異世界ガチャは一日一回(二)漫画脚本
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
漫画脚本は♡趣味です♡ 結構、大変なんですけど......
本文
「異世界ガチャは一日一回」漫画脚本
第2話 森の涙編 演歌ラッパと、猪男の身の上話
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【1ページ】
1コマ目・純の自室。夜。
デスクの上に置かれたフライパン(相棒)と、小さな寄せ鉢植え。
ナレーション
あの砂漠の一件から、三日が経っていた。
2コマ目・純がベッドに寝転がっている。
純
「今日も日付変わるまで起きとくか」
3コマ目・壁掛け時計。
針が23時58分を指している。
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【2ページ】
1コマ目・時計のアップ。
23:59。
2コマ目・純が身を起こす。
純
「そろそろ……」
3コマ目・机の端。
何もなかったはずの場所に、コトリ、と小さな音。
4コマ目・純が振り返る。
純
「うわっ」
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【3ページ】
1コマ目・机の上。
いつの間にか転がっている、今日のカプセル。
ナレーション
日付が変わると同時に、勝手にカプセルが現れる。
2コマ目・フライパンの声。
『来たな、今日のぶんが』
3コマ目・純がカプセルを手に取る。
純
「毎回不意打ちすぎるだろ、これ」
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【4ページ】
1コマ目・純が蓋に手をかける。
純
「今日はどんな目に遭うんだか……」
2コマ目・蓋が開く。
パカッ。
3コマ目・中から溢れる光。
いつもと違う、緑がかった淡い輝き。
4コマ目・純の顔に光が反射する。
純
「え、光り方いつもと違う……?」
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【5ページ】
1コマ目・純の部屋が緑の光に包まれる。
2コマ目・床が沼のように波打ち始める。
グニャ……。
3コマ目・純が足元を見て驚愕。
純
「な、床が!?」
4コマ目・純の足が床にズブズブと沈んでいく。
純
「ちょ、待っ――」
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【6ページ】
1コマ目・見開き大ゴマ。
純の全身が、まるで沼に沈むように床の中へ引きずり込まれていく。
ナレーション
今日の「入り口」は――足元だった。
2コマ目・純の叫び。
純
「うわあああああ!」
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【7ページ】
1コマ目・深い森の中。見開き。
鬱蒼と茂る木々。冷たい霧が立ち込めている。
ナレーション
気づけば、純は薄暗い森の中に立っていた。
2コマ目・純が周囲を見渡す。
純
「今度は森かよ……」
3コマ目・純の手元。
しっかりと今日のカプセルを握っている。
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【8ページ】
1コマ目・純がカプセルを見る。
純
「今日はどんな外れが待ってるんだ」
2コマ目・遠くから聞こえる地響き。
ドスン、ドスン……。
3コマ目・純の顔が強張る。
純
「またこのパターンかよ!」
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【9ページ】
1コマ目・木々をなぎ倒しながら現れる巨大な猪男。
筋骨隆々の体に、猪の頭。牙が二本、大きく伸びている。
ナレーション
猪男――森の主として恐れられる魔物。
2コマ目・猪男の咆哮。
猪男
「グオオオオ!」
3コマ目・純が後ずさる。
純
「ひぃっ!」
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【10ページ】
1コマ目・純が慌ててカプセルを開ける。
パカッ。
2コマ目・転がり出たもの。
古びた金色のラッパ。
純
「……ラッパ?」
3コマ目・純が困惑する。
純
「これで戦えって言うのか!?」
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【11ページ】
1コマ目・猪男が突進の構えを取る。
猪男
「グルルル……」
2コマ目・純が追い詰められる。
背中が大木にぶつかる。
純
「くそ、もう……」
3コマ目・純が覚悟を決めてラッパを構える。
純
「ええい、やけくそだ!」
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【12ページ】
1コマ目・純が思い切り息を吹き込む。
プァ〜……
2コマ目・響き渡る音。
なんとも哀愁漂う、演歌調のメロディ。
純「……は?」
3コマ目・猪男の動きがピタリと止まる。
猪男「……」
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【13ページ】
1コマ目・猪男の目にじわりと涙が滲む。
2コマ目・猪男がポケット(のような部分)からハンカチを取り出す。
猪男
「……この曲、なぜ知っている」
3コマ目・純が唖然とする。
純
「え、いや、知らないですけど……」
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【14ページ】
1コマ目・猪男がその場に座り込む。
猪男
「聞いてくれ、人間の子よ」
2コマ目・純が困惑しつつも身構えを解く。
純
「は、はあ……」
3コマ目・猪男が語り始める。
猪男
「儂は昔、群れの長であった」
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【15ページ】
1コマ目・回想・猪男の若い頃。
多くの仲間に囲まれ、堂々と森を統べる猪の姿。
猪男(回想)
「だが、人間との争いで群れを失った」
2コマ目・回想・炎に包まれる森。
猪男(回想)
「儂だけが、生き残ってしまったんだ」
3コマ目・現在の猪男。
うなだれている。
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【16ページ】
1コマ目・純が猪男の隣にしゃがみ込む。
純
「……それは、辛かったですね」
2コマ目・猪男が純を見る。
猪男
「お前、儂を恐れぬのか」
3コマ目・純が苦笑い。
純
「もう驚くの疲れてきたんで、正直」
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【17ページ】
1コマ目・フライパンの声(純のポケットから)
『まあ聞いてやれ。それも今日の「仕事」かもしれねえぞ』
2コマ目・純が驚く。
純
「お前、こっちにも来てたのか!」
3コマ目・猪男が少し笑う。
猪男
「面白い道具を連れておるな」
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【18ページ】
1コマ目・猪男が立ち上がる。
猪男
「儂の話を、これほど静かに聞いてくれた者は初めてだ」
2コマ目・純を見下ろす猪男。
猪男
「礼をしよう」
3コマ目・純が身構える。
純「れ、礼?」
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【19ページ】
1コマ目・猪男が森の奥を指し示す。
猪男
「この森の奥に、迷った者を導く泉がある」
2コマ目・猪男。
猪男
「そこへ行けば、儂の縄張りを無事に抜けられよう」
3コマ目・純が頭を下げる。
純
「あ、ありがとうございます……」
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【20ページ】
1コマ目・純が森の奥へ歩き出す。
ラッパを大事そうに抱えている。
純
「まさかラッパで戦いが終わるとはな……」
2コマ目・純の足元が再び沈み始める。
ブオン……。 音とともに
3コマ目
純の目の前の景色がかすんで行く。
純「あ、帰る時間か」
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【21ページ】
1コマ目・純の部屋。
光と共に純が元の場所に戻ってくる。
純
「はぁ……今日も無事、生きて帰れた」
2コマ目・机の上のラッパ。
純
「これも、記念に取っておくか」
3コマ目・純がラッパを棚にしまう。
隣には、あのフライパン。
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【22ページ】
1コマ目・純がベッドに横たわる。
純
「明日は、一体何が転がり出るんだか」
2コマ目・純の目が閉じる。
ナレーション
戦いよりも、時には――
心の傷を聞いてやることの方が、大切なのかもしれない。
3コマ目・窓の外、静かな夜。
4コマ目・黒背景。
ナレーション
一日一回のガチャは、今日もまた――
思いがけない「縁」を運んでくる。
完
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