第135話 最後の運転手
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あらすじ
1907年、ウィーン美術アカデミー受験に失敗した若きアドルフ・ヒトラーは、 絵画の才能ではなく建築的構成力に向いていると指摘される。 史実では、その助言は彼の人生を救うほどの導線にはならなかった。 しかしこの世界では、面談した学長または教授が、彼の水彩画に見える建築物の描写力、正面構成、装飾への執着を見抜き、ウィーン市内の設計事務所や建築装飾工房への紹介状を書く。 「君は画家ではない。少なくとも、人物を描く画家ではない。 だが建物を見る目はある。 絵筆ではなく、定規と図面で食う道を探しなさい」 この一言が、歴史をわずかにずらす。 ヒトラーは政治集会の演壇ではなく、製図台へ向かう。 大衆を煽る言葉ではなく、式典会場の正面構成、店舗内装、建築透視図、仮設壇上、展示空間の意匠で生計を立てていく。 やがて第一次大戦には史実同様に従軍するが、戦後に戻る場所がある。 完全な漂流者ではない。 敗戦と混乱に怒りを抱えながらも、彼は政治運動の中心にはならず、設計と意匠の仕事へ戻る。 そして1920年代、ミュンヘンに小さな事務所を構える。 Adolf Hitler Entwurfsbüro アドルフ・ヒトラー意匠事務所 ここから始まるのは、世界征服ではない。 納期と外注と広告屋と若手所員に振り回される、偏屈な意匠家の職業人生である。
本文
1943年2月27日、土曜日。
ミュンヘンの朝は晴れていた。
雪は道路脇に薄く残っていたが、空は明るく、ここ数日の冷え込みも少しだけ緩んでいる。
アドルフ・ヒトラー意匠事務所の前には、2台の車が並んでいた。
オペル・カピテーン。
そして、濃灰のポルシェワーゲン。
ケンプカはカピテーンのボンネットを開け、エンジンルームを覗き込んでいた。
その横でヒトラーも覗いていた。
ただし、見ているというより、何を見るべきなのかを考えている顔だった。
「エンジンオイルの油量はこちらです」
ケンプカが指を差した。
「分かっている」
「では、オイルの注入口はどこですか」
ヒトラーは黙った。
ケンプカはしばらく待った。
「ここだろう」
「そちらは冷却水です」
ヒトラーは顔をしかめた。
「似たような場所に置くな」
「私が設計した車ではありません」
「分かっている」
ケンプカは笑わずに続けた。
「長距離へ出る前には、一度確認してください。油量、冷却水、タイヤの空気圧。それから春になったら、タイヤそのものも工場で見てもらった方がいいでしょう」
ヒトラーはカピテーンの前輪を見た。
「まだ使える」
「使えます。ただ、使えるうちに見るんです」
「壊れてから見るのでは遅い、ということか」
「はい」
「それなら分かる」
カピテーンは、ポルシェワーゲンよりずっと大きかった。
長距離へ出る時。
人数が多い時。
来客を乗せる時。
荷物が少なくても、後席を使いたい時。
これまでは、そういう仕事になると自然にケンプカが鍵を持った。
ヒトラー自身が、どちらの車を使うか考える必要はほとんどなかった。
今後は違う。
「カピテーンは、長距離用のままでいいんだな」
「その方がよいと思います。後席も広いですし、荷物を積んでも余裕があります」
「市内だけなら」
「人が少なければポルシェワーゲンで十分でしょう」
その言葉のあと、ケンプカは少しだけ間を置いた。
ヒトラーが気づいた。
「何だ」
「そのポルシェワーゲンですが」
2人は隣の車を見た。
濃灰の小さな車体は、朝の光を受けてもあまり華やかには見えなかった。
1931年に事務所へ来て以来、ミュンヘン市内を走り、近郊へ出て、ベルナドッテ商会の展示へ行き、商工会へ行き、ブルーノ・ヴァイスの映画館リヒトシュピール・パラストへ行き、ホフマン写真館へ行き、修理工場へも一度ならず入っている。
車体には細かな傷もある。
塗装の艶も、納車された頃とは違う。
「何だ」
ヒトラーがもう一度尋ねた。
「少し、エンジンの具合が気になります」
「またか」
「すぐにどうこうなる、というほどではありません」
「以前も直した」
「そのようですね、カピテーンの購入の原因でもあったようですし」
「なら何だ」
「直した車でも、また悪くなることはあります」
ヒトラーは気に入らない顔をした。
ケンプカは運転席へ入り、エンジンをかけた。
スターターが回る。
少し長かった。
一度ではかからない。
もう一度。
エンジンが目を覚ました。
ブルルル、と低く震える。
