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夜の二人

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/7/29 📚 シリーズ: イケメンにも恋の病は必要だよね! 📝 1,870文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

大学2年生の橘ひなたは、ごく普通の女子大生。ある日、学校一のイケメンと噂される林武蓮と同じゼミになったことで、自然と彼を意識するようになる。 しかし蓮は恋愛に全く興味がなく、女の子から告白されても断り続けるクールな男。ひなたが話しかけても素っ気ない態度ばかり。 それでも一緒にいる時間が増えるうちに、ひなたは彼の不器用な優しさに少しずつ惹かれていく。 恋愛に無関心なイケメンが、初めて「恋の病」にかかるまでのドキドキラブコメ!

本文

部屋に戻って、しばらくひなたはぼんやりと天井を見つめていた。

足湯での会話が、まだ頭の中に残っていた。林武が過去のことを話してくれたこと。あんなに踏み込んだ話を聞いたのは初めてだった。

スマートフォンを見ると、十時を少し過ぎていた。明日のチェックアウトは十一時だから、まだ時間はある。でも、眠れる気がしなかった。

ぼんやりしていると、ドアがノックされた。

「……ひなた、起きてるか」

林武の声だった。ひなたは少し驚きながら、ドアを開けた。

林武が廊下に立っていた。浴衣姿のまま、手に文庫本を持っていた。

「どうしたの?」

「……眠れない」

「私も」

林武が少し間を置いた。

「……部屋に入っていいか」

ひなたは一瞬だけ驚いて、それからドアを大きく開けた。

「いいよ」

林武が部屋に入ってきた。ひなたはベッドに座って、林武に座布団を勧めた。林武は座布団に腰を下ろして、持っていた文庫本をテーブルに置いた。

「本、持ってきてたんだ」

「……旅行の時は持ち歩く」

「几帳面だね」

「……そうか」

二人でしばらく黙っていた。でも、不思議と気まずくはなかった。旅館の部屋は静かで、外から風の音だけが聞こえていた。

「さっきの話、ありがとう」

ひなたが言うと、林武が少し首を傾けた。

「……何が」

「過去のこと。話してくれて」

「……ああ」

「なんか、話しやすかった?今日」

林武はしばらく考えるような顔をした。

「……ここに来て、少し気が楽になった気がした。だから」

「そっか。よかった」

ひなたは窓の外を見た。山の夜空に、さっきと同じ星が広がっていた。

「林武くんって、旅行とか一人で行ったりするの?」

「……たまに。一人の方が気楽だから」

「一人旅好きなんだ」

「……嫌いではない。でも」

林武が少し止まった。

「……今日みたいなのも、悪くない」

ひなたは林武の顔を見た。林武は窓の外を向いたままだった。でも、その言葉が嬉しくて、ひなたは視線を逸らした。

「そう言ってもらえると、誘ってよかったなって思う」

「……誘ってくれてよかった」

また静かになった。ひなたはベッドの上で膝を抱えて、星空を眺めた。林武は座布団の上で、背筋をまっすぐに伸ばしたまま、同じ方向を見ていた。

しばらくして、ひなたが欠伸をした。

「眠くなってきた」

「……なら寝ろ」

「林武くんは?」

「……もう少し起きてる」

「そっか」

ひなたはベッドに横になった。毛布を引き上げて、目を閉じた。林武がそこにいる気配がする。それが不思議と落ち着いた。

「消灯していい?」

「……ああ」

ひなたは手を伸ばして、枕元のライトを消した。部屋が暗くなった。窓から星明かりがうっすらと入ってきて、林武の輪郭だけが見えた。

「おやすみ、林武くん」

「……ああ」

目を閉じると、足湯の温かさがまだ体に残っているような気がした。林武の気配が、静かに部屋にある。それだけで、ひなたは安心した。

どのくらい経っただろうか。うとうとし始めた頃、林武が動く気配がした。ひなたは薄目を開けた。

林武が文庫本を閉じて、テーブルに置いた。それからひなたの方を見た。ひなたが起きていることに気づいたのか、少し止まった。

「……起こしたか」

「ううん、まだ寝てなかった」

「……そうか」

林武が立ち上がろうとした。帰るつもりなのだろう。ひなたは思わず言った。

「ここで寝ていいよ」

林武が動きを止めた。

「……いい」

「布団、もう一枚あるから。押し入れに」

「……それでも」

「帰ったら一人でしょ。せっかくだから」

林武はしばらく黙っていた。ひなたは毛布の中で、林武の返事を待った。

「……じゃあ、押し入れの布団を借りる」

「うん」

林武が押し入れを開けて、布団を取り出した。ひなたのベッドから少し離れた場所に、静かに敷いた。その動作が、やけに丁寧だった。

「電気、このままでいい?」

「……ああ」

林武が布団に横になった。部屋にまた静けさが戻った。

「林武くん」

「……何だ」

「今日、楽しかった?」

少しの間があった。

「……楽しかった」

今日二度目だった。いつもなら「悪くない」で留めるところを、今日ははっきりと言ってくれた。ひなたは毛布の中で、小さく笑った。

「よかった。おやすみ」

「……おやすみ」

部屋が静かになった。林武の呼吸が、少しずつ落ち着いていくのがわかった。ひなたも目を閉じた。

好きな人が、同じ部屋で寝ている。それだけのことが、こんなに不思議な感じがするものなのか。胸がじんと温かくて、でも穏やかで、緊張というよりはただ幸せな感覚だった。

このまま時間が止まればいいのに。

そう思いながら、ひなたはゆっくりと眠りに落ちていった。

山の夜は深くて、静かだった。

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作者について

たかの岳

毎日1話投稿! AI連載作品をたくさん出したいなと思います!

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