となりの確認の表紙画像

となりの確認

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/6/22 📚 シリーズ: イケメンにも恋の病は必要だよね! 📝 1,681文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

大学2年生の橘ひなたは、ごく普通の女子大生。ある日、学校一のイケメンと噂される林武蓮と同じゼミになったことで、自然と彼を意識するようになる。 しかし蓮は恋愛に全く興味がなく、女の子から告白されても断り続けるクールな男。ひなたが話しかけても素っ気ない態度ばかり。 それでも一緒にいる時間が増えるうちに、ひなたは彼の不器用な優しさに少しずつ惹かれていく。 恋愛に無関心なイケメンが、初めて「恋の病」にかかるまでのドキドキラブコメ!

本文

朝のキャンパスは、まだ少し肌寒い空気が残っていた。ひなたは講義棟へ向かう道を歩きながら、なんとなく辺りを見回していた。

別に、探してるわけじゃないんだけど。

そう自分に言い訳をしながらも、視線は無意識に人の流れの中を彷徨っていた。黒髪の、すらりとした後ろ姿を探している自覚はあった。理由もちゃんとある——もしまた講義で隣になったら、嫌だからだ。

先週、先々週と二週連続で隣の席になった。三回連続なんてことになったら、さすがに気が滅入る。だから先に見つけて、今日は反対側の列に座ろうと決めていた。それだけだ。それ以外の理由なんて、何もない。

「ひなた、おはよー」

さくらが小走りで追いついてきた。横に並んで歩きながら、ひなたの顔を覗き込む。

「なんかキョロキョロしてるけど、誰か探してるの?」

「いや、探してないよ。ただの確認」

「確認って何の」

「……特に何も」

さくらが訝しげな顔をしたが、それ以上は聞かれなかった。ひなたは内心で安堵しながら、再び視線を講義棟の入り口あたりに向けた。

いない。

まだ来ていないのか、それとももう中に入ってしまったのか。どちらにしても、入り口で確認できなかったということは、講義室に着いてから判断するしかない。

講義棟に入り、階段を上る。教室のドアを開けると、すでに何人かの学生が席に着いていた。ひなたは扉のところで立ち止まり、さっと教室全体を見渡した。

窓際の列。先週、先々週と座っていたあの席。

そこに、黒髪はいなく、前の方にいた

林武はすでに席に着き、いつものように静かにノートを開いている。

やっぱりいた。

ひなたは小さく息をついた。見つけた以上は、もう簡単だ。遠くの列、できるだけ離れた席を選べばいい。

そう決めて教室の反対側へ足を向けたところで、ひなたは自分の中の小さな違和感に気づいた。

なんで、こんなにほっとしないんだろう。

見つけた瞬間、確かにほっとした。でも、それと同時に、自分でもよくわからない何かがある。

隣にならずに済むから、なのか。それとも——別の何かなのか。

考えても答えは出てこなかった。ひなたは反対側の列の、空いている席に腰を下ろした。窓際とは反対方向だから、林武の姿は視界の端にも入らない。それでいい。これでいい。

さくらが隣に座って、「今日はあっちじゃないんだ」と何気なく言った。

「うん、今日はこっち」

「珍しいね。いつも窓際にいるのに」

「気分」

ひなたは適当に答えながら、テキストを取り出した。鬼島教授が入室してきて、いつもの低い声で講義が始まる。

90分間、ひなたは一度も窓際の方を見なかった。見る必要がないと思っていたし、見たいとも思っていなかった。少なくとも、そう自分に言い聞かせていた。

講義が終わり、教室を出るとき、ひなたはなんとなく窓際の列に視線を流した。林武はすでに席を立ち、鞄を持って廊下へ向かっていた。今日も誰とも話さず、誰にも目を向けず、静かに消えていく。

その背中を見て、ひなたは小さく息をついた。

——よかった。今日は隣じゃなくて。

そう思う一方で、なぜか少し物足りないような感覚もあった。それが何なのか、ひなたは深く考えないようにした。考えたら、もう頭がパンクしそうだからである。

廊下に出ると、さくらが横から覗き込んできた。

「ひなた、今日は反対側にいたね」

「うん、なんとなく」

「林くんとまた隣になるの嫌だったんでしょ」

「……まあ、そんな感じ」

さくらが少し意味深な笑みを浮かべた。「ふーん」とだけ言って、それ以上は突っ込まなかった。

ひなたは廊下を歩きながら、もう一度自分の気持ちを確認しようとした。隣になりたくない。それは本当だ。あの静かな気まずさを、もう経験したくない。

でも、今日わざわざ朝から探していたのは——本当にそれだけの理由だったのか。

「次の講義、移動しよっか」

さくらの声に、ひなたは思考を切り上げた。

「うん、行こう」

二人で歩き出しながら、ひなたは小さく首を振った。きっと、ただ隣が嫌だったから探していただけだ。それ以上の意味なんて、何もないはずと言い聞かせていた。

そう結論づけて、ひなたは足早に次の教室へ向かった。

ジャンル・タグ

,

作品統計

👁️ 閲覧数: 16 👍 いいね: 0 📚 本棚登録: 0

作者について

たかの岳

毎日1話投稿! AI連載作品をたくさん出したいなと思います!

👥 フォロワー: 2人

作者ページを見る