平和を望むなら戦いに備えよ

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/6/25 📚 シリーズ: 平和を望むなら戦いに備えよ 📝 1,755文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

魔法文明と機械文明が両立する世界観になります。エーテルパンクというジャンルはあるそうですが、(資料が無かったので)不勉強なため、大いに作者の解釈で書いています。

本文

=5=

観客の熱狂が渦巻くコロシアム。あんな事があった昨日の今日だが、観客席は満席だ。今をときめくサイバが参戦することが広告されたからだ。リングアナウンサーの声が拡声器から響く。

「本日のメインイベント! 無敗の鋼翼、サイバ選手――対するは……正体不明のモンスター、『レベリオー』!」

観客席がどよめく。対戦相手が“モンスター”であることへの驚嘆と不安が入り混じる声。

しかしリングに立つサイバ本人の表情は、その誰よりも硬く強張っていた。

東ゲートに巨大な黒い立方体が現れる。瞬時に多層立体召喚陣が、螺旋状に展開されているのが透けて見える。中心でぐにゃりと空間が折れ曲がり、そこから異形の影が這い出した。

奇数の人間の腕、複数の眼と口が並んでいる獣の頭部、数種類の昆虫の羽根……ちぐはぐな部品が粘土と金属を混ぜたような肉体で辛うじて整合性を保ちつつ無作為に繋ぎ合わせたような、異形の化け物。

サイバの背筋を悪寒が走った。サイバが習得した中で、最も防御に特化した構えを取る。

「――再びお前と相見えることになるとはな」

視界が一瞬、歪む。瞼の裏に浮かぶのは血と油の匂いが交錯する灰色の回廊。

回想――数ヶ月前。

軍司令部からの極秘指令。『不可解な“亜空間”への転送事故』の調査。派遣されたのはサイバとサイボーグの“ライダ”。

「よろしくな! 脚力と持久力には自信あるぜ!」

筋肉質で快活なサイボーグウーマン。彼女はエーテル技術の知識は持たなかったが、持ち前の勇気と体力でサイバのサポートを務められるほど急成長したルーキー筆頭の賞金稼ぎた。

「アンタ、マホウが使えるんだってな」

「興味があるか?」

「イヤ、よしとくよ。難しいんだろう?」

「コツはいるな」

「便利なんだろうけどなー。師匠とかがいるのか?」

「ノクス。チャンピオンだ。少し前に殿堂入りしたが」

「へー」

二人は手順通りに封印された転送装置を起動。光に包まれた次の瞬間――。

目の前に広がったのは“無限ループする工場”だった。

ピストンを一定のリズムで上下させる機械が成型した金属塊をベルトコンベアが、別の延々と同じ動作を繰り返す機械へ送り続ける通路。そこではサイボーグの義体パーツが次々と組み立てられ、時には分解され、再構成されているようだ。

「おい、コレ、何だ?」

ライダが指さす先にあったのは『再利用ライン』の看板。そしてその横には人間の耳のグラフィック。のように見える何か。小さく縮こませた、うずくまる人間のように見えるが、コレは何だ?

何故か興味を唆られ、少しデータを探る。

原始線条…減数分裂…配偶子…。

聞き慣れない言葉に、ライダは首を傾げた。

「わかるか?」

「多分……オレたちには関係ないはずだ」

義肢を製造しているブロックを後にすると、その先にあったのは、エーテルダイヤモンドを立方体に切り分けるラインだった。

細かくなったエーテルダイヤモンドは超高真空のクリーンルームに運ばれていく。そこで、通常視力で見えないほど小さく刻まれたエーテルダイヤモンドに様々な角度から何本ものレーザーアームが発射するレーザーが当てられているようだ。

最下層と思われる階層に降りる。様子から推察するに、廃棄物処理場だ。空気清浄装備を貫通する嫌悪感を抱かせる臭気に、堪らず嗅覚センサをシャットアウトする。

闇雲に歩き回って辿り着いた最深層階で、二人は巨大な黒い粘液塊に絡まったクリーチャーと遭遇した。それがレベリオーだった。

酸のような吐息。全方位の触手。咄嗟にライダが盾を形成し、サイバの魔法が隙を作る。形勢逆転の切り札はライダの虎の子の二発のフォトントーピードだけだった。サイバは、無事に戻れたらフォトントーピードを倍にして奢る、という約束をして、ライダにそれを撃たせた。見事クリーチャーに直撃、効果があったと喜んだのも束の間、飛び散った黒粘液が意思を持つように蠢いて寄り集まり、元のクリーチャーに再構成し始めたのだ。二人は逃走を余儀なくされた。どうにか生還できたものの、幸運が重なっただけだと思い返す。

今目の前に、二人がかりで敵わなかった、有効な手段を持ち合わせていないモンスターが、黒い立方体の檻を突き破らんと、何度も突進を繰り返しているのだ。

そして、遂に、レベリオーを閉じ込めていた檻がガラスのように砕け散った!

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作者について

淡海 塩

データを全ロスしてしまいました。一旦仕切り直させてください。

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