しばらくすると回転は落ち着いた。
しかし完全ではない。
わずかに、音が揃わない。
ヒトラーは耳を澄ませた。
「これか」
「はい」
「大した音ではない」
「確かに今は、そうですね」
「今は?」
「温まれば、ほとんど普通です。ただ、朝の始動が以前より重い。止まっている時も、少し回転が乱れることがあります」
ヒトラーは腕を組んだ。
「走れないわけではない」
「走れます」
「なら問題ない」
「所長」
「何だ」
「走れなくなってから工場へ持っていくのは、少し難しいです」
ヒトラーは黙った。
ケンプカはエンジンを止めた。
「一度、見てもらった方がいいと思います」
「明日は日曜日だ」
「はい」
「私が一度走らせてみる」
ケンプカはヒトラーを見た。
「異常を確かめるために、無理はしないでください」
「試すと言っただけだ」
「所長の“試す”は、ときどき試験になりますので」
ヒトラーは眉を寄せた。
「君は最後の日まで余計なことを言うな」
「最後の日だから申し上げています」
ヒトラーは返事をしなかった。
事務所へ入ると、ラジオがついていた。
土曜日は午前勤務だった。
いつもの半分しかない時間の中で、エルゼは帳簿を閉じる準備を進め、ユンゲは来週の来客予定を整理し、ヨードルは3月第1週の工程表を壁へ貼っていた。
フランツは机の上の紙を片付けていた。
クレープスは、まだ片付けていなかった。
「クレープスさん」
エルゼが言った。
「今日は正午までです」
「分かっています」
「その紙は、正午までに終わる量ではありません」
「途中までなら」
「途中なら月曜日にしてください」
「線が途中で終わります」
ヒトラーが入ってきた。
「線は月曜日まで逃げん」
クレープスは仕方なく鉛筆を置いた。
ラジオからニュースが流れた。
アテネからの報道だった。
ギリシャの詩人コスティス・パラマスが、早朝に死去したという。
国民的詩人。
オリンピック賛歌の詞を書いた人物。
長年、ギリシャ文学を代表してきた人物。
葬儀は翌日行われる予定だった。
フランツが少しだけラジオへ顔を向けた。
「読んだことはないのですが、ギリシャの有名な詩人なんですね」
ユンゲが答えた。
「新聞にも何度か出ていました」
ヒトラーは上着を脱ぎながら言った。
「ギリシャは今、詩人を送葬するだけでも政治になる」
エルゼが帳簿を閉じた。
「葬儀は明日だそうです」
「なら、明日分かる」
ニュースは次の話題へ移った。
ドイツ国内の航空軍事関連だった。
艤装が続く航空母艦グラーフ・ツェッペリン。
艦上航空運用の試験準備。
ハンナ・ライチュが、近く実際の飛行甲板を用いた着艦試験へ参加する予定だという。
ヒトラーは動きを止めた。
「本物でやるのか」
ユンゲが新聞を取った。
「紙面にも、そのように書かれています」
「以前は地面に甲板を描いていたな」
フランツが頷いた。
「確かゲーリングさんが、そんな話をしていましたね」
「防空展で世話になったザイデル大尉もだ。飛行場に空母の飛行甲板と同じ幅を描いて、そこで離着陸を繰り返していると」
ヒトラーはラジオを見た。
「ようやく本物の練習場を手に入れたか」
ユンゲが言った。
「練習場というより、空母です」
「飛行機を降ろす場所には違いない」
「今度は海の上です」
「それに下が動く」
ヒトラーは少し考えた。
「地面に線を描くより面倒だな」
フランツが言った。
「船ですから」
「分かっている」
記事では、発着艦だけでなく、洋上航法、甲板上での機体移動、着艦装置、通信、救難など、海軍航空運用そのものの確立が課題になっていると伝えていた。
ヒトラーは少しだけ感心した顔をした。
「飛行機を飛ばすだけでは済まんのだな」
「戻ってこなければいけませんから」
ユンゲが言った。
「飛行機は普通そうだ」
「海の上では、飛行場そのものが動きます」
ヒトラーは答えなかった。
その少しあと、アメリカの航空事情についても短く触れられた。
消息筋によれば女性輸送飛行家ナンシー・ハークネス・ラヴが、新型戦闘機P-51の操縦資格を得る見込みだという。
ヒトラーは新聞を受け取った。
「今度はアメリカか」
「女性飛行家の記事が並びましたね」
ユンゲが言った。
「アメリカでは戦闘機を飛ばし、こちらでは空母へ降りる」
ヒトラーは紙面を見た。
「男は何をしている」
ユンゲは少し考えた。
「日本との戦争をしているのではないでしょうか」
「それはそうだが」
フランツが顔を伏せた。
ヒトラーは新聞を畳んだ。
「何がおかしい」
「何でもありません」
