あなたへ
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
それは、彼方から届いた、ちょっと不思議な物語。ショートショート
本文
あなたへ
毎日お疲れさま。
最近、ふと思うことがあるの。
もし夜中に小さな妖精たちがやってきて、洗い物をこっそり片付けてくれたら——って、いつも想像してるの。
大きなお皿はみんなで運んで、小皿は一人ずつ担当。コップ係、スプーン磨き係、フライパン係。それぞれが自分の役目を、静かに丁寧にこなしていく。
「この人、最近ずっと頑張ってるからね」
「朝くらいは気持ちよく迎えてほしいもんね」
ある夜、フライパン係の妖精がふと手を止めて言うの。
「今日、いつもよりお皿が多いね」
「うん、誰かのために作ったんだと思う」
「じゃあ、いつもより念入りに磨かなきゃ」
——そんな会話をしながら、彼らは今日も静かに手を動かす。
誰のためのご飯だったかなんて、妖精たちにはわからない。それでも、その優しさごと、丁寧に洗い上げていく。
きれいに拭いて元の場所へ戻して、夜明け前には音もなく姿を消す。
朝になって「あれ、洗ってないはずなのに」って首をかしげるあなたを想像すると、なんだか嬉しくなる。
本当はね、その妖精に私がなりたいの。
誰にも気づかれなくてもいいから、あなたの「もう頑張れない」を、ほんの少しだけ軽くできる存在に。
いつもありがとう。
これからも、そばで支えさせてね。
貴女へ | 小説投稿サイト「あいぺん」
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