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[1]いつもの台と、いつもの時間

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/9/14 📚 シリーズ: 時環遊技場 📝 1,013文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

ChatGPTと一緒に制作した、「時環遊技場」短編集です。 舞台は、未来都市・郊外第9区。昭和の手打ちパチンコから平成中期のCR機までが残る古い遊技場に、人間、ロボット、アンドロイドが集まる。そしてそこでは時々、不思議なことが起こる。ちょっと懐かしくて、少し不思議なパチンコ店の物語。

本文

店主は、店の角にある古い台のガラスを、そっと指先で撫でた。

長い間、たくさんの玉を受け止めてきたガラス。

その向こうには、今では少し色褪せた役物と釘が並んでいる。指を離そうとした、そのときだった。

どこからともなく、雨の音が聞こえた。

♢♢♢♢♢

その店には、毎朝一番に来るお客さんがいた。名前は、田中さん。特別に勝つ人ではない。むしろ、勝った日より負けた日の方が多かった。

それでも、田中さんには決まった習慣があった。開店すると、必ず同じ台へ向かう。店の角にある古い台で、最新台ではない。派手な音もしない。でも、田中さんにとっては特別な一台だった。

店員がいつも言う。

「田中さん、本当にその台好きですね」

田中さんは笑った。

「この台はな、俺が座る前から毎日頑張ってるんだよ」

ある日、新人の店員が不思議そうに聞いた。

「台が頑張るんですか?」

田中さんは頷いた。

「そうだよ。朝から夜まで、何人もの人を楽しませてる。勝った人も、負けた人も。最後まで相手してくれるだろ?」

新人は少し笑った。

「台に話しかける人、初めて見ました」

田中さんも笑う。

「じゃあ、君もそのうち分かるよ」

ある雨の日。田中さんがいつもの席に座ると、隣には若い男性が座った。その男性は初めて来た客らしく、少し緊張しているようだった。

田中さんが声をかける。

「初めてかい?」

男性は驚いたように答えた。

「はい」

「じゃあ、焦らないことだ。パチンコは玉がどこへ行くかを見る遊びだからな」

男性は笑った。

「そんな楽しみ方もあるんですね」

二人で盤面を見る。玉が流れる。

突然、田中さんの台が大当たりした。店内に音が響く。田中さんは喜んだが、すぐに隣を見た。

「今の見たか?」

男性は笑った。

「はい!」

田中さんは満足そうに頷いた。

「これが面白いんだよ」

しばらくして、田中さんが席を立った。

「もう帰るんですか?」

男性がそう聞くと、田中さんは笑った。

「今日は十分楽しんだからな。また明日来るよ」

翌日の開店時間。

店員が店内を見ると、田中さんはいつもの席に座っていた。そして、その隣には昨日の若い男性がいた。

二人で盤面を見ている。

パチン、パチン。

「今日は出るかな」

「どうでしょうね」

そんな会話をしながら、二人は笑っている。

店員は思った。

パチンコ屋にあるものは、台だけじゃない。玉でもない。人から人へ渡っていく、小さな楽しみ方も残っていくんだ。

今日も店内には玉を打つ音が響く。いつもの席には、いつもの時間が流れている。

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作者について

蘇轍

ぱちんこは、「遊ぶための機械」でありながら、「機械そのものを眺めるための機械」でもある。

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