから。」
「し て た ん か い !!!」
修道院長様は静かにため息をつき、
「アリス、神は言いました。『愚か者は繰り返す』と。」
「そんな言葉、経典にゃ載ってねぇ!!!」
「ええ、今作ったわ。」
「新訳聖書の追加はやめてくんなましィィィ!!!」
修道院長様の手が振り上げられた。
アリスは必死に抵抗した。
「や、やめておくんなせぇ!あっしは復讐する女なんでぃ!狼にバカにされた屈辱を忘れてねぇ!!!」
「そう、それは大事なことね。」
「でしょ!?だから許して――」
パァン!!!
「あぎゃあああああああ!!!」
修道院の奥深くに、アリスの叫び声が響き渡る。
「ふむ……良い音。」
「ちょいとぉ!?まさか楽しんでるんじゃねぇでしょうねぇ!?」
アリスは必死に暴れようとするが、修道院長様の腕力にかなうはずもなく、彼女の運命は決定していた。
その後、彼女の叫び声は数分間響き続けたという――。
3. エピローグ:修道院長の笑顔
その晩、アリスは寝室で毛布にくるまりながら震えていた。
「あの……修道院長様の……笑顔が……忘れられねぇ……」
あれは天使のような微笑みだった。
いや、違う。あれは悪魔の微笑みだ。
「良い音ね」
思い出しただけでゾッとする。
「……あっしは、復讐を誓うよ……!」
――とはいえ、次の日も彼女は何かやらかして、また赤いお尻を晒すことになるのであった。
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