❲ 狐の義兄 6 ❳
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
好きを詰め込みました。ただ、自分の好きを置いた作品集です。
本文
このポジティブの化け物には、これ以上何を言っても無駄だ。私はお兄ちゃんの胸元を力一杯押し返し、ふさふさの毛並みから強引に顔を出すと、2階の部屋のドアに向かって思いきり大声を張り上げた。
(これ以上はムリ!!!)
「――涼子さあああーーん!! お兄ちゃんが邪魔ー!!」 お兄ちゃんの実の母親を名前で叫んだ私は、階段を駆け下り、1階のキッチンへと一瞬で届いた。
「あらあら、大変! 待っててねー!!私の可愛い宝物ーーっ!」 ドン、と1階から爆発するような足音が響く。
次の瞬間、凄まじい速度で階段を駆け上がってくる気配がして、部屋のドアが勢いよく弾け飛ぶように開いた。
「わが息子ながら、なんて事しているの!?私の宝物でも年若い娘なんですからね! めっ! 可愛い可愛い愛娘をそんなに毛むくじゃらにして!一体どこの不届き狐かしら?」
現れたのは、エプロン姿の美しいお母さん、涼子さんだ。 彼女の背後からは、お兄ちゃんのそれよりも遥かに巨大で、神々しいまでの白銀に輝く九つの尾が、怒りで逆立ちながら威圧感たっぷりに揺らめいている。
「げっ、母さん……っ!?」 お兄ちゃんがガタガタと震え、慌てて私を包んでいた尾を引っ込めた。
作品統計
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