泊まらせたい!の表紙画像

泊まらせたい!

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/7/14 📚 シリーズ: イケメンにも恋の病は必要だよね! 📝 1,390文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

大学2年生の橘ひなたは、ごく普通の女子大生。ある日、学校一のイケメンと噂される林武蓮と同じゼミになったことで、自然と彼を意識するようになる。 しかし蓮は恋愛に全く興味がなく、女の子から告白されても断り続けるクールな男。ひなたが話しかけても素っ気ない態度ばかり。 それでも一緒にいる時間が増えるうちに、ひなたは彼の不器用な優しさに少しずつ惹かれていく。 恋愛に無関心なイケメンが、初めて「恋の病」にかかるまでのドキドキラブコメ!

本文

ケーキを食べ終えた頃、時計は夜の九時を過ぎていた。

二人でテーブルを片付けながら、ひなたはふと窓の外を見た。外は真っ暗で、風が強くなっている様子だった。木の枝が揺れているのが見えた。

「今日、風強いね」

「……そうだな」

林武がコートを手に取り始めた。帰る気だ、とひなたは察した。

時計をもう一度見た。九時過ぎ。そこまで遅い時間ではないけれど、外の寒さを思うと、なんとなく引き止めたくなった。

——いや、違う。引き止めたいのは、寒いからじゃない。

ひなたは少し迷ってから、口を開いた。

「泊まっていけば?」

林武がコートを羽織る手を止めた。こちらを見た。

「……は」

「寒いし、遅いし。泊まってけばいいじゃん。布団もあるから」

林武はしばらくひなたの顔を見ていた。何を考えているのか、いつも通り表情からは読めなかった。

「……帰る」

「えー、なんで」

「帰る」

二度目は、もっとはっきりしていた。それ以上の説明はなかった。ただ、帰る、の一言だけだった。

ひなたは少し拍子抜けした。もう少し迷うかと思っていたのに、即答に近かった。

「そんなにきっぱり言わなくても」

「……きっぱり言わないと、お前が引き下がらないだろ」

「……それはそうかもしれないけど」

図星だったので、ひなたは何も言えなかった。確かに、曖昧な返事をされたら、もう一押しするつもりだった。

林武はコートのボタンを留めながら、ひなたを見た。

「今日は、楽しかった」

その言葉が、思いがけず素直だったので、ひなたは少し驚いた。林武の口から「楽しかった」という言葉が出てくるのは、珍しかった。

「……そう」

「ケーキも、美味かった」

「……お粗末様でした」

なんだか照れくさくて、ひなたはそっけない返し方をしてしまった。林武は小さく頷いて、玄関へ向かった。

「気をつけてね」

「……ああ」

「本当に寒いから、早く帰って」

「……わかった」

ドアが閉まった。

ひなたはしばらくドアの前に立ったまま、動けなかった。

泊まっていけばと言ったのは、半分は本気で、半分は勢いだった。断られるとは思っていなかったわけではない。でも、いざ断られると、なんだか部屋が急に静かになった気がした。

さっきまで林武がいた場所を見ると、テーブルの上にフォークが二本並んだままだった。ケーキの箱も、まだそこにある。

楽しかった、か。

林武が言った言葉を、ひなたはもう一度頭の中で繰り返した。あの素っ気ない人が、楽しかったと言った。それだけで、断られた寂しさが少し和らいだ。

ひなたはソファに座って、スマートフォんを手に取った。林武からのメッセージはまだなかった。当たり前だ、さっき帰ったばかりなのだから。

しばらくして、画面が光った。

『……着いた』

それだけだった。でも、ひなたは思わず笑った。

『早かったね。おつかれ』

『……今日は、ありがとう』

ひなたはその文字を見て、スマートフォンを胸に当てた。

泊まっていってほしかったのは本当だ。でも、帰り道に無事を知らせてくれる人が、今ここにいる。それだけで、今夜のクリスマスは十分すぎるくらいだった。

『また来年もどっか行こうね』

少しの間があって、返信が来た。

『……ああ』

ひなたはその一言を見て、もう一度小さく笑った。来年も、一緒にいる気でいる。それが当たり前みたいに。

……好きだな、ほんとに。

心の中でそっとつぶやいて、ひなたはスマートフォンを置いた。部屋の窓の外では、まだ風が吹いていた。

ジャンル・タグ

,

作品統計

👁️ 閲覧数: 1 👍 いいね: 0 📚 本棚登録: 0

作者について

たかの岳

毎日1話投稿! AI連載作品をたくさん出したいなと思います!

👥 フォロワー: 2人

作者ページを見る