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【47番外】ホログラムの店主

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/9/20 📚 シリーズ: 時環遊技場 📝 2,085文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

ChatGPTと一緒に制作した、「時環遊技場」短編集です。 舞台は、未来都市・郊外第9区。昭和の手打ちパチンコから平成中期のCR機までが残る古い遊技場に、人間、ロボット、アンドロイドが集まる。そしてそこでは時々、不思議なことが起こる。ちょっと懐かしくて、少し不思議なパチンコ店の物語。

本文

午後の時環遊技場。

いつものように、パチンコ玉の音と店内放送が響いている。

店主はカウンターで、常連客と話をしていた。

「そういえば店主さん、この前の台ですけど――」

「ああ、あれですね。もう大丈夫ですよ」

そのときだった。

店主のすぐ後ろを、一人の男性が通り過ぎた。

「……ん?」

常連が振り返る。

店主も振り返った。

そこにいたのは、店主だった。

いや。

もう一人の店主だった。

見た目は今より若い。髪も少し黒く、顔つきにも若さが残っている。しかし、服装は店主が昔着ていたようなものだった。

若い店主は何事もなかったように店内を歩いている。

「……店主さん?」

常連が、目の前の店主を見る。

「はい?」

「あの……」

もう一度、奥を見る。若い店主がいる。

「店主さんが……二人います」

現在の店主も、そちらを見た。

「……あら」

さすがに一瞬、目を丸くする。

若い店主もこちらに気づいた。

二人の視線が合う。しばらく見つめ合ったあと、若い店主がにこりと笑った。

現在の店主も、つられるように笑う。

「……私ですねぇ」

「いや、そこじゃないでしょう!」

常連のツッコミが飛んだ。

店主は若い自分をじっと眺める。

そして――

「……私が、増えました!」

目がキラキラと輝いた。

「そこ喜ぶんですか!?」

「ええ。これは便利ですねぇ」

店主は嬉しそうに若い自分へ近づいていく。ホログラムのはずなのに、肩をぽん、と叩いた時に感触があった。

「……触れますね」

「ホログラムですよね?」

常連が驚く。

「そうみたいですねぇ」

店主はますます嬉しそうだ。

そこへ従業員アンドロイドがやってきた。

「店主、どうしましたか?」

「見てください。私がもう一人います」

「……確認しました」

従業員アンドロイドは若い店主を見る。

「ホログラム店主、こんにちは」

「こんにちは」

若い店主が普通に返事をした。

常連が固まった。

「普通に会話した!」

「では、ホログラム店主。こちらをお願いします」

従業員アンドロイドが、近くの台を指差す。

「分かりました」

若い店主はすぐに歩いていった。

「ちょっと待って!」

常連が追いかける。

若い店主は羽根モノの台の前で立ち止まり、盤面をじっと見ている。

「……ここですね」

玉の動きを確認し、釘の微妙なズレを見つける。

「店主さん、これって……」

現在の店主が横から覗き込む。

「ええ。少しだけ調整したほうがよさそうですね」

若い店主は手際よく調整を始めた。

「うわ……」

常連が呟く。

現在の店主は、嬉しそうにそれを眺めている。

「いやぁ、懐かしいですねぇ!」

「懐かしいって、自分ですよね?」

「そうですねぇ」

ほどなくして、別の台の呼び出しランプが押された。連動して、島の端のランプがキラキラと光る。

「店主さん!」

常連が呼ぶ。

現在の店主とホログラム店主が、同時に振り向いた。

『はい』

声までそっくりだった。

「……二人とも店主だ」

常連たちが笑う。

その台では、玉の流れがおかしくなっていた。

若い店主が先に駆けつける。

「少し見てみましょう」

台を開け、内部を確認する。現在の店主も隣から覗き込む。

「どうです?」

「ここですね」

若い店主が原因を見つけ、手早く対応する。

「はい。これで大丈夫です」

台を閉める。玉が再び、軽快に流れ始めた。

「完璧ですねぇ」

現在の店主が嬉しそうに言う。

「ありがとうございます」

「……自分にお礼言ってる」

常連が笑った。

その後も、ホログラム店主は大活躍だった。マイクを持って店内放送をしたり、ドル箱を運んだり、台の様子を見回ったり。

「それでは、こちらお願いします」

「はい」

従業員アンドロイドも、すっかりホログラム店主を戦力として扱っている。

「ホログラム店主、こちらのドル箱をお願いします」

「分かりました」

若い店主がドル箱を持ち上げる。

「……普通に持ってる」

常連が呟いた。

「本当にホログラムなんですか?」

「不思議ですねぇ」

現在の店主は楽しそうに笑っている。

「でも、これは助かります」

「店主さん、自分で自分を働かせてますよ」

「そうですねぇ」

店主は嬉しそうだった。

「今日は二人分働けますからね!」

しばらくして、店内が少し落ち着いた。

若い店主が、ゆっくりと現在の店主のところへ戻ってくる。

そして、その顔を見る。現在の店主も、若い自分を見る。

若い店主が、にこりと笑った。

「今日は、ありがとうございました」

「こちらこそ。助かりました」

二人は向かい合ったまま、穏やかに笑う。

そして若い店主の姿が、少しずつ薄くなっていく。

「……あ」

常連が声を漏らす。

若い店主はそのまま現在の店主へ一歩近づいた。

そして――

その姿が、現在の店主の身体に重なる。

一瞬だけ、二人の姿が重なった。若い店主のにこやかな顔が、現在の店主の顔と重なり――

ふっと消えた。

店内には、いつもの店主だけが立っている。

「……」

店主はしばらく、自分の手を眺めていた。

そして、ふっと笑う。

「いやぁ……楽しかったですねぇ」

常連が笑いながら言った。

「また来てくれるといいですね」

「ええ」

店主はカウンターへ戻りながら答えた。

「来てくれたら、またお願いしましょうか」

「また働かせるんですか!」

店内に、常連の声が響く。

店主は楽しそうに笑っていた。

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作者について

蘇轍

ぱちんこは、「遊ぶための機械」でありながら、「機械そのものを眺めるための機械」でもある。

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