カフェでの愚痴

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/6/19 📚 シリーズ: イケメンにも恋の病は必要だよね! 📝 2,021文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

大学2年生の橘ひなたは、ごく普通の女子大生。ある日、学校一のイケメンと噂される林武蓮と同じゼミになったことで、自然と彼を意識するようになる。 しかし蓮は恋愛に全く興味がなく、女の子から告白されても断り続けるクールな男。ひなたが話しかけても素っ気ない態度ばかり。 それでも一緒にいる時間が増えるうちに、ひなたは彼の不器用な優しさに少しずつ惹かれていく。 恋愛に無関心なイケメンが、初めて「恋の病」にかかるまでのドキドキラブコメ!

本文

翌週の木曜日、講義の前に時間が余ったひなたは、キャンパス内のカフェに立ち寄った。さくらと示し合わせて、いつもの窓際の二人席に陣取る。注文したカフェラテを両手で包みながら、ひなたはぼんやりと外を眺めた。

「ねえ、聞いてよ」とさくらがトレーをテーブルに置きながら言った。「昨日の講義の課題、全然意味わかんなかったんだけど」

「わかる。私も半分くらい諦めた」

「半分って何。ちゃんとやってよ、一緒に提出するやつなんだから」

「やったよ!半分は」

さくらが盛大にため息をついた。ひなたはカフェラテを一口すすりながら、ふと先週の講義のことを思い出した。

あの気まずさは、今でもじんわり残っている。

林武君がね!

ただ目が合っただけで「なに」と言われたあの瞬間。あの目の温度のなさ。別に怒っていたわけじゃないのはわかる。

でもあんな目で見返されたら、誰だって居心地が悪くなる。こっちはただちょっと見ただけなのに。

来週の講義、また隣になったらどうしよう。

考えただけで少し気が重くなった。できれば席が離れていてほしい。いや、そもそも向こうはひなたのことなんて覚えていないかもしれない。あの様子だと、ちらっと見て「なに」と言って、それで終わりだったはずだ。記憶にも残っていないだろう。

それはそれで少し腹が立つ気もするけど、まあ好都合だ。

「ひなた、聞いてる?」

「聞いてる聞いてる」

「絶対聞いてない。また変なこと考えてたでしょ」

「変なことじゃないよ。来週の講義のこと考えてた」

さくらが眉を上げた。「珍しい。真面目じゃん」

「真面目じゃなくて……また林武君が隣になったら嫌だなって」

「あー」さくらが納得したように頷いた。「まだ気にしてたんだ」

「気にしてるわけじゃないけど。ただ、あの気まずさをもう一回経験するのはしんどいなって話」

「でもひなたが見てたのが原因じゃ——」

「ちょっと待って」

ひなたはさくらの言葉を遮って、カップをそっとテーブルに置いた。

「見てたのは認める。でもあの『なに』の言い方、もう少しなんとかならなかったのかな。普通に話しかけてきたわけでもないのに、いきなりあんな目で見返すのはどうなの」

「……いや、それは」

「感じ悪いでしょ、普通に」

さくらが何か言いかけて、やめた。苦笑いをしながらストローをくるくると回している。その顔が「それはひなたが悪いと思うけど」と言っていた。でもひなたは気づかなかった。

「まあ、また隣になってもひなたが見なければいいだけじゃない?」

「そうなんだけど……なんか、悔しいじゃん」

「何が」

「なんか……うまく言えないけど」

ひなたはカフェラテを一口飲んだ。自分でも何が悔しいのかよくわからなかった。ただ、あの目で静かに見返されて、それで終わりだったことが、どこかひっかかっていた。

そのとき、カフェの入り口のドアが開いた。

ひなたは何気なく視線を向けて——固まった。

黒髪。整った横顔。静かな足取り。

林武君だった。

一人でカウンターに向かい、短い言葉で注文を済ませている。店員の女の子が少し顔を赤くしているのが遠目でもわかった。当の本人はそれに全く気づいていない様子で、スマートフォンを取り出して画面を見ていた。

ひなたは反射的に視線を逸らした。

「……来た」

「え?」さくらが首を傾けた。「誰が?」

「林武」

さくらがぱっと顔を上げ、入り口の方を見た。「本当だ」と小声で言う。「すごい、やっぱりかっこいいね」

「見ないでよ、気づかれたら嫌じゃん」

「ひなたが言う?」

ひなたは口をつぐんだ。確かに先週自分がやったことと全く同じだった。でも今は違う。あの気まずさを二度と経験したくないから!ということをさくらは知らない。

カップを持ったまま、ひなたはさりげなく横目で確認した。林武はカウンター横で飲み物を受け取り、辺りをざっと見渡している。席を探しているのだろうか。

頼む、こっちに来るな。

心の中でそう念じた瞬間、林武の視線がひなたのいる方向を向いた。

ひなたは瞬時に顔を正面に戻した。カフェラテを口に運びながら、さも何事もなかったような顔をする。

「……大丈夫?」とさくらが小声で聞いてきた。

「大丈夫。気づかれてないと思う」

「いや、たぶん気づかれてたよ」

「なんで言うのそういうこと」

さくらがくすくす笑った。ひなたはカップを握りしめながら、視線だけそっと横に流した。

林武は窓際の一人席に腰を下ろしていた。ひなたたちの席からは少し離れた斜め前。スマートフォンを見ながら静かに飲み物を口に運んでいる。誰とも話さず、誰にも目を向けず、ただそこにいる。

やっぱり感じ悪い人だな、とひなたは思った。

でもなぜか、視線がそちらへ引き寄せられそうになるのを、必死にこらえていた。

「ねえ、課題の話しようよ」

ひなたは努めて明るい声でさくらに言った。

「急にやる気出たじゃん」とさくらが笑った。

「うるさい。早く進めよっか」

カフェラテを一口飲んで、ひなたはテキストを広げた。林武のことは、もう見ない。そう決めた。

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作者について

たかの岳

毎日1話投稿! AI連載作品をたくさん出したいなと思います!

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