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コンシェルジュ(四)漫画脚本

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/8/29 📚 シリーズ: JJ 漫画脚本 📝 2,824文字 ✅ 全年齢

あらすじ

漫画脚本は♡趣味です♡

本文

コンシェルジュ(四)漫画脚本

第4話 王国の宰相と、琥珀色の誘惑

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【1ページ】

1コマ目

夕暮れのグランド・マオ・ホテル。

大理石のフロアを、ゴブリンのスタッフたちが丁寧に磨いている。

ナレーション

「夕闇が魔王城を包み込む頃――」

2コマ目:スタッフたちが一糸乱れぬ動きで仕事をしている。

ナレーション

「かつての魔王城は、世界最高峰のホテルへと姿を変えていた。」

3コマ目:ホテルのカウンター。

佐藤純が今日の予定を確認している。

4コマ目:黒いスリーピーススーツ姿の魔王が、タブレットを持って現れる。

魔王

「佐藤、今日のVIPスケジュールを確認したが……」

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【2ページ】

1コマ目:魔王がタブレットを見ながら険しい顔。

魔王

「今夜、人間界の大国から宰相が来る」

2コマ目:純が静かに聞いている。

魔王

「それも、とびきりの頑固者だ」

3コマ目:魔王の脳裏に、怒鳴り散らす宰相の姿。

魔王

「我が城の歴史を呪い、人間界の恥だと叫んで回っている男だ」

4コマ目:純が微笑む。

純

「宰相閣下でございますね」

純

「承知いたしました」

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【3ページ】

1コマ目:ホテルのエントランス。

自動扉が大きく開く。

2コマ目:白髪を逆立てた宰相が、武装した騎士たちを従えて入ってくる。

宰相

「ここが魔王の巣窟か!」

3コマ目:宰相が杖を床に突く。

宰相

「不浄な地を汚した罪を贖わせてやる!」

4コマ目:ラウンジの勇者たちが振り返る。

勇者

「うわ……」

戦士

「また面倒なのが来たぞ」

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【4ページ】

1コマ目:宰相の前に、いつの間にか純が立っている。

純

「いらっしゃいませ」

2コマ目

純、完璧な角度で一礼。

純

「当館へようこそお越しくださいました」

3コマ目:宰相、怒った顔。

宰相

「歓迎など必要ない!」

4コマ目:純は動じない。

純

「長旅、誠にお疲れ様でございます」

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【5ページ】

1コマ目:純が宰相の顔をじっと見る。

純

「宰相閣下」

2コマ目:宰相が怪訝そうにする。

宰相

「なんだ」

3コマ目:純が静かに微笑む。

純

「さぞかし国家の重責に押しつぶされそうな日々を、お過ごしなのですね」

4コマ目:宰相、目を見開く。

宰相「……っ」

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【6ページ】

1コマ目:純がさらに一歩近づく。

純

「お顔の端に、深刻な『疲労の皺』が刻まれております」

2コマ目:

宰相の顔アップ。

純

「それは国民のために尽くしてこられた、勲章のようなものでございますね」

3コマ目:宰相、言葉を失う。

宰相

「…………」

4コマ目:張り詰めていた宰相の肩が、ほんの少し下がる。

ナレーション

「敵意に満ちていた男の肩から――」

ナレーション

「ほんの少しだけ、力が抜けた。」

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【7ページ】

1コマ目:宰相が顔を背ける。

宰相

「……ふん」

2コマ目:宰相。

宰相

「口先だけは達者だな」

3コマ目:純が銀色のトレイを取り出す。

4コマ目:トレイの上に、美しいグラス。

中には琥珀色の液体。

純

「では、こちらを」

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【8ページ】

1コマ目:琥珀色の酒のアップ。

純

「魔王城地下深層から湧き出る、五百年熟成の蜂蜜酒でございます」

2コマ目:宰相が疑い深くグラスを見る。

宰相

「……毒ではあるまいな?」

3コマ目:護衛騎士が前に出る。

騎士

「宰相閣下! まずは私が毒見を――」

4コマ目:宰相が手で制する。

宰相「よい」

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【9ページ】

1コマ目:宰相がグラスを手に取る。

2コマ目:香りを確かめる。

宰相

「……甘い香りだ」

3コマ目:一口飲む。

4コマ目:宰相の瞳が大きく開く。

宰相

「……これは……」

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【10ページ】

1コマ目:宰相の顔がわずかに上気する。

宰相「甘美な……」

2コマ目:もう一度グラスを見る。

宰相

「だが……力が満ちる……」

3コマ目:純が静かに微笑む。

純

「お気に召していただけましたでしょうか」

4コマ目:宰相、強がる。

宰相

「べ、別に……悪くはない」

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【11ページ】

1コマ目:純がさらに案内する。

純

「今夜は特別大浴場も貸し切りでご用意しております」

2コマ目:宰相の耳がピクリと動く。

純

「魔王城特製、溶岩ホットストーンスパもございます」

3コマ目:宰相の脳裏。

「湯」「温泉」

「マッサージ」が浮かぶ。

4コマ目:純が穏やかに言う。

純

「今夜だけは、国家のことも、魔王のこともお忘れくださいませ」

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【12ページ】

1コマ目:純の横顔。

純

「ただ一人の――」

2コマ目:宰相を見る。

純

「『癒やしを求める旅人』として、お休みになる権利がございます」

3コマ目:宰相の目が揺れる。

4コマ目:宰相の足が、自然とソファへ向かう。

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【13ページ】

1コマ目:護衛騎士たちが驚く。

騎士

「閣下……?」

2コマ目:

宰相がソファに腰を下ろす。

宰相

「……風呂、か」

3コマ目:

宰相が遠い目をする。

宰相

「ここ数年、ゆっくりと湯に浸かった記憶すらない……」

4コマ目:純が一礼。

純

「かしこまりました」

純

「すぐにご用意いたします」

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【14ページ】

1コマ目:純がインカムに手を当てる。

純

「こちらVIP、宰相閣下」

2コマ目:

ホテルスタッフが一斉に動き始める。

純

「極上の安眠ハーブティーと、特製ローブをご用意」

3コマ目:

浴場スタッフが温度計を確認する。

純(インカム)

「浴室の温度は、もっとも心地よい黄金の四十二度に」

4コマ目:

魔王がその様子を眺めている。

魔王

「……見事なものだ」

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【15ページ】

1コマ目:魔王が純の肩を叩く。

魔王

「宰相が、あんなに大人しくなるとはな」

2コマ目:魔王が苦笑。

魔王

「お前という男は、本当に魔法使いより恐ろしいな」

3コマ目:純が微笑む。

純

「いいえ、魔王様」

4コマ目:純の目元アップ。

純

「魔法よりも強力なのは――」

純

「相手の『隙間』を埋める、おもてなしの心でございます」

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【16ページ】

1コマ目:大浴場。 宰相がゆったりと湯に浸かっている。

宰相

「…………」

2コマ目:宰相の目から、一筋の涙。

ナレーション

「その夜――」

3コマ目:湯気の向こうで、宰相が静かに目を閉じる。

ナレーション

「人間界の最高宰相は、何年ぶりかの安らぎに涙を流したという。」

4コマ目:翌朝。 宰相が手紙を書いている。

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【17ページ】

1コマ目:

手紙の文字。

宰相 「来月の予算会議の会場を――」

2コマ目:宰相、真剣な表情。

宰相 「ここ、グランド・マオ・ホテルにする」

3コマ目:騎士たちが呆然。

騎士 「閣下……!」

4コマ目:宰相が満足そうに頷く。

宰相 「国家の重要会議にこそ、最高の環境が必要なのだ」

---

【18ページ】

1コマ目:朝のグランド・マオ・ホテル。

純がカウンターで優雅にグラスを磨いている。

ナレーション 「魔王城が差し押さえられることは――」

2コマ目:

ホテルの入口。 宰相が振り返りながら去っていく。

ナレーション 「――なかった」

3コマ目:純の完璧な笑顔。

純 「またのお越しを、心よりお待ちしております」

ナレーション 「むしろ――」

4コマ目: ホテルの宿泊台帳に、新たな名前が加わる。

ナレーション 「グランド・マオ・ホテルに、もう帰れない客が一人、また増えた。」

完

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JJ

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