11話:魔法大学受験③ 乗り越えた先の表紙画像

11話:魔法大学受験③ 乗り越えた先

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/8/4 📚 シリーズ: 俺の幼馴染が突然チート魔力持ちの美女になった。~それでも凡人の俺は大魔導士を目指す~ 📝 3,020文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

『試験、開始』無機質なゴーレムの宣告。その直後、滞留していた空気が弾けた。数多の標的が、まるで意思を持つ捕食者のように、あるいは逃げ惑う羽虫のように、目まぐるしく、それぞれが不規則な軌道を描いて空間を支配する。

本文

『試験、開始』

無機質なゴーレムの宣告。 その直後、滞留していた空気が弾けた。

数多の標的が、まるで意思を持つ捕食者のように、あるいは逃げ惑う羽虫のように、目まぐるしく、それぞれが不規則な軌道を描いて空間を支配する。

(落ち着け……! 止まるな、静止した瞬間に的は絞られる!)

「疾走(アクセル)!」

シュドーは低く呟き、魔力を両足に爆発させた。 足に熱が集中し、風を切る感覚。景色が線となって後方へ流れ、シュドーは標的の群れと並走する高速の旋風と化す。 脳裏には、ナザルに叩き込まれた実戦の理論が、冷徹な数式となって浮かんでいた。 回避と同時に、懐の杖を抜き放つ。

「魔弾(バレット)!」

一点に凝縮された光の礫が、空中の標的を容赦なく穿つ。 響く破裂音。

だが、安堵する暇はない。

すぐさま標的の一個がシュドーの死角を突いて急接近してくる。

「打撃(ブロー)!」

シュドーは疾走の勢いを殺さず、杖を横一閃に薙いだ。 先端に固定された魔力の質量が標的を粉砕し、その反動を利用してさらに加速する。

積み上げた七年分の動きだった。 監視ゴーレムの水晶体が、そのシュドーの無駄のない動きを、冷酷にデータとして刻んでいく。

試験開始から数分。 不意にシュドーの視線が、隣の結界へ向いた。 そこには、予想だにしなかった光景があった。

メルティが、あたふたと杖を振り回し、翻弄されていたのだ。

生来の気質の弱さが、不規則な標的の動きに対して「迷い」を生んでいた。

放たれた魔弾は空を切り、標的に掠りもしない。

(あのバカ…!何やってんだ!!落ち着け!!)

シュドーは心の中で絶叫する。 だが、その声は結界に阻まれて届かない。

焦燥がシュドーの胸を焼くが、今の自分にできることは、自分の領域を完璧にこなすことだけだ。

結界の外、ナザルもまた、苦渋の表情で組んだ腕に力を込めていた。

拳が白くなるほどに、己の腕を強く握りしめる。

(ど、どうしよう!!当たらない…!)

メルティはグルグルと自分の周りを回る標的に視覚的に圧迫され、完全にパニックに陥っていた。標的が、まるで無数の目玉のようにメルティの周りをぐるぐると回る。視界が歪み、耳元で自分の心臓の音がやけに大きく響く。

それでも、時間は待ってはくれない。

『残り三分』

ゴーレムが冷徹に告げる。

(シュドー…!)

縋る様に、隣の小さな幼馴染へと視線を向けた。

その時、シュドーが標的を撃ち続ける中で視線がかち合った。

そしてシュドーは腕を高く上げ結界の真上に向けて魔弾を放つ。

だが、そこに標的は無く、魔弾は結界の頂上で弾かれただけ。

(――!?) シュドーの突然の意味不明な行動に一瞬戸惑うメルティ。

シュドーは再びメルティに視線を送ると、自身の試験に集中をし始めた。

(シュドーが失敗…? ! 違う、これは……!!)

瞬時に、メルティはシュドーの意図を理解した。

標的の群れに包囲されかけた瞬間、彼女は大きく息を吸い込み、空を見上げた。

「浮遊(フロート)!」

メルティの身体が、一気に加速して結界の頂点へと急上昇する。

風が耳元で唸り、視界いっぱいに標的の群れが小さく散らばって見えた。

(何をする気じゃ!?)

ナザルが目を見張る中、天に最も近い場所でメルティは杖を両手で握りしめる。

魔力が集中し、彼女の瞳が、青白く発光した。

「魔弾ォォォォ!!」

ズドドドドドドドドドドド!!!!!

