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【49番外】 パチンコ相談室

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/9/22 📚 シリーズ: 時環遊技場 📝 1,916文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

ChatGPTと一緒に制作した、「時環遊技場」短編集です。 舞台は、未来都市・郊外第9区。昭和の手打ちパチンコから平成中期のCR機までが残る古い遊技場に、人間、ロボット、アンドロイドが集まる。そしてそこでは時々、不思議なことが起こる。ちょっと懐かしくて、少し不思議なパチンコ店の物語。

本文

午後の時環遊技場。

店内には、玉の転がる音と、遊技台から流れる小さな電子音が響いていた。

店主は羽根モノコーナーをゆっくり見て回っている。

いつものように台の様子を確認し、釘の状態を眺め、時々小さく頷く。

そのときだった。

「店主さん」

突然、台から声がした。

店主が足を止める。

「はい?」

「最近、玉が思うように来てくれません」

店主は台を見上げた。

「……そうですか」

「はい。来てくれたと思ったら、風車に弾かれてしまったり、釘にぶつかって違う方向へ行ってしまったり」

「まあ、玉というものは、そういうものですからね」

「そうなんですけど……」

台は少し間を置いた。

「これでいいんでしょうか」

店主はしばらく黙って台を眺めた。

「難しいご相談ですねえ」

その会話を、近くで遊技していた常連が聞いていた。

「パチンコも人生相談する時代になったのか」

常連が笑う。

すると台が答えた。

「パチンコは人生に似ている、と聞いたことがあります」

「まあ、確かによく言うよな」

「玉は真っ直ぐ進みません」

「そうだな」

「思い通りにもなりません」

「そうだな」

「それでも、打ち出されれば進むしかありません」

常連は少し考えた。

「……なんか、俺より立派なこと言ってないか?」

店主が小さく笑った。

「では、人生の先輩として何か助言をしてあげてはいかがですか?」

「俺が?」

常連は台を見た。

「そうだなあ……」

少し考えてから、口を開く。

「まあ、思い通りにならないのが普通だよ」

「はい」

「たまに、とんでもないところへ飛んでいくこともある」

「はい」

「でも、そういう玉が意外なところに入ったりするんだよ」

台が静かになった。

「……なるほど」

「だから、まあ、あんまり気にするな」

「ありがとうございます」

「どういたしまして」

店主は二人のやり取りを聞きながら、微笑んでいた。

ところが、その直後。

「では、あなたはどうですか?」

「俺?」

「思い通りになっていますか?」

「…………」

常連は黙った。

「いや、それは……」

今度は常連が腕を組んだ。

「実はな」

台が待つ。

「俺も最近、ちょっと思うようにいかないことがあってさ」

「そうなんですか?」

「うん」

「でしたら、私でよければお話を聞きます」

「お前に?」

「はい」

常連は台を見つめた。

そして、少しだけ笑った。

「じゃあ……聞いてくれるか」

「もちろんです」

店主は二人を見て、思わず吹き出しそうになった。

「ずいぶん仲良くなりましたねえ」

すると、隣の一発台から声がした。

「私も相談があります」

「あなたもですか」

「私は、一度特定の穴に入れば、その後は打ち止めまで玉が出続けます」

常連が振り返る。

「そりゃ一発台だからな」

「はい。ですが、その一発が、なかなか入ってくれません」

「まあ、そういうもんだよな」

「あなたも同じでは?」

「……まあ、そうだな」

二人は妙に納得した。

さらにその隣のCR機まで表示を変えた。

『演出が長いと言われます』

常連が吹き出す。

「俺も話が長いってよく言われるよ」

『お互い様ですね』

「お前もか!」

店内に笑い声が広がった。

気がつけば、台と常連たちの間で、あちこちに人生相談が始まっていた。

「最近、どうも流れが悪くてな」

「私も最近、スタートに入ってくれません」

「一度くらい大きなチャンスが欲しいんだよ」

「私も大当たりが欲しいです」

「お前はそれが仕事だろ!」

そんな声が、店内のあちこちから聞こえてくる。店主はカウンターに戻り、楽しそうにその様子を眺めていた。

すると、一人の常連が店主に声をかけた。

「そういや店主さんは?」

「はい?」

「店主さんは、悩みとかないの?」

店主は少し考えた。

「私ですか」

すると、店内の台が一斉に静かになった。

店主は困ったように笑う。

「そうですねえ……」

しばらく考えてから、いつもの穏やかな声で言った。

「毎日、こうして皆さんと楽しく過ごせていますからね。今のところは、特にありません」

その瞬間。店内の何台かの液晶に、小さく文字が浮かんだ。

『解決しました』

「早いな!」

常連が笑う。

店主も笑った。

そして、羽根モノの台がぽつりと言った。

「……でも、店主さん」

「はい?」

「私たちも、皆さんも、思い通りにならないことがあるんですね」

「そうですねえ」

店主は店内を見渡した。

玉は今日も、釘に弾かれ、風車に揺られ、思いもよらない方向へ転がっている。

それでも、どの玉も止まることなく、盤面の中を進んでいく。

「人も台も、いろいろありますから」

店主がそう言うと、どこかの台から小さく表示が出た。

『お互い様です』

それを見た常連が笑った。

「まったく、その通りだな」

今日も時環遊技場では、人と台が互いの悩みを聞きながら、白銀の玉を転がしている。

人生も、パチンコも。

どう転がるかは、最後まで分からない。

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作者について

蘇轍

ぱちんこは、「遊ぶための機械」でありながら、「機械そのものを眺めるための機械」でもある。

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