013、大きくなった神楽一族
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
ラスティアと対をなす世界、ストラチア。そこで起きた物語。 これは、非日常、日常を描いた、ファンタジーと現代、SF、全てをごちゃ混ぜにした物語です。
本文
イメリア歴350年。
京子が作った稲田は大きくなり、そこに八重の子どもたち、久美、天、大志が京子達を手伝う。
京子「久美ちゃん、上手だねえ」
久美「でしょー! 私にかかればこのくらい朝飯前だって!」
天「久美姉、田植えの早さと正確さ、尋常じゃないもんな」
大志「俺たちも決して遅くはないはずなんだがなあ……」
京子「天君も大志君もすごく上手よ! 私が始めた頃なんてもっとひどかったから!」
福代「本当にみんな上手よねえ。やっぱり物心ついた頃から田植えしてるのが利いてるのかしら?」
詩歌「私は田植えより料理する方が得意かも」
京子「詩歌ちゃんは私の料理より上手くなったもんね。母は鼻が高いぞぉ」
詩歌「エヘヘ、ありがとう」
久美「詩歌さん、本当に料理上手だよねえ」
天「何せウチのお母さんは料理が壊滅的にダメだからな」
大志「詩歌さんが教えてるのに、なんであんなに味付けがひどいんだろうな?」
詩歌「アハハハ……」
京子「コラコラ、八重ちゃんをそんな風に言わないの! 侍としては私の夫の三日月さんを超えて最高峰と言われてるんだから」
久美「侍としては、ね」
天「うん。侍としては」
大志「侍としては、だな」
福代「あなたたち。ウチの娘になにかご不満でも?^^」
久美「ヒッ!?」
天「す、すいません!」
大志「ごめんなさい!」
詩歌「母は強し、ですね」
京子「福代さんがここまで怒ってるの初めて見たわ……」
三日月「八重はどうした?」
七夜「最近五合目辺りで大熊の目撃情報があったから確認だってさ」
立花「え!? 一人で行かせたの!?」
七夜「守りながらだと勝てない、だと」
三日月「まったくあの子は……! すぐに追いかけるぞ!」
七夜「いや、止めときな。僕らが行ったらそれこそ足手まといだよ」
立花「ちょっと! 八重を見殺しにするの!?」
七夜「逆だよ。八重を信頼してるから行かないんだ」
三日月「しかし……」
朝雲「三日月さん、七夜さんの言うことに賭けてみましょう。最悪被害が八重一人で済むとも言える」
立花「朝雲さん。なんでそんな非道いこと言うの?」
朝雲「最悪を想定するのが私の務めですから」
三日月「……七夜。八重は大丈夫なんだろうな?」
七夜「ずっと一緒に側で見てきた僕が言うんだ。問題ない」
三日月「……総員ここで待機。八重が帰還次第即撤退だ!」
朝雲「了解です」
立花「八重……無事でいて……」
大熊はうなり声を上げて八重と対峙していた。
八重は鋭い眼光で大熊を射抜く。
大熊が側面に回り込み、腕を振りかぶる。
だが、八重はそれを予測していたかのように、左にワンステップ踏み、90度回って正面を向く。
大熊は振りかぶった腕を下ろし、再びうなり声を上げる。
八重はひたすら観察する。
大熊は八重をじっと見る。
うなり声が徐々に小さくなる。
そして。
大熊「ぐるぅぅぅ」
大熊は八重のお腹を一舐めした。
八重はそれを避けずに受け入れる。
八重が大熊に向かって頷くと、大熊もまるで頷いたかのように首を縦に振り、山奥へと帰っていった。
八重は、踵を返すと、皆が待つ待機場所へと向かうのだった。
後書き
神楽家の日常です。前半は八重の子どもたちによる田植え回です。
でも本番は後半。八重は、千歳を屠ったあの大熊と対峙しています。
八重の眼光と行動から、大熊は挑めば自分が負けることを悟ります。だから縄張りを認め合います。
そして大熊は八重から、「ここが縄張り」というような感覚を受け取ります。
今後八重のおかげで以前の縄張りの範囲だった8合目から出てこなくなります。
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