「最近、事務所の鉛筆はよく曲がるな」
「今日は新聞を見ていました」
「なら新聞が曲がったのか」
「仕事に戻ります」
正午が近づいた。
ケンプカは、机の上へ鍵を並べた。
カピテーンの鍵。
ポルシェワーゲンの鍵。
修理工場の連絡先。
給油所の控え。
整備記録。
これまでなら彼の鞄に入っていたものだった。
「こちらがカピテーンの予備鍵です」
ヒトラーは受け取った。
「こちらがポルシェワーゲン」
「分かる」
「修理工場はこちらです」
「知っている」
「電話番号は」
「そこに書いてある」
「はい」
ケンプカは少し笑った。
ヒトラーは顔をしかめた。
「何だ」
「いえ。ちゃんと引き継げそうなので」
「子供扱いするな」
「免許を取られたばかりですから」
「免許は免許だ」
「車の管理は、また別です」
ヒトラーは言い返そうとした。
エルゼが先に言った。
「その通りです」
「エルゼ、君まで入るな」
「保険契約を扱う者として必要です」
「何でも帳簿にする」
「必要だからです」
時計が正午を指した。
ヨードルが予定表から顔を上げた。
「勤務終了です」
「君が言うと命令のように聞こえる」
ヒトラーが言った。
「勤務表上の時刻です」
「分かっている」
ユンゲが受付を閉めた。
エルゼが帳簿に最後の線を引く。
フランツは上着を取った。
だが、誰もすぐには帰ろうとしなかった。
ケンプカだけが少し困った顔をしていた。
「では、私も皆さんと一緒に出るとしましょうか」
彼が言った。
ヒトラーが止めた。
「待ちたまえ」
エルゼが机の下から小さな包みを出した。
厚紙の箱だった。
派手な包装ではない。
紐がかけられている。
ヒトラーが受け取って、ケンプカへ差し出した。
「持っていけ」
ケンプカは箱を見た。
「何ですか」
「開ければ分かる」
「所長からですか」
「所員一同からだ」
ケンプカは紐をほどいた。
中には、新しい革の作業手袋が入っていた。
厚手ではあるが、指は動かしやすい。
掌には補強が入っている。
機械や工具を扱うためのものだった。
ケンプカは片方を手に取った。
「整備用ですか」
「次の職場でも機械を触ると言っていただろう」
「ありがとうございます」
ヒトラーは少しだけ顔を逸らした。
「所員一同からだ」
エルゼが言った。
「ただし費用の大部分は所長が」
「エルゼ!」
事務所の中が静かになった。
エルゼはヒトラーを見た。
「何ですか」
「めでたい時まで帳簿を出すな」
「帳簿は出していません」
「同じだ」
「事実を申し上げただけです」
フランツが箱を覗いた。
「所長、そんなに出したんですか」
「出していない」
「出しています」
エルゼが言った。
「エルゼ!」
ユンゲは記録帳を開いた。
「餞別費用について」
「ユンゲ君まで書くな!」
ケンプカが笑った。
今度は、ヒトラーも何も言わなかった。
少し遅い昼食を、皆で近くの食堂で取った。
大げさな送別会ではなかった。
パン。
スープ。
ジャガイモ。
肉料理。
チーズ。
それぞれが普段通りに注文した。
ケンプカも、普段通りに食べた。
ただ、明日の予定を聞かれることだけが普段と違った。
「明日は、ゆっくり休みます」
「当然だ」
ヒトラーが言った。
「月曜日から新しい会社ですから」
「遅刻するな」
「しません」
「最初の日から工具の置き場所に文句を言うな」
「所長ではありませんので」
フランツが吹き出した。
ヒトラーはフランツを見た。
「何だ」
「いえ」
「今度は何が曲がった」
「スプーンです」
「曲がっていない」
「そうですね」
食事が終わった。
事務所前へ戻る。
ケンプカは、もう一度2台の車を見た。
カピテーン。
ポルシェワーゲン。
長い間、自分が運転席に座ってきた車だった。
ヒトラーが横に立った。
「近くへ来ることがあれば寄れ」
ケンプカは少し驚いたように見た。
「車が壊れた時だけ呼ばないでください」
「誰が整備工代わりに呼ぶと言った」
「では、安心しました」
「ポルシェワーゲンは明日見る」
「無理をしないでください」
「またそれか」
「最後なので」
「さっきも聞いた」
ケンプカは手袋の箱を抱え直した。
「では、本当にこれで」
ヒトラーは頷いた。
「うむ」
「お世話になりました」
「こちらも助かった」
ヒトラーは少し間を置いた。
「運転ではな」
ケンプカは笑った。
「それで十分です」
握手は短かった。
ケンプカは歩き出した。
途中で一度振り返った。
事務所の前には、いつものように2台の車が並んでいた。
だが、そのどちらにも、もう彼の荷物は入っていなかった。
