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【 31番外】モーニング

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/9/5 📚 シリーズ: 時環遊技場 📝 1,805文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

ChatGPTと一緒に制作した、「時環遊技場」短編集です。 舞台は、未来都市・郊外第9区。昭和の手打ちパチンコから平成中期のCR機までが残る古い遊技場に、人間、ロボット、アンドロイドが集まる。そしてそこでは時々、不思議なことが起こる。ちょっと懐かしくて、少し不思議なパチンコ店の物語。

本文

開店前の時環遊技場。まだ店内に客の姿はない。

160番台――三つ巴の前で、従業員アンドロイドが盤面を確認していた。

「160番台、モーニングを仕込みます」

その声に、店主が台を覗き込む。

「今日は権利終了直後の状態で」

三つ巴は、三つのデジタルを使った一回権利の台だ。

大当りすると上部の電動チューリップが開き、玉が役物へ流れ込む。そこでVゾーンに入れば権利が発生する。

そして、この台には昔ながらのモーニングがある。

権利終了直後の状態を仕込んでおけば、朝一の最初の一回転で、次回の確変に入るかどうかを判別できる。

従業員アンドロイドが玉を二つ取り出した。

「Vゾーンへ二個」

「それで権利終了直後の状態になる」

店主が見守る中、玉がVゾーンへ収まる。

三つ巴のデジタルには、七・六・七が表示されている。

「表示は?」

「七六七のままです」

「そこが面白いところだね」

店主が笑った。

「見た目だけじゃ、モーニングかどうか分からない」

従業員アンドロイドが頷く。

「朝一の一回転を確認します。中図柄が奇数なら次回確変。偶数なら通常」

「そういうこと」

仕込みを終えた二人は、次の台へ向かった。

163番台――ハイウェイ。

こちらも権利モノだが、三つ巴とは仕組みが違う。ハイウェイは、二つのデジタルを使う変則三回権利物だ。

33と77が大当り。37と73は小当り。そして、どちらが当たっても、その後は天国モードへ移行する。

「こっちは仕込み方が違う」

店主が台を見ながら説明する。

「電源投入時に、スタートセンサーが玉を検知している状態にします」

「すると最初の回転が?」

「73です」

「小当りから天国」

「はい」

二つのデジタルを眺めながら、店主が頷く。

「こっちは見た目で分かるんだったね」

「左右のデジタルが、通常とは違うタイミングで回ります。それが朝一の目印になります」

準備を終えた従業員アンドロイドが立ち上がった。

「160番台、163番台。仕込み完了」

「よし」

店主は二台を見比べた。

そして、開店時間。

自動ドアが開き、待ち構えていた常連たちが一斉に店内へ流れ込んできた。

「三つ巴!」

「160番!」

「ハイウェイも見ろ!」

160番台の前に客が集まる。

液晶には――七・六・七。

「七六七!」

誰かが笑う。

「だから、それじゃ分からねえんだって!」

朝一の一回転を確かめるため、客たちは台から台へ移動していく。

「偶数!」

「次!」

そんな声が飛び交う中、163番台を覗き込んだ男が突然、身を乗り出した。

「……あっ!」

二つのデジタルを見比べる。

「ズレてる!」

近くにいた客も画面を覗き込んだ。

「ほんとだ!」

男が慌てて玉を打ち出す。二つのデジタルが回転する。そして――

「七、三!」

小当り。

「来た!」

小当りを終えたハイウェイは、天国モードへ入る。男がハンドルを握り直した。

「ここからだ」

再びデジタルが回り始める。

「来た!」

今度は七、七。

「大当り!」

「早っ!」

「天国、強え!」

男が笑った。

「今日はハイウェイだ!」

その一方、160番台。

デジタルが止まった瞬間、男が画面を指差した。

「……奇数!」

一拍置いて、

「よっしゃああああ!」

周囲からも歓声が上がる。

「三つ巴、あったぞ!」

「マジか!」

「俺も探す!」

上部の電動チューリップが開いた。玉が役物へ流れ込み、ピンボールのように跳ね回る。

「入れ!」

玉がVゾーンへ吸い込まれた。

「よっしゃ!」

男はハンドルを右へ回した。玉が右側の役物へ流れ、回転体を経由してチャッカーへ入る。

アタッカーが開いた。

「来た来た!」

玉が次々とアタッカーへ吸い込まれていく。十六ラウンド。権利終了。

男が息を吐いた。

そして、再びデジタルがくるくる回り、奇数で止まった。

「……奇数」

一瞬の間。

「よっしゃあああ!」

また歓声が上がった。

その隣では、「俺、偶数だったー!」と、別の客が頭を抱えている。

「じゃあ次!」

その声に、別の客が笑う。

「まだ探すのかよ!」

「朝一だぞ!」

「当然だろ!」

また一人、別の台へ走っていった。

店主はカウンターの奥から、その騒ぎを眺めていた。三つ巴は、表示だけではモーニングを見抜けない。だから、客は朝一の一回転を打つ。

ハイウェイは、左右のデジタルのズレが目印になる。同じモーニングでも、台によって探し方が違う。

開店して、まだ数分。

時環遊技場は、すでに普段の静けさを失っていた。三つ巴の役物で玉が跳ねる。

ハイウェイのデジタルが回る。そして、また誰かが叫んだ。

「よっしゃー!」

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作者について

蘇轍

ぱちんこは、「遊ぶための機械」でありながら、「機械そのものを眺めるための機械」でもある。

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