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6話 帰れない騎士 前編

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/9/18 📚 シリーズ: 迷宮潜りの蘇生屋さん〜僕らの命はパンより安い〜 📝 2,930文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

死んだ冒険者を蘇らせる事を仕事にする蘇生屋トルクは、今日も死体を探しにダンジョンへと潜る。人助け?いいや、ただの飯の種だよ。モンスター退治や宝探しみたいな夢もロマンもありゃしない。そんな冒険者の物語。

本文

幼女の幽霊に憑りつかれ、独身子連れだの幼女趣味ロリコンだのと同業者に揶揄されるのにも慣れた頃。

「おじさん、あっちから三体モンスターが近づいてくる。速いよ」

迷宮の8階層、カビと血の匂いに塗れた中で肩に捕まる様に浮くイコが暗闇の向こうを指さす。

彼女の探知能力はモンスターの接近を事前に察知したり、群れを避けたりと、トルクの助けとなっていた。

トルクの耳にも荒い呼吸や四つ足が床を叩く音が聞こえてくる。

(狂犬(マッドハウンド)か)

一体だけならさほど強くはない犬型のモンスター。

だが奴らの厄介な所は必ず複数で現れる事だ。

「……他のモンスターの気配は?」

「んー、無いよ」

のんびりとしたイコの報告にとりあえず挟撃の心配はないことに安堵しつつも腰のスティレットの柄を握りしめる。

(逃げるのは無理だな……腹を括るか)

腰を据えて迎撃の構えを取ると暗闇から涎を垂らしながら動物らしい毛皮を持たない、粘膜の様な皮膚を纏ったモンスター達が走り寄ってくる姿が見える。

スティレットを抜いて構えた時――

「あ、なんかすごい速さでもう一つこっちに近づいて来るよ」

「何!?」イコの気の抜けた様な言葉にトルクに緊張が走る。

(くそったれ!ここに来て新手か!)スティレットを握る手に力がこもった。

だが、「うおおおおおおおおおおおお!!!!」

迷宮の奥から響くガシャガシャという金属音と共に雄叫びが狂犬(マッドハウンド)の奥から響いて来る。

突然の乱入に狂犬すらも立ち止まる中、奥から現れたのは全身をフルプレートアーマーで包み逆三角形のカイトシールドを持ち、ロングソードを持った、いかにも騎士といった格好をした男が迫って来ていた。

「ぬぅん!!!」 ズバッ!

騎士はロングソードを振り落とし、狂犬の一匹の頭を容易く両断する。

トルクは仲間がやられた事に動揺した狂犬の隙を見逃さず、一匹の狂犬の眉間をスティレットで貫いた。

あっという間に数の有利は消え、狂犬一匹が逆に挟まれる形となる。

「はああああ!!!」騎士の叫びと共に繰り出される一撃が、狂犬の胴体を切り裂き鮮血が迷宮の壁や床に飛び散る。

ものの一分も経たない内に戦闘は終わった。

「助かった、礼を言う」スティレットの血を拭き取り鞘に納めながら言うトルクに、騎士の男は剣を掲げて言う。

「なんの!このホルテ・フォン・ディシャモン、騎士として当然の責務を果たしたまでのこと!礼には及ばぬ!!」

無駄に大きな声に耳を塞ぎたくなるのをトルクは黙って耐える。

「む!貴殿は蘇生屋の、確かトルク殿であったか!!いい所で会った!!

実は今私はここで人を探している所でな!」

「……誰を?」

トルクが先を促す。ただ、その響きはどこか投げやり気味だった。

「ユーベルト坊ちゃんだ。15歳程の、金髪の青年なのだがな……

不覚にも私が目を離した隙にはぐれてしまったのだ!

このホルテ、坊ちゃんの護衛でありながら一生の不覚だ!

早く見つけなければ大変なことになる!!トルク殿、坊ちゃんを見なかったか!?」

「いや、見てないな」

トルクがそう答えると、ホルテはガックリと肩を落とす。

「む、そうか……ううむ、この階層付近にいるのは間違いないのだが…

もし坊ちゃんを見つけたのならば坊ちゃんを保護して欲しい!!