ヒトラーがポルシェワーゲンを事務所裏の駐車場に止め直した後、カピテーンはフランツが貸しガレージに仕舞い、その日は終わった。
翌日。
2月28日、日曜日。
ヒトラーは自分とブロンディの朝食を済ませると、事務所裏のポルシェワーゲンの前に立っていた。
昨日ケンプカから受け取った鍵を使う。
運転席へ座る。
眼鏡をかける。
ミラーを合わせる。
キーを回す。
スターターが回った。
一度目。
かからない。
ヒトラーは顔をしかめた。
もう一度。
エンジンが始動した。
「遅い」
誰に言うでもなく言った。
しばらく待つ。
回転が落ち着く。
いや、完全には落ち着かない。
ブルル。
ブルルル。
時々、わずかに震え方が変わる。
「これか」
ヒトラーは昨日のケンプカの言葉を思い出した。
走れないわけではない。
一度、見てもらった方がいい。
ヒトラーは車を出した。
休日のミュンヘンは、平日より道が空いていた。
最初は近所を回るだけのつもりだった。
交差点。
広い通り。
住宅街。
もう一度、大きな道へ。
走っている時は悪くない。
速度を上げれば、エンジン音も揃う。
だが信号で止まると、また少し震える。
加速しようとすると、一瞬だけ間がある。
「なるほど」
ヒトラーは独り言を言った。
これまで助手席や後席では気づかなかった。
運転席へ座り、自分でアクセルを踏むと分かる。
車が返事をするまでの間が、以前より長い。
「ケンプカの言った通りか」
それを口にするのは、少し気に入らなかった。
だが、事実だった。
無理はしなかった。
郊外まで行くこともせず、市内をひと回りして戻った。
昼前には車を事務所裏の駐車場へ置き、自宅へ帰った。
ブロンディが出迎えた。
「今日は散歩に、まだ行っていなかったな」
ブロンディは鼻を動かした。
「出かけたのは車の様子を見るためだ。君まで乗せて止まったら困る」
耳が動いた。
「エンジンは途中で止まってはいない」
ヒトラーはブロンディに首輪をつけリードを繋いだ。
「だが、月曜日には工場で見てもらう」
ヒトラーの言葉を気にせずブロンディは玄関へと向かい散歩を急かした。
夕方。
自分の食事を簡単に用意しながら、ブロンディの夕食も準備した。
犬用に味をつけてない肉を小さく切り分ける。
そこに茹でたジャガイモを混ぜて食べやすくほぐした。
水皿を確認する。
ラジオをつけた。
ニュースが始まった。
最初は太平洋方面。
その次はアメリカ。
そのあと、ギリシャ。
ヒトラーは手を止めた。
前日に亡くなったコスティス・パラマスの葬儀が、アテネで行われたという。
多数の市民が集まった。
詩人、学生、知識人、労働者、一般市民。
ギリシャ国歌が歌われた。
そして葬列の中から、イタリアによる政治的圧力に抗議する声が上がった。
アルバニア方面への軍事力集中。
ギリシャに対する要求。
アドリア海秩序を掲げるローマの声明。
葬儀は、次第に大規模な国民的示威の様相を帯びたという。
ヒトラーはブロンディの皿を床へ置いた。
「まだだ、姿勢をちゃんとしなさい・・・よろしい」
ブロンディは食べ始めた。
「胸を張れ、胸を張れと、朝から晩までやかましく言っているからだ」
ラジオは続けた。
アテネ市内では警察が警戒に当たったが、大規模な衝突は確認されていない。
イタリア政府は、ギリシャ国内の反イタリア感情を煽る動きについて懸念を示した。
ヒトラーは鼻を鳴らした。
「向こうまで胸を張って言い返すようになった」
ブロンディは聞いていなかった。
「柱を立てる。顎を上げる。胸を張る。ローマ帝国だと言う」
皿の肉が減っていく。
「それで葬式まで自分への抗議にする」
年明けにゲッベルスから聞いた短編映画を思い出した。
『ドゥーチェのお顔』。
ドナルドが、姿勢を直され続ける。
胸を張れ。
もっと堂々と。
もっと立派に。
スポーツも国家の威信。
姿勢も国家の威信。
何もかもが国家の威信。
ヒトラーは椅子へ座った。
「映画屋も、あながち大げさではなかったな」
ブロンディが食べ終わった。
皿を舐めている。
ヒトラーはラジオの音を少し下げた。
机の上には、昨日ケンプカから受け取った整備記録の控えが置いてあった。
その横に、ポルシェワーゲンの鍵。
明日は3月1日。
ケンプカは、もう来ない。
ポルシェワーゲンは工場へ持っていかなければならない。
自分で。
ヒトラーは鍵を見た。
「やはり運転できるだけでは足りんな」
ブロンディが顔を上げた。
「君には関係ない」
ヒトラーは鍵を取った。
「明日は修理だ」
窓の外では、2月最後の日が暗くなっていた。