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影に潜む

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/7/16 📚 シリーズ: イケメンにも恋の病は必要だよね! 📝 1,716文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

大学2年生の橘ひなたは、ごく普通の女子大生。ある日、学校一のイケメンと噂される林武蓮と同じゼミになったことで、自然と彼を意識するようになる。 しかし蓮は恋愛に全く興味がなく、女の子から告白されても断り続けるクールな男。ひなたが話しかけても素っ気ない態度ばかり。 それでも一緒にいる時間が増えるうちに、ひなたは彼の不器用な優しさに少しずつ惹かれていく。 恋愛に無関心なイケメンが、初めて「恋の病」にかかるまでのドキドキラブコメ!

本文

一月の半ば、冬晴れの昼間だった。

ひなたは講義棟から出たところで、遠くに人だかりを見つけた。視線の先に、見覚えのある黒髪があった。

また、告白の場面だった。

今回は人通りの多い場所だった。通り過ぎる学生たちが、ちらちらと二人の様子を見ていた。中には立ち止まって眺めている人もいた。

ひなたは足を止めて、その様子を見ていた。

林武はいつも通り、静かに相手の言葉を聞いていた。それからいつもの平坦な声で何かを答えた。女の子が小さく頭を下げて、足早に去っていった。

でも今回は、いつもと違った。

周りの視線が、林武に集まっていた。通り過ぎる学生たちの中には、小声で何かを話しながら笑っている人もいた。林武はそれに気づいているのか、いないのか、表情は動かなかった。

でも、ひなたには見えた。

林武の目が、いつもより少し伏せられていた。視線が、どこか遠いところを向いていた。

深く落ち込んでる。

直感だった。いつもの「断った後の静けさ」とは違う。今日は、もっと重たいものを抱えているように見えた。

ひなたは歩き出そうとした。

でも、一瞬足が止まった。

——私が行って、いいのかな。

前に慰めたことはあった。でも今は、自分の気持ちを自覚している。好きな人に近づくことへの緊張が、足を重くさせていた。余計なことを言ってしまうかもしれない。迷惑かもしれない。

でも。

林武がゆっくりと歩き出した。人の流れから外れるように、講義棟の脇の方へ向かっていった。木が数本立ち並ぶ、人気の少ない場所だった。その影に、すっと入っていった。

ひなたは迷いを振り切って、後を追った。

木の影に入ると、喧騒が少し遠くなった。林武は一本の木にもたれて、空を見上げていた。ひなたの足音に気づいたのか、視線を下ろした。

「……橘」

「うん」

「なんでいる」

「見てたから」

林武は何も言わなかった。視線を再び空に向けた。その横顔に、いつもの静かな強さがなかった。

ひなたはゆっくりと隣に立った。少し間を置いてから、小さく声をかけた。

「大丈夫?」

「……ああ」

「無理してない?」

林武が少し黙った。

「……平気だ」

「そっか」

ひなたは正面を向いたまま、続けた。

「休んでもいいんだよ、別に」

林武がひなたの方を見た。

「休む、とは」

「なんか、今日は周りの目が嫌だったんじゃないかなって。そういう時は、無理して平気な顔しなくていいと思う」

林武はしばらく黙っていた。木の影の中で、冬の風が静かに吹いていた。

「……見えてたのか」

「うん、ちょっとだけ」

「……そうか」

それだけ言って、林武はまた空を見上げた。ひなたも同じ方向を見た。冬の空は青くて、雲が少しだけ流れていた。

しばらく、何も言わなかった。でも、沈黙が苦しくはなかった。ただ、隣にいるだけでよかった。

「……毎回、慣れると思ってた」

ぽつりと、林武が言った。

「慣れない、のか」

「……今日みたいに、周りに見られると。少し、しんどくなる」

ひなたは何も言わなかった。ただ、聞いていた。

「断ること自体は、間違ってないと思ってる。でも……」

林武が言葉を止めた。続きは言わなかった。でも、ひなたにはなんとなくわかった気がした。

間違っていないとわかっていても、人に見られながら断り続けることは、じわじわと疲弊させるものがある。正しいことと、しんどくないことは、別の話だ。

「林武くん、真面目すぎるんだよ」

「……そうか」

「断ることに、責任感じすぎてる気がする。悪いのは林武くんじゃないのに」

林武はひなたの顔を見た。

「……お前は、そういうことをさらっと言うな」

「本当のことだから」

林武が小さく息を吐いた。それから、わずかに表情が緩んだ。笑った、というほどではなかったけれど、さっきまでの重たい空気が、少しだけ薄くなった気がした。

「……ありがとう」

「別に」

「いや、ありがとう」

二度言われて、ひなたは視線を逸らした。耳が少し熱くなった。

「そろそろ次の講義行かないと」

「……ああ」

二人は木の影から出た。さっきまで人だかりがあった場所は、もう誰もいなかった。

並んで歩きながら、ひなたはちらりと横を見た。林武の顔は、まだ少し疲れているように見えたけれど、さっきよりは幾分か軽くなっていた。

それだけで、ひなたには十分だった。

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作者について

たかの岳

毎日1話投稿! AI連載作品をたくさん出したいなと思います!

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