このホルテ・フォン・ディシャモンの名にかけて相応の礼はすると約束する!」

「わかった、そうする」

「うむ、では済まぬが先を急ぐでな!!縁があればまた会おう!!」

そう言ってホルテは足早に来た時と同じくガシャガシャとやかましい音を立てながら迷宮の奥へと消えていった。

その後ろ姿をトルクは暫く黙ってみていたが、やがて狂犬の死体の傍に膝をつき、皮剥ぎ用のナイフを取り出した。

狂犬の肉は筋が硬く食用には適さないが、代わりに剥いだ革はそれなりの値段で売れる。これも貴重な収入の一部だ。

「イコ、モンスターが来ないか見張ってろ」

「ジュース」

「……へいへい」

トルクはポーチから聖水入りのガラス瓶を取り出すと、イコに投げてよこす。

イコが伸ばした髪の毛でそれを受け取ると嬉しそうにコルク栓を取り出してそれを飲み始めた。こうやって事ある毎に聖水をくれないとイコは拗ねて仕事をしてくれないので、収入を増やす必要があるのだ。

イコは聖水を飲みながら、ホルテが去った迷宮の奥を見つめる。

「ねぇ、おじさん。さっきの騎士の人、なんか変だったよ」

イコのモンスターの気配を読み取る目には、ホルテの魂の澱みが見えていた。

「……知ってる。あいつは、ずっと前からあんな感じだ」

しかしトルクはそれに動じた様子もなく狂犬の革剥ぎを黙々とやるだけだった。

◇◇◇

ホルテと再会したのはそれから数日後。

同じ8階層。

壁に寄りかかる形で倒れたホルテの死体があった。

頭を見れば血の跡があり近くには拳程の大きさの石が転がっている。

「投石の罠を踏んじまったクチか」

トルクが慣れた手つきでポーチから蘇生薬を取り出すとホルテの頭にかけていく。

「『いお いお あむらと 命よ戻れ』」

程なくして傷は塞がりホルテが意識を取り戻すと、ばね仕掛けの様に飛び起きる。

「ハッ!坊ちゃん!?」

「よう、ご愁傷様」

ホルテが首を大きく動かし周りを見渡す中、トルクは驚く様子もなく声を掛ける。

「む!貴殿は蘇生屋の、確かトルク殿であったか!!いい所で会った!!

実は今私はここで人を探している所でな!」

「……誰を?」

トルクが静かに先を促す。傍に浮かぶイコが二人と見比べて首を傾げる。

「ユーベルト坊ちゃんだ。15歳程の、金髪の青年なのだがな……

不覚にも私が目を離した隙にはぐれてしまったのだ!

このホルテ、坊ちゃんの護衛でありながら一生の不覚だ!

早く見つけなければ大変なことになる!!トルク殿、坊ちゃんを見なかったか!?」

「いや、見ていない」

数日前と全く同じやり取り。だがトルクはそれを気にした様子もなく淡々と答える。

「そうか……おっと私としたことが! まずは蘇生の礼をせねばならんな!!

生憎手持ちがない故、今回はこれで勘弁して頂きたい!!」

そういってホルテが取り出したのは、恐らくモンスターの切り落とした肉の部位。

切り落とした断面からは血が滴っている。

「……遠慮しとく。金はまた機会がある時でいい」

「そうか、すまぬな! 坊ちゃんが見つかった時には

このホルテ・フォン・ディシャモンの名にかけて相応の礼はすると約束する!」

グウゥゥゥ

その時、何やら緊張感のない腹の音が迷宮内に響いた。

「いかん! 私とした事が食事をとる事を怠っていたとは!

 道理で頭が働かぬわけだ!!」

ホルテの豪快な笑いが響く中、トルクはそれを黙って見つめる。

「……近くにセーフルームがある。ついでだ。そこで飯でも食おう」

「おお、それは重畳! 腹が減っては坊ちゃんの捜索もままならぬ!

 ご同伴にあずかろう!」

トルクが歩き出すとホルテもそれに続き金属音を響かせながらついていく。

イコは浮かびながらトルクの横顔を覗き込むが、その顔には静けさしかなかった。

「おじさん」

イコが言葉を続ける前に、トルクがスッと唇の前に人差し指を立てる。

『何も言うな』

トルクの意図を察したイコは無言のまま静かに並んで宙を泳ぐ。

暗闇の中を進む男の側顔へ、暗い影が静かに落ちていた。

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思いつく限りの物を好き勝手にAIに書かせてます。主にファンタジー物がすき

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