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小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/9/12 📚 シリーズ: 鬼の里の白妙雛 📝 1,029文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

私は、鬼の里へすてられた…。

本文

厳牙の手の温もりを感じながら、私の意識は、ずっと心の奥底に沈めていた古い記憶の底へと潜っていった。

  ――「○○。」そういえば、あたたかい声でそう呼ばれていた気がする。

私がまだ、ほんの小さかった頃。 あの冷たい村にも、私をちゃんと愛して、大事に育ててくれたお父とお母がいたはずだった。

二人の大きな笑顔と、私を抱き上げてくれる優しい腕の感触が、確かにある。 けれど、ある日を境にすべてが変わってしまった。 幼かった私には、何が起きたのか今でも分からない。

ただ、村の大人たちがひそひそと不気味に口をつぐみ、私を憐れむような、あるいは忌むべきものを見るような目で遠巻きに眺めていた。 『お父、お母、まだかなぁ』 家の縁側に座って、二人の帰りをずっと待っていた。

太陽が沈んで、あたりが真っ暗になっても、次の日の朝が来ても、二人は帰ってこなかった。村の誰も、幼い私に手を差し伸べてはくれなかった。

家の中にただ一人、何日も放置された。 お腹が空いて、寂しくて、泣き疲れて――それでも生きたくて、台所に残されていた生の野菜をかじり、冷えた米を少しずつ口に運んで、私は濁った泥水をすするようにして生き延びた。 死ななかったから、私は村の人たちに『気味の悪い、災いを呼ぶ生き残り』にされてしまったのだ。

きっと、死を…望まれていたのだ…。

 「……ヒナ?」 ハッと我に返ると、目の前で厳牙が、私の顔をじっと覗き込んでいた。

過去の記憶に囚われて、私が繋いだ手を震わせていたのだろう。 厳牙は何も言わず、ただ私の小さな手を、包み込むようにギュッと強く握り締めてくれた。 その力強さは、あの誰もいなかった暗い家とは違う、確かな『生』の熱だった。

  「人間の村ではね、私の名前を誰も呼んでくれなかったの。いつも『災いの子』とか『生贄』って言われて……。私のこの、雪みたいに真っ白な髪も、血みたいに赤い目も、みんな気味悪がって檻に閉じ込めるから」 私が一気に素直な気持ちを打ち明けると、厳牙はワタワタと動かしていた手をピタッと止めた。

大きな身体を硬直させて、言葉を失ったように私を見つめている。 何を言えばいいのか分からないのかもしれない。 そう思った次の瞬間、厳牙は繋いでいない方の大きな手で、私の白い頭をガシガシと、だけど髪がくちゃくちゃになるくらい不器用に撫で回した。

  「人間の村の奴らは、どいつもこいつも節穴かよ」 厳牙は私の手を引いて再び歩き出しながら、忌々しそうに吐き捨てた。

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作者について

みまち

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紅茶、珈琲、レモンが好き。【私がニヤニヤする物を置いております】

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