それは、精密な狙撃とは程遠い、破壊の豪雨だった。 上空から出鱈目に、だが圧倒的な密度で放たれた無数の光弾が、逃げ場を失った標的たちを次々と飲み込み、粉砕していく。 理屈ではない、天性の魔力量が生み出す力押し。

その魔力の奔流の雨を、ゴーレムの瞳の水晶が焼き付ける様に記憶していく。

標的が全て弾け飛ぶ中、終了の合図が響き渡った。

「シュドー!」

結界が解け、外の潮風や木々のざわめきが聞こえる様になるとメルティは足早に幼馴染の元への駆け寄った。

「さっきはあ…」

バフッ

メルティが礼を言いかけた瞬間にシュドーが手を口で塞ぐ。

そして、人差し指を立てて「静かにしろ」というジェスチャーをした。

(アホ!余計な事喋んな!助言したって疑われるぞ!)

シュドーに目でそう言われ、二体のゴーレムが後ろから静かに自分達を見ている事にメルティが気付く。

(そ、そうだった……まだ、終わってないんだった…!!)

口の中が乾き、喉をゴクリと鳴らす。

実技試験の熱気が冷めやらぬまま、舞台はナザルの家の中へと移る。 ゴーレムの監視下での筆記試験。 いつもの薬草の匂いに満ちた室内に響くのは、羽根ペンが紙を走るカリカリという音と、張り詰めた呼吸の音だけだ。 シュドーは、目の前の問題用紙を睨みつけた。

魔導回路の接続、野草の効能、毒性の見分け……。 夜通し、睡魔と戦いながらシュドーがメルティに教え込み、そして自らも拳骨と共に頭に叩き込んだ知識たち。 それらが、シュドーの指先を通して解答欄を埋めていく。 (間違えねぇ。一問たりとも、ジジイの教えに泥を塗るような真似はしねぇ!)

メルティもまた、必死にペンを動かしていた。 文字を追うのが苦手だった彼女が、今はシュドーとの約束を胸に、記憶の糸を必死に手繰り寄せている。

(絶対に、絶対に合格するんだ…!シュドーと、一緒に!お爺ちゃんの為に!)

外では、ナザルは祈る様に拳を額に押し付け、黙って座る。

やがて、終了の合図。 答案用紙がゴーレムによって回収され、静寂が戻る。

『お疲れ様でした。以上をもって、全試験課程を終了します。結果は一週間後。

 ……期待してお待ちください』

ゴーレムはそう言い残すと、翼を広げて空へと飛び去った。

呆然と、その後ろ姿を見送る二人。

「……終わったのか? これ、本当に終わったのかよ」

シュドーが掠れた声で呟く。実感はどこにもない。 ただ、今まで張り詰めていた何かが、ぷつりと切れたような奇妙な虚脱感だけがあった。

メルティも同様に、魂がどこかに行った様な呆けた様な顔で突っ立っていた。

そんな二人の肩を、大きな、温かな掌が叩いた。

「ようやった。二人とも。本当に……よく、やり遂げたな」

ナザルの声は、いつもの厳しい叱咤ではなく、慈愛に満ちたものだった。 その一言に、ようやくシュドーとメルティの顔に笑みが戻る。 お互いの無事を、そしてやり遂げたという確信を分かち合うように、視線を交わしたその時だった。

「ゲホッ、ゴホッ! ゲホッ、ゲホッ!!」

ナザルが突然、激しく咳き込み始めた。 その身体が、一瞬、頼りなく揺れる。

「ジジイ!? おい、大丈夫か!」 「おじいちゃん! 顔色が……!」

二人が慌てて駆け寄り、ナザルの腕を支える。 老魔導士は、手で口を抑え、少し肩を上下させた後、無理に笑顔を作って見せた。

「……心配するな。歳を取ると、だいたいこうなるもんじゃ。……大一番を見届けたせいで、ちと気が抜けたのかもしれん」

ナザルは二人を優しく見つめ直す。 その目は、旅立つヒナを見送る親鳥のような、誇らしげで、どこか寂しげな輝きを湛えていた。

「一週間、果報を待て。二人とも、結果が気になって修行どころではなかろうしな。ここ数ヶ月、死ぬ思いで頑張りすぎじゃ。……暫くは休みとする。王都への旅支度でも考えておれ」

そう言って笑うナザルの背中は、シュドーの目には、以前よりもずっと小さく、そして尊いものに見えていた。

コタンの潮風が二人の火照った体を、静かに、穏やかに撫でた。

ジャンル・タグ

, , ,

作品統計

👁️ 閲覧数: 14 👍 いいね: 0 📚 本棚登録: 0

作者について

take

take

思いつく限りの物を好き勝手にAIに書かせてます。主にファンタジー物がすき

👥 フォロワー: 1人

作者ページを見る