❲ 狐の義兄 2 ❳
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
好きを詰め込みました。ただ、自分の好きを置いた作品集です。
本文
「またやってるよ、この人……」 しかし、その冷ややかな視線に晒された瞬間、お兄ちゃんは傷つくどころか、待ってましたとばかりに耳をピンと立たせ、黄金色の瞳をますます輝かせたのだ。
「あはは! その『またかよ』って言いたげな冷たい目! たまらないなぁ。 そんな風に真っ直ぐ見つめられるだけで、お兄ちゃん胸がバクバクしちゃう。 ねえ、もしかして照れてるの? 照れ隠しでそんなにクールぶってるんだとしたら、可愛すぎて今すぐ抱きしめ潰しちゃいそうなんだけど」
私の沈黙と拒絶をすべてポジティブに変換しながら、彼はふさふさの尾を嬉しそうにパタパタと揺らしている。
風圧がすごい。 「ねえ、そんなに睨んでないで、もっと俺に甘えてよ? 君が『お兄ちゃん、お腹すいた』って言ってくれるだけで、俺は世界一のフルコースだって作ってみせるし、『お兄ちゃん、邪魔』って言われたら……それはちょっと泣いちゃうけど、でもそんな君も愛おしいから結局くっついちゃう。 ほら、見て? 俺の耳、君が構ってくれないから寂しくて垂れちゃった。……撫でて、慰めてくれる?」
確信犯的なあざとさで、頭の上の狐耳をぺこりと寝かせ、彼はさらに顔を近付けて覗き込んできた。
作品統計
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